何かと忙しい高校生活。
部活や友達付き合いなど、あわただしく過ごしているうちに、気がつけば明日はテスト!
そんな経験がある人も少なくないかもしれません。
なかには、テスト前日までまったく勉強していなかった!というケースも。
そんなとき、どうしますか?
今回のテストはあきらめて、次をがんばるか。それとも、少しでもこれからできることをやってみるか。
この記事にアクセスした方は、きっと後者を選んでいるのでしょう。
年を重ねるほど、日々の生活は忙しくなります。筆者も、教育機関で学生たちの勉強を見守りつつ、TOEICなどの資格試験に向けて勉強することがあります。毎日あわただしく過ごしているうちに気づけば試験が目前、ということもあります。そのため、十分に時間が取れないときの効率の良い勉強方法をいつも模索しています。
この記事では、用語や公式の定着や問題演習などに不安のある状態、あるいはまったくの「ノー勉」の状態からでも、できるだけ不安なくテストに臨めるよう、テストの前日と当日にできることを紹介します!
テスト前日の心構え
まったく勉強をしないまま、テストの前日を迎えてしまった……
そんなとき、前日からでもある程度の挽回は可能です!
残り時間は短くても、あきらめなければテストでの得点アップが見込めます。
前日だけなら、睡眠時間を削るのもよいかもしれません。
ただし、徹夜はおすすめしません。最低限の睡眠時間は確保して、残りの時間を有効活用することが大切です。
そして、食事などにも最低限の気を配り、コンディションよく当日に臨めるようにはしましょう。
時間が限られているからといって、焦らず、今できる最善のことに取り組めるよう意識を集中させましょう。
その心構えができたら、落ち着いて、テスト前日の戦略を立てましょう。
参考:テスト前日にノー勉!どうする?勉強法&過ごし方はこれが正解!【東大生の体験談つき】
参考:テスト前日はどんな勉強するべき?テスト前日の過ごし方や勉強法を解説
テスト前日にできること
テストの前日は、限られた時間を有効に使うことが大切です。
そのためには、手当たり次第に勉強するのもよいかもしれませんが、ちょっと深呼吸して、勉強の計画を立てましょう。
心が落ち着いたら、翌日のテストの教科や出題範囲を確認します。
そして、先に書いたように、食事、睡眠の時間などを考慮して、どのくらいの時間を勉強にあてられるか計算します。
勉強に使える時間がわかったら、それぞれの教科にどれだけの時間をかけるかを決めて、スケジュールを作りましょう。気分の切り替えのために、休憩時間を確保することも忘れずに。
当然ながら、テスト前日にすべての内容を頭に叩き込むことは不可能です。
教科ごとの時間配分を決めたら、勉強する範囲を絞り込む必要があります。
基本的には、どの科目においても基礎を固めること、重要な用語や、公式を頭に入れることを優先すると、テストでの得点がしやすくなるでしょう。
出題者としても、基礎や重要な内容が理解できているかという点は、テストで必ず問いたくなるポイントに違いないです。
また、前日に、それまで習ったこともないような新しい内容に手を出すのは避けた方がよいでしょう。
以前に授業などで練習問題を解いたことのある内容、ノートをとっている箇所など、少しでも頭に入っている内容を勉強するほうが、限られた時間でテストで点数を稼ぐには効率的でしょう。
新しい内容に手を出して、結局あやふやな記憶状態でテストに臨むよりも、少しでも記憶しやすいことをしっかりと押さえてテストに臨む方が、100点は難しいかもしれませんが、勉強した内容の得点率は高まります。
そしてとても重要なのが、長期的な視点です。試験直前で勉強しても間に合わないから、勉強を放棄してしまう気持ちも分かりますが、先の受験を見据えると、目先のテストに関係なく、少しでも知識を増やすことが後々の役に必ず立ちます。
完璧にできないから諦めるというのではなく、その場でできる最大限のことをするように努めましょう。
参考:もうすぐテストなのに全然勉強してない!前日でもできる対策とは?
参考:テスト勉強してない!不安な中でも前日・当日にできることとは?
ノー勉でも大丈夫!科目別の短時間勉強法
ここでは教科ごとに、テスト前日におすすめの勉強方法を紹介します。
前の項では、以下のポイントを挙げました。
- ○勉強する範囲を絞り込む
- ○基礎的な内容、重要な内容を優先して勉強する
これは、全ての教科にあてはまります。
加えてもう1点、次のこともポイントといえます。
- ○前日は暗記を中心にする
暗記といっても、ただ単に気合いで覚えるのではなく、効率の良い覚え方をする必要があるでしょう。
勉強方法は教科の性格によって異なりますが、短い時間でも加点を目指せるポイントをまとめました。
それぞれの教科について、筆者がポイントを整理し、優先順位の例を示しています。
①~③もしくは④のどこまで手を付けるかは各教科の時間配分に合わせて決めるとよいと思います。
ぜひ参考にしてみてください。
また、効率の良い勉強法については、次の記事も参考になると思うので、ぜひご覧いただき、少ない時間で効率の良い勉強をできるよう役立ててください。
受験生必見!知らないと損をする実は効果的な「ながら勉強」の方法!
英語の勉強法
「前日は暗記を中心に」という原則は、英語の勉強にも当てはまります。
英語は文法や作文の反復練習も大切ですが、単語やイディオムを覚えることで、着実な得点アップが可能な科目でもありますね。
また、授業で強調されていた文章表現など、重要なところを覚えていきましょう。
また、時間があれば教科書の内容も復習しましょう。教科書を音読したり、日本語訳を覚えたりすると、単語やイディオムも文脈をもってインプットできるので定着しやすく、テストで加点が期待できます。
英作文は、「授業で習った文は書ける」レベルを目指して復習しておくとよいでしょう。
《テスト前日の優先順位》
- ①単語、イディオムを優先的に覚える。
- ②教科書、問題集などの英文を音読し、単語などを覚えていく。
- ③教科書、問題集などの英文の日本語訳を頭に入れる。
- ④英作文は、授業で習った文は確実に書けるようにしておく。
数学の勉強法
一方、数学は単なる暗記科目とは言い難いところがあります。
こちらは「基本を優先」の原則で対策するとよいでしょう。
前日にあわてて難しい問題に手を出すよりも、基礎的な事項を確認しましょう。
応用問題が出されることへの不安もあるかもしれませんが、基礎的な内容を押さえておけば、最低限のレベルの問題はクリアできるでしょう。そもそも、基礎的な内容が押さえられていなければ、応用問題などは解けません。時間が許す範囲で、基礎から優先的に勉強しましょう。
また、基礎がちゃんと押さえられていれば、テストが終わって受験に向けた勉強をするうえでも、巻き返すことが容易になります。基礎の知識がないまま、応用問題の解き方を漠然と覚えたからといって、後々つまずくことになると思いますので、基礎固めを優先しましょう。
基礎をある程度押さえることができ、時間に余裕があれば、応用問題の解法を丸暗記することにトライしてみてもよいでしょう。さらなる加点が期待できます。
《テスト前日の優先順位》
- ①試験範囲で習った公式を確認する。
- ②試験範囲の教科書、問題集などの基本問題を復習する。
- ③応用問題の解法を丸暗記する。
国語の勉強法
国語は評論や古文など、問題を繰り返し解くなどして読解の方法を身につけることが必要な部分と、暗記の部分の双方がある科目です。
この場合、やはり前日の対策だけで加点を目指しやすいのは暗記が可能な部分です。
試験範囲の漢字や語彙、古文単語など、基礎的なものをまず押さえておきましょう。
身に付けるのに比較的時間が掛かる古文の読解も、試験範囲の文章の現代語訳を頭に入れておくと試験で問題が解きやすくなります。
前述してきたことと同じく、現代文の漢字や語彙、古漢の古文単語や漢文単語はその後の受験で必要になってきますので、丸暗記したとてテストの点数は大きく伸びにくくとも、後々挽回するのには効果的です。
時間に余裕があれば、授業内でメモした記述答案、問題集の解答を丸暗記できると、テストでは加点が望めるでしょう。
《テスト前日の優先順位》
- ①試験範囲の漢字、語彙、古文単語、漢文単語を確認する。
- ②現代文、古典の文章を音読する。古典は現代語訳も確認する。
- ③答案を丸暗記する。
社会の勉強法
一般的に社会は「暗記を中心に」という原則にぴったりの科目でしょう。
だからこそ、前日からでも加点が目指せる教科といえますね。
教科書や資料集、問題集、授業ノートなど、試験範囲をざっと確認しておきましょう。
用語をひとつひとつ覚えていくのも重要ですが、教科書やノートなどを利用して大きな流れをつかみながら頭にいれていくと、定着しやすいです。
《テスト前日の優先順位》
- ①教科書、授業ノートの試験範囲をざっと確認する
- ②流れをふまえながら、用語を頭に入れる
- ③重要な用語を自分で解説できるように練習する
理科の勉強法
理科の勉強法は科目によって異なりますが、数学のように公式などを用いた計算が多い分野です。
物理や化学は公式や練習問題の基本を確認しておきましょう。
同じ理科でも、生物、地学などは暗記が多いため、前日に詰め込んで覚えることで加点が目指しやすい科目です。
《テスト前日の優先順位》
- ①教科書、授業ノートの試験範囲をざっと確認する
- ②全般:重要な用語を音読するなどして頭に入れる
物理・化学:公式や解法パターンなどの基本事項を押さえておく - ③重要な用語を自分で解説できるように練習する
参考:テスト前日にノー勉!どうする?勉強法&過ごし方はこれが正解!【東大生の体験談つき】
参考:定期テスト前日の勉強法!ノー勉時の対策ややってはいけないこと、睡眠時間も解説!
一夜漬けはするべき?効率を上げる一夜漬けのコツ
前日に間に合わせで試験対策の勉強をするのが「一夜漬け」です。
時間が限られているため、睡眠時間を削ったり、時には徹夜したりする人もいます。
この「一夜漬け」は、果たして有効といえるのでしょうか?
一夜漬けが有効なケース
高校生の約3割がテスト前の一夜漬けで勉強をしているという調査結果があります。
最初から「今度のテストは一夜漬けにしよう!」という人は少なく、むしろ忙しくしているうちに、一夜漬けをする羽目になってしまった……という人が多いのではないでしょうか。
全て投げ出して本当に「ノー勉」で試験に臨むよりは、「一夜漬け」のほうが加点を目指せることは確かです。
理系の応用問題や、国語・英語の読解など思考が必要な問題では、やはり睡眠をしっかり取って脳のコンディションを高めておくことが重要ですが、一方、暗記だけで済む問題は、そこまで思考を必要とせず、多少睡眠不足でも乗り切れるかと思います。
暗記が得意という人なら、一夜漬けで重要な用語や公式を頭にたたき込むことができます。
また、一夜漬けはテストまでの残り時間が少ないからこそ、危機感が出て集中力がアップするという効果も期待できます。
どの試験も万全の体調で臨むことが点数アップの基本ではありますが、学校の定期試験など、試験範囲がそれほど広くなく、また試験時間もそこまで長くない場合には、一夜漬けもそれなりに有効といえるでしょう。
参考:【調査テーマ】高校生白書Web版「高校生の日常生活・学習に関する調査」
参考:一夜漬けって効果あるの?一夜漬けの勉強に対する疑問を解消します!
一夜漬けで失敗しないために気をつけること
繰り返しになりますが、一夜漬けの場合も大切なのは勉強の範囲を絞り込むことです。
ここは絶対に正解できるようにしたい!
ここは試験に出る可能性が高い!
というところに集中して覚えていきます。
時間がないと焦るかもしれませんが、睡眠も大切。
睡眠には「レミニセンス効果」というはたらきがあり、起きている時間の記憶が眠っている間に整理整頓されて、翌朝のパフォーマンスが上がるといわれています。
本当なら、一般的に睡眠時間は最低でも6時間は確保するのが望ましいのですが、一夜漬けで勉強する場合はそうはうまくいかないこともあるでしょう。
とはいえ、無理な徹夜はやめましょう。試験時間中に眠たくなって頭がはたらかなくては逆効果です。
睡眠時間を削るのは、いつもの時間マイナス90分程度にとどめ、最低でも4〜5時間は確保しましょう。
参考:池谷裕二『最新脳研究が教える 16歳からの勉強法』(東進新書、東進ブックス、2022年)
参考:一夜漬けの暗記のコツは?東大生がテスト前の効果的な勉強法を伝授!
参考:定期テスト前日の勉強法!ノー勉時の対策ややってはいけないこと、睡眠時間も解説!
テスト当日にするべきこと
いよいよ迎えたテスト当日、できることはまだまだあります。
一番大切なのは、体調管理と平常心。いつもと違うことをするとかえって緊張してしまうかもしれません。リラックスして臨むために、いつも通りの生活を心がけましょう。
前日まで十分に勉強できなかったことが不安な人もいると思いますが、当日になったら、この際できていないことを考えるのはやめて、残りの時間でテストに向けてのコンディションを整える方向に舵を切りたいところです。
《起床》
もしも少し早く起きることができたら、朝食までの間に昨夜覚えた内容を復習しておきましょう。
とくに、前日寝る直前に覚えた内容は、起きてすぐ確認すると定着しやすいです。
満点を目指すのではなく、勉強した範囲の正答率100%を目指すようにしましょう。
《朝食》
食事はテスト開始の3時間前にはとっておくとよいとされています。
朝は食欲がない……という人もいるかもしれませんが、試験本番に臨むエネルギーのために、朝食を抜いたりせずに食べられるものを食べておきましょう。
万全の体調で臨むために、バランス良く、消化の良いものを心がけましょう。
実際に筆者の知り合いに、試験の朝に気合いを入れてカツ丼を食べたら本番で体調を崩してしまった、という人がいました。摂る食事には気を付けましょう。
ごはん、パン、麺類などの糖質は脳のエネルギー源になるため重要ですが、たくさんとると眠くなりやすいので、とりすぎには注意が必要です。
《テスト前、休み時間》
可能であれば、早めに学校へ行き、テスト前の時間を有効にテスト勉強の時間として活用するとよいでしょう。
また、テストとテストの間の休み時間も、最後の勉強時間にあてることができます。
焦ってあれこれ詰め込もうとせずに、あくまで基礎的な内容や、前日に覚えたことに絞り込んで最終確認するようにしましょう。
直前まで用語や公式などのインプットを続けることで、確実な得点アップを目指すことができます。
《テスト時間》
テストが始まったら、全体に目を通し、対策した範囲で解けそうな問題に焦点を当てましょう。
まずは、勉強した範囲での正答率100%を目指し、基本的な問題から解いていきます。時間が余ったら、応用問題にもチャレンジしてみましょう。
テストが始まってすぐ、直前に覚えた内容を、記憶が薄れる前にどこか書き込めるところにメモしておくという方法もあります。
参考:全力発揮で得点アップ!定期テスト前日・当日の過ごし方&勉強法はこれが正解!
参考:定期テスト前日の勉強法!ノー勉時の対策ややってはいけないこと、睡眠時間も解説!
まとめ
ここまで紹介してきたように、テスト前日、当日にもできることはたくさんあります。
それに、目前のテストに向けては付け焼き刃の知識になってしまっても、きちんと定着させればこの先のテストや、受験にもプラスになってくるはずです。
テスト勉強のやる気は、取りかかるまではなかなか出にくいもの。
前日から準備を始めるのでも、きちんと計画をたてて時間を有効活用すれば、決して無駄にはなりません。
明日はテストなのに全然勉強ができていない!
と焦っている方がもしいたら、この記事に書いたことを参考に、できることから取り組んでみましょう。
前日から少しでも勉強すれば、少なくとも全くの「ノー勉」よりは、ずっと良い結果が得られるはずです。
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