
大学受験の勉強をしていると、
「このまま勉強していて、志望校に合格できるのだろうか」
「志望校に落ちたら、将来どうなるんだろう」
というような、さまざまな不安を感じる人も多いのではないでしょうか。
実際に筆者も大学受験生時代は、同じような不安を抱くことがよくありました。
このような不安がずっと頭にあると、勉強に集中できなくなってしまいます。
そこでこの記事では、大学受験勉強をしていて感じる不安の対処法について、詳しく紹介します。
なぜ不安を感じるのか

そもそも「不安」とは一体何なのでしょうか。
不安とは、漠然とした未来の危険や苦痛の可能性に対して生じる不快な情動現象です。
この感情は、心理的特徴(緊張や心配)と身体的特徴(動悸や胸部不快感)の2つから構成されています。
不安を感じる主な理由は、以下の通りとされています。
1. 生存本能:動物は危険なものが近付いてきたときに、不安な感情を引き起こすことで、いち早く危険に対処できるようにプログラムされています。
2. 環境からのストレス:日常生活や学業、対人関係などのストレスが不安を引き起こすことがあります。
3. 個人の性格や特性:神経質さや抑うつ傾向などの性格特性が不安の感じやすさに影響を与えます。
4. 学習された反応:過去の苦痛体験が別の場面で予期されることで不安が生じることがあります。
不安は適度に感じる分には問題ない反応ですが、過度に強くなったり持続したりする場合には、不安障害などの問題に発展する可能性があります。
そのため、不安の性質や原因を理解し、適切に対処することが重要です。
参考:ストレスと不安の関連の検討―スピリチュアリティを調整変数と捉えて―
参考:不安、恐怖が起こる脳のメカニズム~どうやったら治るの?治療法まで~
参考:【不安障害】心配性とはちょっと違う。苦痛な不安を感じていたら要チェック!
大学受験で感じる、不安の原因

一般的な意味での「不安」について見てきたところで、ここでは、大学受験で感じる不安の原因を紹介します。
ちなみにですが、漠然とした不安の原因が明確になるだけでも不安が軽減されたり、解決策を考えることもできたりするかもしれません。
自分が感じている不安と同じものがあったら、必ず原因をチェックしてみましょう。
学力不足に対する不安
大学受験生の多くは「今のままで志望校に合格できるのだろうか」「全然学力が上がっている気がしない」のように、自分の学力に対する不安を抱えているのではないでしょうか。
これは、大学受験対策での学習量が膨大であることが挙げられます。自分ではたくさん勉強したつもりでもまだ穴があり、まだまだ覚えなければならないことがある、なんてことはよくありますよね。
「勉強したのにまだまだ点数が取れない…」
このように思うと、どんどん不安が強くなってきます。
私も大学受験生時代は「毎日たくさん勉強してるのに、どうして過去問が全然解けないんだろう…」という不安を感じていました。
このような不安を払拭するために、とにかく目の前の課題をこなし、自分の弱点を客観的に分析しながら、克服し続けました。
1つ1つ課題を解決して少しずつレベルアップすることで、学力に対する不安が薄まっていくでしょう。
将来への不安
「もし志望校に落ちちゃったら、将来どうなるんだろう…」
「今の志望校で本当に将来大丈夫なんだろうか…」
このように、大学受験が終わった後の自分の将来について不安を感じている受験生も多いでしょう。
確かに、一般的には「偏差値の高い大学を卒業した方が、将来良い会社に就職できる」とはいわれていますよね。
それを考えると「少しでもレベルの高い大学に進学しなきゃ」「第一志望の大学じゃないとダメなのかな」といった不安が出てきます。
しかし、実際は偏差値の高い大学に進学したからといって、その後の将来も約束されるわけではありません。
大事なのは、進学した大学でどのように4年間を過ごすかです。
偏差値の高い大学に進学しても、想像しているような理想の将来は手に入れられないかもしれません。
反対に、志望校ではない大学に進学することになっても、過ごし方によっては、自分が描いている理想の将来を手に入れられる可能性だってあるということです。
周囲との比較による不安
「私は周りの友達と比較して全然成績が伸びてない…」
「周りは推薦で大学に合格し始めたけど、一般受験の自分は合格できるかどうかわからなくて不安…」
このように、周りの友達やクラスメイトたちと比較して、受験に関する不安を感じている人もいるでしょう。
筆者も、推薦や一般入試で次々と合格を手にいれる友達が周りにいるなかで、自分だけ後期受験まで延びてなかなか最初の合格がつかみ取れず、大きな不安を感じていました。
このような不安に対しては「自分は自分だ」と割り切ることが大切です。
「友達が先に合格しようが後に合格しようが、自分の大学受験には何も関係ない。」
このように、自分の問題と周りの人たちの問題を切り分けて考えるようにしましょう。
これが難しいと感じる気持ちはわかりますが、周りが推薦で合格しても、一般受験で先に合格しても、Re受験をしたとしても、あなたの合否、ひいては人生には何も関係ないのは事実です。
まずはこの現実を理解し、自分に言い聞かせることが大切です。
試験当日のパフォーマンスに対する不安
「これまでたくさん勉強頑張ってきたけど、受験本番でミスをしてしまったらどうしよう…」
「今はA判定取れてるけど、自分は緊張しやすいから、受験当日に最大限の力を発揮できるかわからない…」
このような不安も、多くの受験生が感じていることでしょう。
模試や過去問演習では良い点数が取れているけど、当日ミスをしたらどうしようという不安以外にも、当日の体調不良や予期せぬトラブルなどによるパフォーマンスの低下も考えられますよね。
特に多いのは「緊張によるパフォーマンスの低下」ではないでしょうか。
この場合は、緊張しないように考えるよりも「自分は緊張している。これはいつも通りのことだ。」と、緊張している自分を受け入れることが大切です。
参考:医学部・難関大学に合格する試験本番での5つの対策とメンタル
ほかにも「緊張している状態を興奮している状態」と捉え直すことで、パフォーマンスがアップするという研究結果も、発表されています。
緊張を感じたら「自分は目の前の試練に対して興奮してワクワクしている」と自分に言い聞かせてみるのも、効果的な対処方法かもしれません。
いろいろと実践し、試してみましょう。
参考:Get Excited: Reappraising Pre-Performance Anxiety as Excitement
不安の対処方法

それでは、大学受験勉強をする中で感じる不安の対処方法を紹介します。
どれも有効な方法なので、現在不安を感じている方は、必ずチェックし、実践してみてください。
とにかく勉強し続ける
「学力が足りなくて、本当に第一志望に合格できるかどうか不安」
このような不安を感じている受験生の場合は、とにかく勉強の手を止めずに続けることが重要です。
なぜなら、勉強せずに立ち止まっていても「学力が足りない」という原因は解決されないからです。学力不足を解決するには、勉強するしかありません。
しかしこのとき注意しなければならないことは「勉強する」という事実を作ることに集中しすぎて、効率の悪い勉強をしてしまわないようにすることです。
勉強をする際は苦手科目や単元から目を逸らしてはいけません。苦手科目や単元には多くの伸びしろがあります。
これらの科目や単元の勉強を積み重ねれば、今感じている不安も少しずつ払拭されていくかもしれません。
他にも、一歩引いて見て、自分の勉強の効率をどうしたら上げることができるのか、いろいろ調べたりしながら模索しましょう。
やや乱暴な言い方に聞こえるかもしれませんが、勉強の不安は、勉強をすることでしか払拭できません。
不安を少しでも軽くするために、たくさん勉強して自信を手に入れられるように頑張りましょう。
また、「こんだけ勉強しても無理なんだったら仕方ない!」と吹っ切れるくらいまで勉強するのを心がけるのもよいでしょう。
誰かに相談する
恥ずかしいと感じるかもしれませんが、受験に対する不安が強い場合は、親や先生、信頼している友達など、誰かに相談することもおすすめします。
もしかしたら、相談相手が効果的なアドバイスをくれるかもしれませんし、不安を話して言語化していくなかで気づきが得られ、不安を払拭できるかもしれません。
自分一人では不安を解決することはできないかもしれませんが、誰かに打ち明けることで、払拭できたり、軽減できたりする可能性があります。
また、家族や先生以外にも、すでに大学受験を終えた先輩がいたら、その人に相談することもおすすめです。先輩は大学受験を乗り越えたばかりなので、大人たちよりもより共感力を持っていることもあります。
自分の頭の中で不安をずっと抱え込んだままだと、なかなか対処方法が見つからないでしょう。
しかし、誰かに相談すれば不安を払拭するきっかけが生まれるかもしれないですし、「頼れる人がいる」という実感が生まれれば、それも不安を軽減することにつながるかもしれません。
参考:カタルシス効果とは?心理学的な意味とメリットを分かりやすく解説
不安なことを紙に書き出す
不安なことを紙に書き出すという方法もおすすめです。
コツは、深くは考えすぎず、とにかく頭に浮かんできたモヤモヤや不安を全て素直に文字起こしすることです。
頭の中でモヤモヤとしてぐるぐる巡っていた不安が、文字として目の前に現れることで、自分の不安を整理できます。
可視化された自分の不安を見ることで、もしかしたら「そんなに大したことないことで悩んでたんだな」と、思わぬかたちで不安が払拭される可能性もあります。
紙に書いた不安はいつでも見れるように取っておいても良いですし、くしゃくしゃに丸めて捨てるのも、ストレス発散になって良いでしょう。
そのほかにも、不安を忘れられるように息抜きをしてみたり、お近くの神社へ合格祈願をしにいくことも精神的な安らぎを得られます(科学的な説明もあります)。
いずれも、下記の記事で紹介しているので、息抜きの方法や合格祈願について興味がある受験生は、チェックしてみてください。
参考:「今すぐできて効果絶大!」科学的に証明された不安を消し去る方法
不安と向き合う心構え

ここでは、大学受験対策をしていて生まれる不安と向き合うための、心構えについて紹介します。
どれも実践は簡単で今からできることなので、自分にできそうなものから早速トライしてみましょう。
不安を認識して、受け入れる
よほど気持ちの強い受験生ではない限り、どの受験生にも不安は必ずと言ってよいほど生まれます。
まず、「不安を抱えるのは普通のこと」くらいに思うようにしましょう。
そして、大切なのは「自分は不安を抱えている」と認識し、その事実を受け入れることです。
不安を感じている自分を、落ち着いて客観的な視点から見ることで「不安かもしれないけど大丈夫」と自分を励ませます。
「自分は不安を感じている」
「どんな不安を感じているんだろう?」
このように自分に語りかけることで、モヤモヤしていた不安を言語化できます。
考え方を変える
大学受験に挑む際、不安を完全に取り除くことは難しいですが、考え方を少し変えるだけで心の負担を軽減できます。
例えば、不安を「自分に必要な準備を教えてくれるサイン」と捉えてみましょう。不安を感じるということは、何か対策を講じる必要があることを示しています。
その不安が勉強の遅れなのか、大学受験が終わった先の将来の不安なのかなどを冷静に見極め、それに対してできることを1つずつ実行することで、確実に前進できます。
また、「全てが完璧でなければならない」という思い込みを手放すことも大切です。挑戦する中で少しずつ成長していく過程を楽しむことで、不安を希望や目標達成の原動力に変えることができるでしょう。
他にも、例えば模試の結果が芳しくなかったときに、「全然できない」と思うのか、「改善点が見つかった」と思うのかで、心の状態も大きく違うと思います。
不安を抱いたときには、不安がなくなる、あるいは軽減するには、どう考え方を変えたらよいかと、アプローチしてみてください。
今できることに集中する
受験において最も重要なのは、今この瞬間にできることに集中することです。
不安の多くは未来への過度な心配から生まれますが、未来は今の行動によって作られるものです。
例えば、目の前にある問題を1つ解く、苦手分野を克服するための計画を立てるなど、小さな一歩を踏み出し、積み上げていきましょう。
「今何をすべきか」に意識を向けることで、不安に囚われる時間を減らし、実際に行動を起こすことで達成感や充実感を得られます。
そもそも、結果がどうなるかについてあれこれ考えても仕方がなく、結局は「やれることをやる」に尽きるのです。その行動の集積が、結果として現れます。
- 今できることに集中する。
- 結果を(望むものでなくとも)受け入れる。
- 前を向いて、また今できることに集中する。
そうして、「もうやれることはやったから後悔はない!」と言い切れる状態を目指してみてください。
また、この考え方は大学生になっても、社会に出てからも役立つと思いますので、これを機に身に付けてみましょう。
ほかにもこの記事(Re受験に必要なマインドセット)では、大学受験生が必ず身につけておきたいマインドセットやその身につけ方について紹介して
「マインドセットってなんだろう?」
「受験に必要なマインドセットについて考えたことがなかった」
このように思った受験生は、必ずチェックしてくださいね。
まとめ
この記事では、受験生が抱く不安についてその原因や対処方法を紹介しました。
不安は多くの受験生が抱くものですが、適切に対処しなければ、そればかりが頭に浮かんでしまい、受験勉強の妨げになってしまいます。
この記事では、不安の原因と対処法を紹介しているので、学力や将来のことについて不安がある受験生は、上記の内容を参考にして不安を対処してみましょう。
完全に不安が払拭されることはなかったとしても、軽減はされるはずです。そうすれば、受験勉強の効率も上がり、きっと望む結果が手に入れられるようになることかと思います。
そして不安との付き合い方は、人生を通じても重要になってくることです。これを機に、「自分を人として成長させるチャンス!」と捉え、前向きに改善を目指してみましょう。
「今抱えている不安を軽くしたい!」
このように思っている大学受験生は、今回紹介したことを今日から取り入れてみてくださいね。
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