RE受験バイブル

Top

イライラして勉強が進まない!勉強中にイライラしたときの対処法

Re受験

社会人の7割以上がストレスを感じているとされる昨今、高校生や受験生、Re受験生の生活も、日々ストレスと隣り合わせです。

特に、テストや受験に向けての勉強は、目標を目指しているからこそ、達成するまでにはつまずくこともあり、ストレスが溜まります

勉強が思うように進まなくてイライラしてしまい、そのイライラのせいでさらに勉強に集中できない、といった悪循環におちいってしまうことはありませんか?

中学生・高校生の8割以上は、何らかの不安や悩みを感じているという調査結果もあります。

ストレスが溜まってイライラが募ると、眠りが浅くなってしまったり、胃腸の調子を崩すなど体調に影響が出たりすることも。それではなおさら勉強が順調に進まなくなってしまいます。

この記事では、教育機関で若者の悩みに接してきた経験のある筆者が、高校生や受験生・Re受験生のイライラの原因や、対処法について紹介します。

勉強は長期戦です。ストレスとうまく付き合っていくために、ぜひ参考にしてみてください。

参考:社会人の7割以上、「ストレスを感じている」 – 最多の要因は?

参考:高校生の悩みや不安とその対処方法(文部科学省)

勉強中にイライラしてしまう原因とは?

「イライラする」という気分の不調は、ストレス反応のひとつです。

ストレス自体は、必ずしも悪いものではなく、ほどよい緊張感を与えてくれることもあります。

ただ、イライラがつのると、勉強や日々の生活、家族や友人との関係性などに悪影響が出てしまうかもしれません。

イライラするせいで生活に支障が出る場合や、ひどいときには自然と涙が出てしまうなどといった場合には、ストレスの影響を軽減する必要があります。

そのためにはまず、ストレスの原因は何かを探ってみましょう。

テストや受験に向けた焦り

誰しも、大事なイベントの前にはストレスが溜まってしまいがちです。

特に、テストや入試が目前に迫っていると、「時間が足りない!」と気持ちが焦ってしまい、イライラしてしまうことがあるでしょう。

家族や周りの人からの厳しい言葉や、または応援さえも、時にはプレッシャーに感じてしまうかもしれません。

ただ、イライラしても本番までに時間が延びるわけではありません。むしろイライラのせいで勉強の効率が落ちてマイナスになることのほうが多いです。

そんなとき、イライラする原因を自覚するだけでも、自分の気持ちをコントロールしやすくなります。

「なんだか無性にイライラする……」というとき、テストや入試が近付いている場合には、「本番が近いから焦っているんだな。ひとつずつ課題をつぶしていこう。」と自分に言い聞かせて、心を落ち着けましょう。

問題が解けないストレス

テスト勉強や受験勉強で練習問題や過去問を解いているとき、答えを誤ってしまったり、解き方がわからなかったりしてストレスが溜まることもあるでしょう。

「問題がスラスラ解けたらいいのに」という理想と現実がかけ離れれるほど、ストレスが増え、イライラしてしまうことも。

ただ、いくら勉強ができる人でも、始めから全ての問題が完璧に解けたわけではありません。問題が解けなかったり、誤答してしまった場合には、一つのつまずきにこだわらず、気持ちを切り替え、「まだ覚えられてないところが見つかったから覚えよう」という具合に考え前に進むことが大切です。

問題が解けなくても、自分に失望する必要は一切ありません。解答・解説をよく読んで、どのポイントでつまずいてしまったのかを確認し、次に活かしていけばよいのです。

疲れが溜まっている

イライラするとき、ケアすべきは心よりもむしろ体の状態、ということも少なくありません。

日々の生活で疲労が溜まってきていると、心にも余裕がなくなってイライラしてしまうことはよくあります。

特に、心の状態に影響を及ぼしやすいのは睡眠の質です。睡眠が十分に取れていないと、ストレスへの耐性が弱くなってしまうといわれています。

夜遅くまで勉強する日が続いたり、寝る前にスマートフォンを見てしまったりして睡眠の質が落ちていることはありませんか?

「心に余裕がなくなっているな」と思ったときほど、いつもより早く就寝する、ゆっくりお風呂に入る、寝る前に電子機器を触らないなど、睡眠の質を上げることを試してみましょう。

また疲労の回復のために、ストレッチやマッサージなどで体をリラックスさせることも効果的です。

参考:精神状態は、睡眠の質に左右される!? 睡眠負債

完璧を目指しすぎている

先ほども触れましたが、理想と現実との間にギャップがあるとストレスが溜まりやすくなります。

日々勉強をがんばっている人のなかには、自分に厳しく、完璧主義になってしまっている人も多いのではないでしょうか。

毎日、スケジュール通りに勉強を進めて、全ての問題を完璧に覚えて……と考えがちですが、必ずしも思うとおりに勉強は進みません

いつも一生懸命勉強し、完璧を目指している人は、うまくいかないことが重なるとストレスが溜まってしまいます。自分で自分に腹が立ってイライラし、周りの人に当たってしまうこともあるかもしれません。

そうなると人間関係にも支障がありますし、勉強も滞ってしまって、結果的にマイナスになってしまいます。

できないことが多くてイライラが続くときには、「完璧主義になりすぎていないかな?」と自分に尋ねてみてください。

また、「完璧を目指す」のではなく、「成長を目指す」ようにすると、解決に近づくと思います。

悩みをひとりで抱え込んでいる

イライラが収まらないとき、勉強の不安や焦りを自分の中にだけ抱え込んでいませんか?

ストレスに対処するためには、自分の心と体のケアだけでなく、周囲の環境も重要です。

受験生に関する調査で、家族のサポートがある場合とそうでない場合には、前者のほうがストレスの影響が少ないという研究結果もあります。

家族に限らずとも、友人や先生などの周囲の人に不安や焦りなどのネガティブな気持ちを打ち明けることで、イライラを軽減させることができるかもしれません。

受験勉強がつらくなったときの対処法は、以下の記事も参考にしてみてください。

Re受験生の辛さとは?辛いと感じるときの対処法

参考:前田基成ほか「大学受験生の精神的健康に及ぼすソーシャルサポートの効果(心理・社会的ストレスI)」

参考:人に話すことで気持ちが楽になるメカニズムとは!?🌸こころコラム🌸from あざみ野

勉強中のイライラを解消する方法

ここでは、イライラを抑えるための具体的な方法をご紹介します。

自分に合ったものから試して、勉強のストレスをやわらげましょう。

深呼吸をしてリラックスする

ストレスが溜まると呼吸が浅くなるといわれています。

反対に、深く息を吸うことで、ストレスを軽減することができます。

簡単にできる呼吸法が、「腹式呼吸法」です。

  • 1.お臍の下に手を当てて、口からゆっくりと長く息を吐く。息を吐く際、お腹がへこむのを感じる。
  • 2.息を吐ききったら、お腹が膨らむのを感じながら鼻からゆっくりと息を吸う。

この1と2を5〜10分ほど繰り返すことで、リラックスした状態にかかわる副交感神経のはたらきを助けることができます。

特に仰向けになった状態で行うと、お腹の動きを意識しやすいですよ。

参考:心のケア各論(文部科学省)

軽い運動をする

勉強に忙しいと、他のことをいろいろと我慢してしまいがちですが、1日15分程度の運動は心身の健康によいとされています。

体を動かすのが好きな人であれば、勉強の合間に軽いジョギング筋トレを行うとリフレッシュできるでしょう。

また、体を動かすのが苦手な人は、学校の行き帰りに回り道していつもより少し長めに歩いてみることなども効果的です。

勉強のときには適宜休憩を取るのが望ましいです。その休憩の間に1分程度肩を回すストレッチをするだけでも、体がほぐれて心も休ませることができますよ。

参考:心のケア各論(文部科学省)

気持ちを切り替える

「問題が解けないとイライラしてしまう」という人は、気持ちの切り替えがうまくいっていない可能性が高いです。

ただイライラしても、問題が解けるようになるわけではありません。心に負担が掛かる前に、諦めてしまうのも大事です。

例えば、自分の中で、5分、10分と時間を決めて、その間に手も足も出なければいさぎよく諦めて解答を見るようにするのもよいでしょう。

むしろ、「失敗」の体験のほうが記憶には効果的といわれています。また、解答を熟読するのも効果的な勉強方法になります。ノートに解答を書き写しながら、そうした問題に慣れていきましょう。

記憶力には個人差がありますが、何度も復習することで定着していきます。1度で覚えられなくても、ストレスを感じる必要はありません。もう一度解答を見て、「今度はここまでは何も見なくても進めるようにしよう」と目標を立て直せばよいのです。

気持ちの切り替えには、慣れていないと時間がかかるかもしれませんが、「自分は切り替えできない」と思い込まずに訓練していると慣れてきます。

気持ちの切り替えは今後の人生でも必要となってくる能力なので、磨いてみてみるとよいでしょう。

参考:池谷裕二『最新脳研究が教える 16歳からの勉強法』(東進ブックス、2022年)

家族や友人と話す

先ほども触れたように、悩みを自分だけの中で抱え込んでしまうと、どうしてもストレスが溜まりやすくなります。

友人や、家族、先生などの周囲の人に、自分の気持ちを少しでも打ち明けてみると改善されるかもしれません

また、勉強とは関係のない話をして気分転換するのもよいと思います。

人間関係は人それぞれですが、自分の悩みを打ち明けられる環境を作ることができれば、メンタルバランスを保ってイライラを減らすことができるでしょう。

悩みをノートに書き出してみる

先ほど述べたように、人間関係は人によって異なります。

周囲の人に弱みを見せたくない人や、身近に悩みを打ち明けられる人がいない、という人も、なかにはいるでしょう。

そんなときの心のデトックス方法として、ノートに自分が思ったことを書き出すという方法があります。

有名なのは「モーニングページ」という習慣です。

朝、30分ほどかけてノートに自分が思っていることを手書きで書き出してみることで、心の中のモヤモヤを吐き出すことができます。

この「モーニングページ」は「誰にも見せないこと」がルール。そうすれば、少し愚痴っぽいことでも自由に書くことができるのです。

朝に活動するのが苦手ならば、自分の好きな時間に、同じようにノートに気持ちを書き出してみるだけでも頭がスッキリしますよ。

ちなみに、スマホなどよりも手書きのほうが効果があるようです。

周囲の人と話す時間がとれない、話せる人がいないという人は、ぜひ試してみてください。

参考:【モーニングページとは?】話題の朝習慣のやり方や効果、エディターの体験ルポまでご紹介!

長期的にイライラを予防するためのポイント

日々のイライラに対処するのはもちろんのこと、できることならば、ストレスの溜まりにくい生活習慣を身につけたいものです。

長期的にイライラを予防するためには、どうしたらよいのでしょうか。

いくつかのポイントを押さえておきましょう。

悩みを相談できる環境を作る

先ほども述べましたが、ストレスを溜め込んでイライラしないために効果的なのは、人と話すことです。

家族のサポートが受験生のメンタル面の健康に効果的という研究を紹介しました。家族以外でも、悩みを共有できる友人や、自分の状況をわかってくれる先生などがいると、勉強やそれ以外のストレスに対抗するための強い味方になってくれるはずです。

どうしてもイライラが収まらず、体の不調を感じるときなどには、カウンセラーを頼ってみてもよいかもしれません。

学校によってはスクールカウンセラーが在籍していることもあります。相談に行くのに抵抗のある人もいるかもしれませんが、勉強のイライラで困っているなら、一人で抱え込まず、周囲に頼る方法も試してみるとよいでしょう。

参考:前田基成ほか「大学受験生の精神的健康に及ぼすソーシャルサポートの効果(心理・社会的ストレスI)」

参考:文部科学省 スクールカウンセラーについて

規則正しい睡眠時間を確保する

睡眠の質がメンタル面の健康に関わることはすでに触れました。

質の高い睡眠は、習慣づけないとなかなか身につくものではありません。毎日、睡眠時間を必要以上に削らないようにしたり、睡眠までのルーティンを最適なものにできるよう工夫を続けましょう。

規則正しい睡眠を心がけると、体内時計が整い、体が眠る準備をしやすくなる効果もあります。

また、日中の軽い運動や、入浴は睡眠を助けるといわれています。リラックスして日々の疲れを癒すためにも、勉強の息抜きにちょっとした運動や入浴の時間は確保しておくとよいでしょう。

寝る前にカフェインを摂りすぎないことなども重要です。

睡眠など、健康管理については次の記事も参考にしてください。

Re受験生の健康管理

参考:快眠と生活習慣

イライラしない考え方を身につける

人が何か行動するときや、外部から刺激を受けて何らかの反応をする際の思考パターンを「マインドセット」といいます。

人は決まった思考パターンに陥りがちですが、この「マインドセット」は変えることができます。

例えば物事がうまくいかないときに、「失敗してしまった」と落ち込んでしまうか、「これはうまくいかないと学んだ」と前向きに捉えるかでは、心の状態も変わり、その後の行動も変わってきます。

「失敗を学びと捉える」マインドセットや、常にポジティブに考えるマインドセット、「完璧主義ではなくできているところにフォーカスする」マインドセットなどを身につけることができれば、イライラなどのストレスを軽減することができます。

受験生の生活に役立つマインドセットについては次の記事も参考にしてください。

Re受験に必要なマインドセット

マインドセットは一度身に付ければ、今後の人生でも必ず役に立つので、高校生・受験生のタイミングで練習していくことをおすすめします。

体と心を休ませる習慣をつける

イライラはストレス反応のひとつです。

体や心に疲労が溜まると、どうしても心に余裕がなくなってしまいます。

すでに述べたように、規則正しい睡眠や軽い運動、入浴などは日々の疲労を軽減してくれるものです。ただ、心の疲労を回復してくれるのはそれだけではありません。

テスト前だから、受験前だからといって、好きなことを我慢したりしていませんか?

音楽を聴いたり、好きなアーティストのライブに行ったり、スポーツを楽しんだり、旅行に行ったり……静養するだけでなく、積極的に行動することで活力が高まり、疲労が回復するといわれています。

趣味がある人は、あまり我慢しすぎず、ときには勉強を忘れて没頭してみるのもよいでしょう。

全ての時間を勉強に費やすのではなく、勉強とそれ以外の活動のバランスが整え、かつメリハリのある生活を継続できれば、心のバランスもとりやすくなります。

受験生の息抜きについては、次の記事も参考にしてください。

Re受験生の息抜き

参考:片野秀樹『休養学―あなたを疲れから救う』(東洋経済新報社、2024年)

まとめ

ストレス社会といわれる現代、高校生や受験生・Re受験生の生活にも、さまざまなストレスがあることと思います。

何かを我慢してがんばることがよしとされる雰囲気はまだ至る所に残っていますが、日々の勉強を支えてくれるのは、心と体の健康です。

イライラするのは無理をしているサインかもしれません。

「最近心に余裕がないな?」と感じたら、ぜひ、この記事に書いてあることを参考に、今置かれている状況を振り返ってみてください。

また、そうした実践や、それで培われた力は、今後の人生でも役に立つことと思います。

関連

Re受験って恥ずかしい?人目が気になるRe受験生の対処法

Re受験って恥ずかしい?人目が……

Re受験で陥りがちな落とし穴とは?失敗談を交えて紹介!

Re受験で陥りがちな落とし穴と……

Re受験生の辛さとは?辛いと感じるときの対処法

Re受験生の辛さとは?辛いと感……

コラム