
「合格祈願」とは、数多くの学生やその家族が日本の寺社で行う伝統的な行事です。
学業や試験の成功を願い、神仏に祈りを捧げます。受験生は厳しい試験を乗り越え、自らの力で合格の道を歩むわけですが、合格祈願は心の支えとなり、自信や勇気、安心感をもたらしてくれます。
この記事では、合格祈願の意味やその背景に迫り、最適なタイミングや作法、そして日本国内で特におすすめの神社を紹介していきます。あなたの願いが叶い、望む結果が得られるように、合格祈願の知識を深め、心を込めて祈り運気をアップさせましょう!
合格祈願とは?

合格祈願とは、受験生やその保護者、受験生を支える周りの人が、試験や入学試験の成功や合格を願うことです。
具体的には、学問の神様で知られる神社や寺へ参拝し、合格を祈願します。天神様にちなんだ天満宮や天神社などが、特に学問の神様として知られ、多くの受験生や保護者で賑わいます。
参拝の際、願い事を書き記した絵馬を奉納したり、学業成就や合格祈願を願うお守りやお札を購入します。また、祈願料を奉納して、神職や僧侶による祈祷を受けることもあります。これに加えて、特定の行動を行うことで願いが叶うとされている場合もあり、例えば特定の石の上を歩く、特定の数の階段を登るなどの行動が含まれます。
合格祈願の目的は、精神的なサポートと心の安定を求めることにあります。不安やプレッシャーに満ちた受験生やその家族は、神仏に願いをかけることで心の平安を得ることができるとともに、目標に対する意識とモチベーションが高まり、自己効力感が強化されます。
これによって受験生は、自身の努力が報われることが確信に近づき、前向きな気持ちで試験に臨むことができます。
合格祈願に科学的根拠はある?

「合格祈願に意味なんてあるの?」
と疑心暗鬼になる人もいると思います。
しかし、合格祈願をすることは、科学的にも一理あるといえるかもしれないのです。
それは、「プラシーボ効果」というものに関連している可能性があります。
プラシーボ効果とは、患者が偽薬を本物の薬と信じて服用することで、健康状態が改善される現象を指します。これは、人々の信念や期待が、物理的または心理的な状態に影響を与えることができるためです。合格祈願も同様に、プラシーボ効果の一種とみなすことができます。
人々が試験に合格するために祈ることで、その人たちはポジティブな心持ちや自信を得ることができるかもしれません。これが、実際のパフォーマンスや学習効率の向上につながる可能性があるのです。
また、信じる力や自己効力感の向上が、間接的にポジティブな影響をもたらすことは考えられます。心理的な安定やストレスの軽減も、合格祈願の効果として考えられるでしょう。
これらの合格祈願から得られる心理的効果が、試験のパフォーマンスにプラスの影響を与える可能性があります。
合格祈願はいついくべき?

合格祈願は、多くの受験生が成功を願い実施する儀式ですが、コロナの影響や他の感染症のリスクを考えると、人が賑わう時期の参拝を避けることが推奨されます。
合格祈願のタイミング
夏が過ぎ、志望校が徐々に絞られてくる秋の段階での合格祈願が最適とされます。この時期ならば、目標が明確に決まっている人が多いため冷静に願いを神様に伝えることができるでしょう。
また、先に述べた通り、七五三や初詣、十日市など、参拝者が増える時期を避け、日取りを前もって決めておくことがおすすめです。
縁起のよい日と時間
合格祈願に適した日は、特にきまりはありません。仏滅の日などは縁起が悪いのではないかと避ける人もいますが、特にそのようなことはないため行きやすいタイミングで参拝しましょう。時間については、「太陽が昇っている時が理想」といわれています。
日が一番高く昇る前、つまり午前中が最良の時間帯です。朝の清々しい空気の中で、清らかな心で神様に祈願することで、ご利益も格段に違うかもしれません。
六曜と合格祈願
大安と仏滅も含めて、六曜は日や時間帯の吉凶を示します。これらは、中国から伝わったとされ、日本で広く普及しました。六曜には、「赤口」「大安」「友引」「仏滅」「先勝」「先負」の6つがあり、それぞれに吉凶、運勢が定められています。
しかし、神道と六曜の日は、実は直接の関連性はありません。神社は神様に守られている場所ですので、特定の日に限定して参拝する必要はなく、大安であろうと仏滅であろうと、どの日でも神様は皆さんの願いを聞いてくれます。
従って、合格祈願の際にこれらの日を選ぶかどうかは、最終的には皆さんの気分や個人的な信念に依存するところが大きいでしょう。
参考:受験対策の一つ(!?)合格祈願 いつ参ればいい?作法は?
参拝の作法やマナー

学問の神様を正しく祈願するには、正しい作法やマナーを理解し、守る必要があります。以下は、合格祈願の際の正しい参拝の作法やマナーについてです。
鳥居をくぐる前に一礼する
鳥居は神様の家の玄関であり、鳥居をくぐる前には一度立ち止まり、一礼します。これは、「神様の家にお邪魔します」という意味合いを持ちます。
参道は端を歩く
参道を歩く際は、中央を避け、両端を歩くように心がけます。中央は神様が歩く場所とされており、敬意を表して避けます。
手水舎で清める
手水舎で手と口を清めます。左手、右手、口の順で清め、最後に柄杓を立てて元の位置に戻します。この際、柄杓に直接口をつけないように注意します。
ただし、新型コロナウイルスの影響により、柄杓が設置されていないことが多くなっています。感染防止のための配慮と理解が必要です。
賽銭をして鈴を鳴らす
賽銭箱にお賽銭を入れ、鈴を鳴らします。賽銭の額や神社の知名度によって、ご利益が変わることがないということに注意しましょう。
また、参拝客が多い場合、鈴を鳴らすことに固執せず、礼儀正しく参拝しましょう。
二礼二拍手一礼をする
神前で2回お辞儀をし、その後、2回拍手をします。これは、敬意を表し、邪気を祓い、和合する意味があります。2拍手後、手を合わせて祈願し、最後に再度一礼をします。祈願が終わった後は、神様に背を向けずに、後退りしながら神前を離れましょう。そして、神社から出る際にも鳥居に対して一礼をして感謝を伝えます。
以上が参拝の基本的な作法やマナーです。これらを守り、謙虚な心で神様に祈願することで、神様も喜ばれるでしょう。そして、心からの感謝の気持ちも忘れずに、これからの学びや試験に臨みましょう。
参考:合格祈願は正しい礼儀作法で!受験生必見の合計7つの参拝マナーは? | 学問のするめ
神様とのコミュニケーション
神様はいつでもみんなのお願いを聞いていますが、願い事は「明確に」「簡潔に」「具体的に」伝える必要があります。志望校を明確にし、強い願いを込めてお願いしましょう。
参拝はただの願い事ではなく、「全力で頑張ります!どうか見守ってお力添えいただきますようにお願いします!」という強い信念と努力が必要です。
また、心からの感謝の気持ちを忘れずに、常に感謝の心を持ってお願い事をすべきです。そして、エゴのないお願いの仕方も重要です。自分だけの利益や欲望に囚われず、他人への思いやりや、全ての存在に対する尊敬と敬意を念頭に置きながらお願いをすることが大切です。
このようにすることで、より高い力が働きやすくなり、お願い事が叶いやすくなるでしょう。最後に、これらすべてを心に留めながら、自らも最善を尽くして努力し続けることが大切です。
合格祈願におすすめの神社
合格祈願のお守りで有名な神社や、学問の神様を祀っている神社は多数ありますが、中でも特に信仰を集め、毎年多くの受験生やその家族、受験を応援している人々が訪れる場所があります。
ここでは全国的に有名であり、合格祈願をするにはうってつけとされている神社をご紹介します。
北野天満宮(京都府)

北野天満宮は、学問の神様として知られる「菅原道真」を祭神とし、由緒正しき神社として多くの受験生たちから学業成就や合格祈願の場として選ばれています。
北野天満宮で祀られている菅原道真は、5歳で和歌を詠み11歳で漢詩を作るなどの卓越した学識から、学問の神様として広く信仰されています。
また北野天満宮は全国に約12,000社存在する天満宮・天神社の中でも、その総本社として位置付けられており、数ある京都の神社の中でも特に高い人気を誇っています。
合格祈願を行ったあとは、勧学守・勧学札・祈願絵馬・必勝はちまき・梅茶・鉛筆セットなどを購入することも可能です。
これらの特徴から、北野天満宮は学業成就や合格祈願に格別のパワースポットとされ、深く信仰されています。
参考:北野天満宮について
湯島天神(東京都)

湯島天神は、学問の神様である菅原道真公を祀る神社として、合格祈願や学業成就のために数多くの人々が訪れます。
合格祈願が目的の場合は、試験が行われる1ヶ月ほど前に参拝するのもよいでしょう。その理由としては、受験シーズンである1月から3月上旬までは屋台が出たり梅まつりが開催されたりと、特別な雰囲気で参拝をすることができるからです。
また、湯島天神では「学業守」や「学業成就鉛筆」など学業に関連するお守りやお札を購入することができます。学業成就鉛筆には「一歩一歩進め」や「自信は努力から」などという格言が記されており、願いの成就を後押ししてくれます。
湯島天神の近くには湯島聖堂があり、こちらも学問に縁のある施設です。湯島聖堂には、儒教の創始者である孔子が祀られています。学業成就や合格祈願で湯島天神を訪れた際には、湯島聖堂にも足を運ぶとよいでしょう。
防府天満宮(山口県)

防府天満宮は、日本最初の天満宮とされ、京都の「北野天満宮」や福岡の「太宰府天満宮」とともに日本三大天満宮の一つとされています。
防府天満宮は数多くある天満宮の中でも日本最初の天満宮とされ、学問の神様菅原道真公を祀る神社です。
合格された受験生が御礼の気持ちを込めて防府天満宮に返納するはちまきは、洗濯・アイロンがかけられ、次の受験生が無料でいただくことができます。受験生はこのはちまきを締めて、最後の追い込みをかけます。
合格した方は、感謝の気持ちや今後の抱負を絵馬に書き、奉納します。初穂料に定めは特になく、お気持ちだけで奉納することができます。
そして、願いが成就したことを神前で報告し、神恩感謝の意を示します。そして初穂料に応じて、御守、神饌、記念品、または御神酒などが授与されます。
参考:防府天満宮
大阪天満宮(大阪府)

大阪では、「天満の天神さん」として知られ、学問の神様、菅原道真公を祀る大阪天満宮は、受験生や学びたい心をもつ多くの人々に支持されています。
合格や就職、立身出世を祈願する際に、本殿の「登竜門」を通り抜ける神事が行われます。これができるのは年に一度で、例年1月中旬から3月の間の約10日間です。
お守りは合格守りはもちろんのこと、交通安全、縁結びなどさまざまな種類のお守りが用意されています。
「星合の池」での遊びとして、願い玉を梅型の的に投げ入れる運試しも楽しめます。
星合の池では、石でできた亀と本物の亀が一緒に日光浴をしています。池には梅の花の的が浮かんでおり、訪問者は願い玉を投げ、その玉が花びらにうまく載れば、願いが叶うと言われています。
投げる際に、的が浮いていて動くので、その上にうまく願い玉を載せるのは少し難しいようです。
大阪天満宮の近くの「菓子工房 マルイチ菓舗」で購入可能な「合格パン」は、受験生のお土産におすすめです。絵馬型の生地に「合格」と書かれ、パッケージの裏にも応援メッセージが記されています。
登竜門参拝や願い玉遊び、そして合格パンなど、さまざまな方法で祈願することができる大阪天満宮は、受験生を中心に多くの人々から親しまれています。
参考:大阪天満宮ってどんなところ?合格祈願、縁結び、厄除けetc. 開運祈願へ|るるぶ&more.
出雲大社(島根県)

出雲大社は、日本で最も重要かつ歴史のある神社の一つです。特に10月は、一般的には「神無月」とも呼ばれますが、出雲では「神在月」と呼ばれています。
神在月には、全国の神々が出雲大社に集まり、重要な会議「神議り」を開催します。この神秘的な会議では、神々が人間界のさまざまな事柄について議論します。この特別な期間中、多くの人々が合格祈願や他の願い事のために出雲大社を訪れ、神々の祝福を求めます。
合格祈願に訪れる人々向けには「学業守」が販売されています。出雲大社ではこのほかにも、「長寿守」「厄除守」「開運守」「安産守」などの多様なお守りがあります。
出雲大社の祭神、大国主神は、幅広い意味での「縁結びの神」としても崇められています。縁結びに関連する多くのお守りや、「えんむすび絵馬」も提供されています。「しあわせの鈴」も、幸運を呼び寄せるアイテムとして受験生にも人気です。
出雲大社は「神在月」に特別な意味を持ち、全国から神々が集まる聖地です。合格祈願や縁結び、多様な願い事をするために、例年多くの人が訪問します。
参考:学問の秋には「学業の神様」が祀られている神社で合格祈願しよう
盛岡八幡宮(岩手県)

盛岡八幡宮は、岩手県盛岡市の歴史ある神社で、特に試験や受験の成功を願う合格祈願で知られています。
盛岡八幡宮で行われる合格祈願では、試験・受験の当日の早朝に神職がご祈願を行ってくれます。本人の参列は不要で、申し込み専用フォームに記載すれば受験生の合格をお祈りしてくれます。
盛岡八幡宮は、合格祈願の他にも家内安全、商売繁盛、交通安全などさまざまな願い事や祈願に対して広く信仰されており、地域の人々の生活に根ざした信仰や祝い事の拠りどころとして現在も多くの参拝者で賑わっています。
参考:盛岡八幡宮
太宰府天満宮(福岡県)

太宰府天満宮は、学問の神様として全国的に知られる菅原道真が祀られている神社で、「天満大自在天神」という神の位を授かっています。
また、日本三大天神の一つで、特に学問の神様としてのご利益が強いとされています。
毎年、数多くの受験生やその家族が太宰府天満宮を訪れ、合格祈願を行います。特に10月に開催される「特別受験合格祈願大祭」は、大きなご利益があるとされ、多くの人々に参加されています。この祈願大祭では、神職によるお祓いの後、受験生の代表が玉串を捧げ、合格祈願が行われます。受付をした受験生には限定のお守りが授与され、祈願が斎行されます。
太宰府天満宮の参道では、合格祈願グッズが多数販売されており、なかでも「学業御守」は、受験生にとって定番のアイテムとされています。これは、公式HPからも購入可能で、種類も豊富です。「学業錦守」や「学業和守」など、さまざまなデザインや色から選べ、男女問わず人気です。特に「学業錦守」は、オーソドックスな布製のお守りで、白・赤・紫・桃の4色から選べます。
太宰府天満宮は、学業上達や受験合格の祈願のためだけでなく、文化や歴史を感じることができる場所でもあります。年末には新年分の特別なお札とお守りも送られます。
参考:太宰府天満宮で合格祈願しよう!受験生におすすめのお守りグッズ・祈願祭の情報 |
参考:合格祈願…総合1位は「太宰府天満宮」、関東トップは「湯島天神」 | リセマム
まとめ
本記事では、合格祈願の意義やその重要性、行うべきタイミングや方法、そしておすすめの神社について詳細に解説しました。
合格祈願は、受験生やその家族が希望や安心を得られる重要な行為であり、時には学習へのモチベーション向上や心の安定にもつながります。
この記事を通じて、読者の皆さんが合格祈願の深い意味とその重要性を理解し、実施の際には最適なタイミングと方法で行えるようになることを願っています。
そして、おすすめの神社での合格祈願が、皆さんの学業成就の一助となり、心からの願いが叶うことを心より願います。
最後に、合格祈願は個人の努力や成績向上だけでなく、家族や友人との絆を深め、共に成長と成功を祝える素晴らしい機会でもあります。それが、皆さんの人生において更なる幸福と成功をもたらすことを切に願います。
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