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大学は勝手に見学してもいい?見学の際にみるべきポイント

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大学は勝手に見学してもいい?見学の際にみるべきポイント

「ネット上の情報だけだと大学のイメージがつかめず、志望校が絞れない」

「志望校のオープンキャンパスに行ったけど、普段の大学生活の雰囲気も知りたい」

受験中に志望校の普段の様子を知っておくのは、モチベーションを保つためにも大切なことですよね。

この記事では現役で都内の大学に通っている筆者が、大学見学についてそのポイントを紹介します。

見学のハードルがぐんと下がるような内容になっていますし、見学のポイントも把握できると思うので、これを読んで受験を乗り越えるのにうまく活用してください!

大学見学はした方がいい?

大学見学はした方がいい?

そもそも大学見学はした方がよいのでしょうか?

結論、筆者は見学に行くことをお勧めします。
特に志望校を決められていない人や、明確な理由を持って志望大学・学部を選びきれていない人は積極的に行ってみましょう

「百聞は一見にしかず」というように、実際に大学に行って体験してみることでわかることはたくさんあります。

例えば大学の設備や通学路。
キャンパスはどれくらいの広さなのか。
図書館や食堂などの設備はどれくらい充実しているのか。
建物と建物の距離はどれくらい離れているのか、など。
ホームページで見ているだけではわからない部分が、見学に行くと把握できます。

そして通学にかかる時間も見学に行くことで実感できます。
大学の最寄り駅から大学までの距離は、毎日通うことを考えると意外と大事なポイントになってきます。
筆者は駅からの徒歩の時間の長さを理由に一つ志望校を削りました。

また日程は絞られますが、実際に大学の授業を体験できるという模擬講義というプログラムを開催している大学もあります。
受講することで志望する学校学部で学べる分野が本当に自分の学びたいものなのか、事前にチェックすることができます。

志望する大学選び自体ももちろん大事ですが、入学から卒業まで専門的に学習していく学部選びも重要です。
慎重に選んでいきましょう。

このように見学に行ってみることで、志望校のみならず大学生というもの自体のイメージがより具体的に見えてくると思います。
志望校の雰囲気を肌で感じて、在校生が生き生きと充実して活動している姿を目にすると、「自分も近い将来そのようになれる!」という期待につながります。
自分もそのような大学生になりたい、そのような生活を送りたいと思ったら、それまで以上に受験に対するモチベーションも上がるでしょう

スポーツの分野などで「ビジュアライゼーション」というテクニックが使われることがあります。
平たく言うと、「理想の未来をイメージすることで、その未来の達成可能性があがる」ということを利用した手法で、脳科学などの研究でも一定の効果が認められています。

「ビジュアライゼーション」の詳しい説明はここでは割愛させていただきますが、大学に見学に行き、自分の理想のキャンパスライフをイメージできるようにすることは、合格確率を高めるかもしれないのです。

大学見学をうまく活用し、自分のキャリアの方針を組み立てながら、合格に近づいていきましょう

大学は勝手に見学してもいい?

大学は勝手に見学してもいい?

大学に見学に行くことを決めたら、次の疑問は
「大学って勝手に見学してもいいの?」ということだと思います。

実はほとんどの大学が自由に見学することができます!

いくつか具体例を見ていきましょう。

※下記で紹介するいずれの大学も、入試期間等一部見学ができない日程があるので、事前に確認してから見学に行ってください。
教室内を勝手に見学することはどこの大学でも禁止されており、講義を受けることはできません。
注意しましょう。

早稲田大学

早稲田大学は、申し込み不要で自由に見学をすることができます。

見学できる範囲は各建物の教室内、図書館、大隈講堂以外の場所になります。
これらの施設は外観のみ見学可能です。

開門時間は平日と土曜日は8:00~22:30、日曜日と祝日は8:00~18:00です。

早稲田キャンパス1号館2階の入学センターでは、入学に関する相談も聞いてもらえます!

博物館やラウンジも自由に利用できるとホームページに記載されているので、安心して見学に行くことができますね。

参考:キャンパスツアー – 早稲田大学

慶應大学

慶應大学についても、9人以下での個人的な見学であれば、申し込みなしで見学可能です。
(ただし学校行事での見学などを目的とする場合は9人以下でも申し込みが必要です。)

見学可能時間は8:30〜17:00の間です。
それぞれのキャンパスの指定箇所で受験生向けの「ガイドブック」やマップ(MITA CUMPAS GUIDE)も配布されているようなので、こちらも要チェックです。

筆者もマップを拝見したことがありますが、構内の地図はもちろん、学内のお勧め立ち寄りスポット、大学周辺の地図、周辺地域のおすすめスポットまで掲載されており盛りだくさんの内容でした。
これを読みながら見学をすれば、より効率的に慶應大学の魅力を知ることができますし、大学周辺での活動も含めたトータルなキャンパスライフをイメージすることもできると思います

参考:キャンパス見学:[慶應義塾]

立教大学

立教大学も9人以下で見学する場合は申し込みが不要です。
学生ガイドの方の解説でキャンパスを見て回ることができるキャンパスツアー付きの見学を希望する場合は9人以下でも事前の申し込みが必要なのでご注意ください。

立教大学は基本的に各建物の外観のみ見学可能です。
しかし池袋キャンパスは第一食堂、立教学院展示館、立教学院諸聖徒礼拝堂(チャペル)、セントポールプラザ(大学売店)、旧江戸川乱歩邸(指定された曜日のみ)、新座キャンパスは1号館、4号館、St.Paul’s Cafe(学生食堂)、Forest(学生食堂)、立教学院聖パウロ礼拝堂(チャペル)が内部も見学可能となっています。

大学の開門時間は9:00〜20:00です。
他の大学と同じように入試期間中は見学自体不可になってしまいますが、事務室、食堂、売店等の休業日(日曜、祝日)も建物の外観は見学可能です。

外国の食堂のようなデザインで有名な学生食堂も自由に見学可能とのことみたいですので、一度学食を食べてみるのも良いですね!

参考:個人見学 | 立教大学

千葉大学

千葉大学は、実験室や研究室、各講義室内を除いた施設を自由に見学することが可能です

建物や事務窓口が空いていない休業日でも入構すること自体は可能になっています。
(入試期間は入構禁止です。)

西千葉キャンパスでは、キャンパス内のいくつかの建物入り口に設置されたQRコードを読み取ることで音声案内や紹介動画で学部や施設を紹介してくれるサービスがあります
自分の好きなタイミングで説明を聞きながら見学ができるのはとてもありがたいですね。

参考:キャンパス自由見学(個人単位) | 国立大学法人 千葉大学|Chiba University

東京大学

東京大学は、15名未満の見学であれば事前申し込みなしで見学をすることができます
原則建物内の見学は禁止されていますが、例外として健康と医学の博物館、広報センター、コミュニケーションセンター、東大生協中央食堂、東大生協第二購買部、東大生協銀杏・メトロ食堂、東大生協第二食堂は建物内の見学も可能です。

ホームページにキャンパスマップが用意されているので、そちらを確認しながら見学することをおすすめします。

ガイド付きキャンパスツアーは毎週土曜日、日曜日の10:00〜12:00、14:00〜16:00で開催されており、開催日の一ヶ月前より申し込みが開始され、先着順で予約を取ることができます。
学生ガイドの方とともに約2時間ほど大学施設の外観を見て回る屋外中心のツアーです。
毎週土日に開催されるということで比較的予約が取りやすいと思いますので、個人見学の前後に参加してみると良いでしょう。

参考:本郷キャンパスの見学について | 東京大学

いかがでしょうか。
このように多くの大学で勝手に見学することが公式に許可されています。
受験生向け資料を配布していたり、相談窓口が設けられていたりする大学もあるので積極的に利用していきましょう。

事前予約や入構許可が必要な大学もある

例外として、個人で見学をする場合でも事前に予約が必要な大学もありますので、見学に行きたい大学が決まったら、予約が必要なのか事前に調べましょう。

参考として、事前申し込みが必要な東京国際大学を紹介します。
こちらの大学は指定された見学可能日の前日までに申し込みをすることで見学できます。
見学したい日程が決まったら必ず予約をしていきましょう。

参考:キャンパス見学 | 入試情報 | 東京国際大学

また、女子大に関してはセキュリティの観点から勝手に見学することが認められていない場合があります
事前の予約が必要な場合や、予約不要でも入構時に入構者情報の登録を求められる場合などがあります。

参考として、事前予約不要ではあるものの、入構時に正門にて入構者情報の登録をする必要がある東京女子大学のホームページを紹介します。
原則建物の中には入ることができないそうです。

参考:受験生キャンパス見学 | 受験生の方 | 東京女子大学

そして、予約不要で自由に見学できる大学にも「本学関係者以外の無断入構を禁ずる」などの文言が書かれている看板が設置されていることがあります(例えば東京大学など)。
気になる場合は守衛の方に見学目的であることを伝えたら問題ありませんので、安心して見学に行ってみてください。

オープンキャンパスとの違い

オープンキャンパスとの違い

ここまで、「大学を自由に見学する」というお話をしてきました。

一方、多くの大学では、毎年オープンキャンパスが開催されています。

このオープンキャンパスと個人で見学に行くことの違いはなにでしょうか?

その違いを見ていきましょう。

普段の大学の様子を知ることができる

一番大きな違いは、オープンキャンパス以外の日に見学に行くと普段の大学の様子を知ることができる、という点だと思います

オープンキャンパスは受験生に向けたイベントなので、キャンパスツアーや入試説明会、受験生個別相談会など、受験生のためのプログラムが数多く設けられています。

在校生もスタッフの一員となり、講義のない夏休み期間に開催されることが多いです。

そのためオープンキャンパスでは、受験生は手厚く対応してもらえる機会があります。

その反面、「大学生の日常」というものが見えにくい側面があると思います。
オープンキャンパスとは別で見学して普段の大学生の様子をみることで、より具体的に大学生になったときの自分を想像できるようになると思います。

混雑していない

オープンキャンパスは受験生のために企画されているイベントなので、受験生やその保護者、学習塾の関係者など多くの人が訪れます。

混雑が予想され、じっくりと施設を見ることができないかもしれません。
食べようと思っていた学食が売り切れていた、ということもあると思います

受験生などで混雑していない、通常授業の日にゆっくりと見学した方がわかることも多いでしょう。

学生の生の声を聞けるのはオープンキャンパス

オープンキャンパスにも、もちろん良いところはあります。

そのうちの1つに「学生の生の声を聞くことができる」という点があるでしょう。

オープンキャンパスには大学生に相談するコーナーが設けられている場合がほとんどです。
そこでは資料には載っていない、実際に通っている学生の視点での学科の特徴や、実際にその大学生が大学に合格するためにした勉強の方法など、ありとあらゆることを直接学生に聞くことができます。

筆者も実際に学生相談コーナーで受験生の方から相談を受けた経験があります。
和気藹々とした雰囲気の中で一人一人にしっかりと相談できる時間が設けられていて、私も受験生の時に相談に来てもよかったなと思ったりしました。

見学の目的に合わせて、オープンキャンパスに参加することも検討してみてください。

見学時のポイント

見学時のポイント

それでは、個人で自由に見学に行く際のポイントを紹介していきます。

服装や持っていくものなど、具体的にポイントを抑えていきましょう!

服装は指定なし

はじめに服装について。
大学に見学に行く際に、大学から服装を指定されることは滅多にありません。
基本的には自分が好きな服装でいけばよいと思いますが、高校生の場合は制服で行くことを検討する方もいるでしょう。

私服と制服、どちらもメリットがあります。
制服は正装なので、仮に見学時に教授などの目上の方と接する機会があったとしても失礼がありません。
私服選びに迷うなら制服で、という考えで制服を選ぶのもよいでしょう。

反対に私服で見学に行くと、大学生も私服で通学しているので溶け込みやすいというメリットがあります。
学生食堂など、大学生が集まっている場所に行く際は私服の方が目立ちづらく緊張しにくいかもしれません。

結論、制服でも私服でも問題ないです。
上記の内容を考慮して、検討してみてください

私服で行く際は、慣れない場所だということもあるので、動きやすい服装にすることをおすすめします。

大学のMAPをもらおう

ほとんどの大学は、一般的な高校よりもはるかに広大な敷地を持っています。
想像以上に道に迷ったりすると思います。
(かくいう筆者もいまだに自分の通っている大学の地図を把握しきれていません。。)

時間を有効的に使うためにも構内のMAPはあらかじめ調べて行った方がよいでしょう。
大学の資料とともにマップを配布してくれる大学もあるので、その場合はそちらを利用しましょう

食堂で学食を食べてみよう

見学に行ったら、食堂に行って学食を食べに行くことをお勧めします

学食は大学生活の中で頻繁にお世話になるもので、どのようなメニューがあり、どのような雰囲気なのか、事前に知っておくことができます。

そして食堂は大学生の集まる場所でもあるので、実際に大学生がどのようにして大学生活を送っているのかを間近で見ることができます
大学生活を体験してみるという意味でも、一度訪れてみてください。

食堂の営業時間は各大学によりますが、大学生の様子を観察できるという意味でもお昼時に行くことをお勧めします。
ただ、授業のない昼休みの時間に行くとかなり混雑することが予想されるので、時間に余裕を持っていくか、昼休み直前に行って席と食べ物を確保しておくのがよいかもしれません。

キャンパスツアーや授業公開をしている大学もある

キャンパスツアーや授業公開をしている大学もある

個人で自由に大学を見学することで、漠然とでも大学生活をイメージすることができるということは紹介した通りです。

しかし、大学の施設をより詳しく紹介してもらったり、大学生の受けている授業を体験することができたりしたら、より有意義な時間になると思いませんか?

ここでは、キャンパスツアーや授業公開をしている大学を何校か紹介していきます。

簡単に「キャンパスツアー」、「授業公開」について説明します。

キャンパスツアーとは、学生スタッフや大学スタッフによるガイド付きでキャンパスの見学ができる企画のことです。
大学によって開催される頻度や受け入れ人数は異なりますが、個人で見学に行く場合でも参加可能な大学がほとんどです。
実際に大学に通っている人に直接質問ができる機会でもあります

授業公開とは、大学の講義を体験的に受講できる企画のことです。
模擬講義といわれることもあり、大学の教授が実際に大学生に対して行っているような講義を受けることができます。
オンラインで行われるケースと対面で行われるケースがありますが、対面で行われる大学であれば実際に教室に入って講義を体験できる貴重な機会になります。
オープンキャンパス中に開催される大学、別日程で開催される大学があります

それでは何校か見ていきましょう。

立教大学

立教大学では、学生ボランティアによるキャンパスツアーを開催しています。
事前の申し込みが必要ですが、一人での参加ができるようになっていますので、気軽に参加してみてください。
学生がツアーガイドを行っているので、学生生活についても質問ができそうですね
(ツアーガイドの学生が手配できなかった場合は中止になります。

模擬講義については、オープンキャンパス中の開催になっているようです。

参考:個人見学 | 立教大学

青山学院大学

青山学院大学もキャンパスツアーを実施しています。
こちらも学生ボランティアガイドの方がついてくださるそうです。

開催日程は土曜日のみとなっています。
不定期の開催ではありますが、例年月に1、2回は実施されているケースが多いので参加できる日程も見つけやすいと思います

こちらは実施日の2日前までの申し込みが必要です。

参考:キャンパス見学 | 青山学院大学

横浜国立大学

横浜国立大学教育学部では、例年模擬講義に参加できるプログラムを開催しています。
7月頃から入試期間を空けて3月末まで、不定期で開催されています。
開催場所は大学の教室です。
公式サイトから各講義の開催日時、講義名、教授名、開催教室など概要が確認できるので、確認して興味のある講義を受けてみましょう。

実際の大学の教室で実際の講義を受けることのできる貴重なチャンスになりますので、積極的に参加することをお勧めします!

申し込み期限は講義によって異なりますが、1ヶ月以上前に申し込み期限が設定されている講義もありますので、興味のある方は期限に注意して申し込んでみてください。

参考:大学見学、高校での説明会・模擬講義について- 入試・入学 – 横浜国立大学

また、オンラインの模擬講義であればいつでもみることができます
こちらは教育学部以外の学部でも実施されています。
各学部によって講義動画の長さなど形式が異なるので、各学部の模擬講義のサイトを確認してみてください。

こちらでは参考として、各学部共通で30分のミニ講義を公開しているページを添付します。

参考:横浜国立大学教員によるミニ講義

東京大学

東京大学では、実際に東京大学で開講されている正規講義のうち、1400以上のものがオンラインで誰でも視聴できるようになっています
東京大学を志望校にしている方はもちろん、大学の講義がどんなものか体験してみたいという方にもお勧めです。

というのも、大学の講義は高校の授業より専門的な内容です。
講義の長さも90〜100分のものが多く、高校とは異なります。
大学生になる前に一度それを経験しておくと、大学生活がよりイメージしやすくなると思います。

筆者も何個か視聴してみましたが、サイトに入るとすぐに視聴できるようになっていてとても簡単に講義を受けることができました。
講義で使用する資料も共有されており、まるで東大生になったような気分を感じられるかもしれません。

参考:UTokyo OCW

まとめ

今回は大学を個人で勝手に見学する際のポイントについて紹介しました。

結論、大学を勝手に見学することはできます。
むしろオープンキャンパスではなく通常授業の日に見学に行くことで、大学生の日常を垣間見ることができて、自分が大学に通う姿を具体的にイメージすることができるようになるでしょう

またオープンキャンパスに比べて通常授業の日は混雑していないので、じっくりと施設を見学することができるというのもメリットの一つです。

大学によってはキャンパスツアーや授業公開を行っている大学もあるので、志望校がこれらのイベントを開催していないか、事前にチェックしましょう。

理想とする大学生活を間近で見て理想の自分をイメージすることで、受験へのモチベーションアップにつながります。
冒頭で紹介した「ビジュアライゼーション」のメカニズムで、合格確率まで上がるかもしれません。

ぜひ機会を見つけて、受験を検討している大学の見学に行ってみましょう。

この記事を読んでくださった方の大学見学がより充実し、志望校選びの参考になれば幸いです。

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