
「朝を制するものは1日を制す」
私がRe受験生の時に出会った言葉です。
朝の時間の重要性を強調するこの格言は、多くの成功者や専門家によって支持されており、朝の習慣が1日全体の生産性や成功に大きな影響を与えると考えられています。
この言葉の出会いをきっかけに、私は朝勉強を習慣にしました。
その結果、志望していた国立大学の合格、教員採用試験の合格、簿記やFPといった資格取得という結果を得られました。
本記事では、
「朝勉強がイイって言われるけれど本当かな?」
「朝勉強できる気がしない……。よい方法はないかな?」
「朝勉強に向いている教科は何だろう?」
と、朝勉強に疑問をもっている人に向けて書いています。
朝勉強を充実させ、勉強効率をアップさせたい人はぜひ最後まで読んでください。
朝勉強の習慣が身につくと、人生が少しずつ好転していきますよ。
また、「科学的勉強テクニック | Re受験バイブル」でも科学的に効果を認められている勉強方法をいくつか紹介しています。
ぜひ、他の記事もご覧いただき、勉強効率を向上させてください。
朝勉強のメリット

まずは、朝勉強のメリットを4点解説していきます。
なお、当記事でいう朝勉強の時間帯は、「学生であれば学校に行く前の時間帯・社会人であれば会社に出勤する前の時間帯(概ね5:00〜7:00)」とします。
集中力が高まる時間帯である
朝は脳の状態が良いです。
特に起床後の3時間は「脳のゴールデンタイム」といわれています。
睡眠を経て脳や気持ちがリフレッシュされており、新鮮な状態で活動ができます。
また、朝日を浴びれば、脳を目覚めさせるホルモンであるセロトニンが分泌され、脳が覚醒します。この覚醒状態が集中力の向上に寄与します。
起床後は大脳の扁桃体が活性化し、運動能力や記憶力が上がりやすくなるため、朝の時間帯は新しい情報を吸収しやすく、効率的に勉強を進められます。
また、朝は「集中できる環境」が整っています。
一般的に周囲が静かで、外部からの干渉が少ないため、集中力を高めやすいです。
夜間は家族の活動やスマホの通知などで気が散りやすいという人も多いと思いますが、早朝はそのような邪魔や誘惑が少なく、勉強に集中できます。
参考:朝は「脳のゴールデンタイム」! 朝に勉強をするのが効率的な理由とは
生活リズムが整い、一日の勉強を頑張れる
朝勉強をすると早寝早起きという生活習慣が身に付き、生活リズムが整いやすくなります。
生活リズムが整うと体力も回復、温存でき、その結果勉強効率もアップすることが期待できます。
また、朝勉強をすると達成感が得られ、その日1日を通して良い気分で過ごせます。
「朝勉強ができた!」という事実が自信となり、勉強のモチベーションを高めてくれます。
そして、試験などは午前中から行われることが多いです。朝のうちに脳にスイッチを入れ、すぐに勉強モード・試験モードの状態にできるようにするのも受験勉強では大切になってきます。
特に試験直前期は、朝に集中して勉強するとよいでしょう。
参考:朝に勉強をするメリットや向いている勉強法・習慣づけるコツを解説!
朝は時間の制約がある
「デッドライン(締め切り)効果」をご存じですか?
デッドライン効果とは、締め切りが近づくことで集中力や生産性が高まる現象を指します。
「朝は忙しくて勉強する時間がない!」と思っている人は多いです。
しかし、この時間制限が勉強にはプラスに働きます。
朝は登校時間や仕事の開始時間があるため、限られた時間内で勉強を進める必要があります。
デッドライン(締め切り)が近づくと、時間的プレッシャーにより脳内でアドレナリンやコルチゾールなどのストレスホルモンが分泌されます。
これらのホルモンは短期的に集中力と認知機能を高める効果があります。
朝のデッドライン効果を利用することで、より集中力が増し、効率的に学習が進みます。
参考:集中力を劇的に高める とってもシンプルで効果的な習慣とは?
勉強習慣が定着する
朝の行動の中に勉強を組み込むことで、学習習慣が身につきやすくなります。
朝は起床、朝食、身支度など、日々の行動が固定されています。
これらの行動の中に歯磨きをするのと同じように、勉強を組み入れてみましょう。
「着替えたら勉強をする」「朝食を食べたら登校時間まで勉強する」など、勉強を朝の行動とセット化していくと習慣になりやすいです。
「夜の行動に勉強を組み込むのはダメか?」と疑問をもたれる人もいるかと思いますが、夜は「疲れていて集中できない」「テレビなどの娯楽による誘惑が多い」など、勉強の習慣化を妨げるものが多いです。
また、夜は朝のようにデッドラインがある場合は少ないため、ダラダラと勉強をしてしまいがちです。
脳がフレッシュな状態、デッドライン効果が期待できる環境の朝に勉強を組み込むことで、自然に勉強習慣が定着しやすくなります。
いかがでしたか?
朝勉強のメリットはたくさんありますね。
ちなみに私は朝勉強の習慣が大人になっても定着しており、現在では仕事に行く前の朝の時間を利用して、勉強や趣味などの活動を行う「朝活動」というすばらしい習慣につながっています。
また、私はWeb記事の執筆などを仕事にしているのですが、朝5時くらいの早朝から仕事を開始しています。その結果午前中には、ほとんどの仕事を終えることができます。
たいていの仕事を午前中に終えられ、その後の時間を有意義に使うことができているのは、Re受験時代に習慣化した朝勉強の賜物です。
朝勉強は、受験や資格勉強の勉強効率を高めるだけでなく、人生の充実感をも高めていきます。
朝早く起きるための方法

「朝勉強のメリットはわかったけれど、朝早く起きられません」
「夜遅くまで勉強しているから、朝勉強は無理です」
そんな声が聞こえてきます。
ここからは、朝早く起きる方法を解説していきます。
最初から全てに取り組むのではなく、できることから始めてみましょう。
睡眠環境の改善
まずは睡眠環境を整えていきましょう。
深夜まで勉強して机に突っ伏して寝たり、テレビをつけっぱなしにし、ソファの上で崩れるような体勢で寝落ちしたりしていませんか?
まずはベッド(布団)でしっかり寝ましょう。
ベッドに関しては、できる限り、自分の体型や寝姿勢に合った硬さのマットレスを選ぶとよいでしょう。また、通気性のよいベッドにすると布団にこもる湿気を逃してくれて、快適に睡眠ができます。
そして、寝室を暗く保ちましょう。
光の加減を抑えると、睡眠や覚醒のリズムを調節する重要なホルモンであるメラトニンの分泌が促進され、質の高い睡眠が得られます。
加えて、快適な温度設定で寝ましょう。
一般的に、16度〜26度(夏場は28度前後、冬場は18度前後)が睡眠時の温度として適切といわれています。
寝室の温度を適切に保つことで、快適に眠れます。
参考:寝室の温度は快眠に欠かせない!冬・夏の季節毎の室内温度目安を解説
参考:通気性の悪い寝具が健康を害する!?マットレス、枕、寝衣を中心に
睡眠に向けた行動をとる
睡眠の質を高めてグッスリ眠ると、朝の寝起きが良くなりますが、質を高めるには睡眠時以外の行動が重要です。
ここではスムーズに入眠して、質の高い睡眠をとるための行動を紹介します。
①朝日を浴びる
起床後に日光を浴びることで、体内時計をリセットし、夜間の自然な眠りを促進します。
人間の体内時計は24時間よりも長い周期でできているため、毎日少しずつ体のリズムが後ろ倒しになってしまいます。
そこで、朝日を浴びることで脳に朝を認識させ、体内時計をリセットする必要があります。
正常な体内時計になると、入眠しやすくなり、質の高い睡眠になります。
②適度な運動
軽めの有酸素運動を日常に取り入れることで、睡眠の質が向上します。ただし、激しい運動は就寝の3時間前までに終えるようにしましょう。
それは、体温と睡眠の関係にあります。
激しい運動は心拍数が上がり、体温を高めるのですが、体温が高い状態(交感神経が活発な状態)での睡眠は、眠りが浅く、質の低い睡眠になってしまいます。
場合によっては寝付けないこともあります。
就寝前に運動するにしても、心身ともにリラックスできる運動(軽めのウォーキングなど)がよいです。
③食事のタイミング
寝る直前に食事をとると、消化活動が睡眠を妨げてしまいます。
遅い時間の夕食を避け、就寝3時間前までに食事を済ませましょう。
私がRe受験生の時、よく母親が夜食を用意してくれていました。とてもうれしい思い出ですが、翌日の朝勉強を考えると、夜食は控えた方が良さそうです。
④入浴
良い睡眠には体温の低下が必要です。就寝時に体温をしっかりと低下させるために、入浴も一工夫しましょう。
入浴すると血行が良くなり、体温が上昇します。その後、体が熱を放散させるため、体温が下がりやすくなります。
ただし、就寝直前の入浴では体温が下がらなくなるので快適な睡眠にはNGです。寝る2〜3時間前に38度のぬるめのお湯に入浴して体温を下げやすくし、心地よく入眠しましょう。
ぬるめのお湯は副交感神経を優位にし、心身ともにリラックスした状態を作ります。
一方熱いお湯に入ると、交感神経が活発になり、体も脳も覚醒状態になってしまいます。
「適度な運動」で紹介した理屈と似通っていますが、リラックスを心掛けた入浴をしましょう。
⑤就寝前のルーティン
再三述べていますが、就寝前はできる限りリラックスする時間を設けましょう。
多くの人が無意識に影響を受けているもので特に注意したいのが、スマホやパソコンのブルーライトです。
夜にブルーライトを浴びると、体内時計を乱す影響があるといわれています。
就寝前のスマホやパソコンの使用を控えることで、睡眠の質が向上します。
(もしスマホやパソコンを使用しなければいけない場合は、「夜間モード」に設定して使用するとよいでしょう。)
⑥カフェインの摂取を控える
特に午後以降はカフェインを避けることで、スムーズに眠りにつけます。
ちなみにですが私のおすすめは、寝る30分前に部屋の明かりを暖色系にして、読書をすることです。しっかり眠くなり、入眠がスムーズになりますよ。
参考:睡眠は時間だけでなく質も重要!ぐっすり眠るための7つの秘訣とは?
起床時間・就寝時間を固定する
毎日同じ時間に起きて、毎日同じ時間に寝るとよいです。
週末も含めて同じ時間に起きると、体内時計が整い、早起きが習慣化しやすくなります。
最初は起床時間・就寝時間の固定に慣れない場合が多いかもしれません。
そのような場合は、起床時間を少しずつ早めるようにしてみましょう。
例えば、5:30に起床時間を固定したい場合は、6:30の起床時間をクリアするところから始め、クリアできたら翌日は5分早く起きるようにします。
一度に大幅に起床時間を変更するのではなく、少しずつ早めていくことで体が慣れていきます。
しだいに起床時間が固定され、体内時計も整い、朝から集中して勉強できます。
早起きの目的を設定する
早起きの目的を明確に設定しましょう。
朝の時間を利用してやりたいこと(勉強、運動、読書など)を設定することで、起きる意欲が高まります。
受験生のみなさんは基本的に勉強が目的になると思いますが、勉強に限定しなくてもよいと思います。
例えば、私は朝のある番組を見たいという(不純な?)目的で起きます。「あの番組のあのコーナーを見逃したくない!」と思えば、私は自然に起きられるのです。
そして、すぐに記事執筆などの仕事や趣味といった朝活動に取り組み始めます。
朝勉強を始めるまでのルーティンを決める
近年、著名人が朝のルーティンを発信したことで「モーニングルーティン」という言葉が流行しました。
モーニングルーティンとは、よい一日を過ごすことを目的とし毎朝のルールや決め事を実践することです。
成功者の多くがモーニングルーティンを実践しており、注目されています。
起床後の行動を決め、朝勉強を始められるルーティンを作ってみましょう。
例えば、「起床→カーテンを開ける→背伸びをする→首を回す→うがいをして、水を飲む→5分スマホをチェックする→勉強を始める」というように、一連の行動を決めて朝勉強ができるようにします。
ご自身の生活や性格に合わせたモーニングルーティンを設定すると、起床後からの時間が充実します。
ぜひ、朝勉強を始めるまでのルーティンを決めてみましょう。
参考:モーニングルーティンとは?基礎知識やメリット、著名人の実例を紹介
朝に適した勉強の科目・タイプ

朝は脳のパフォーマンスが最も高い時間帯とされており、効果的な勉強が可能なことは解説してきました。
ここからは、朝に適した勉強の科目やタイプについて解説していきます。
数学、物理などの理系科目
思考力やひらめきを特に要する数学や物理は、脳が活性化している朝に取り組むのが効果的です。
簡単な計算問題から始めることで、脳のウォーミングアップにもなります。
数学の朝勉強の効果は私も実感しています。
私は高校生の時、文系向きであることに気づきました。英語や世界史への興味が高い一方で、数学は見たくないほど嫌いでした。数学の苦手さは、受験失敗の要因になりました。
そこでRe受験生の時、数学の克服を一つの目標に設定しました。まず取り組んだのが、数学を朝勉強すること。
この戦略は見事にハマりました。
朝の脳が活性化している効果に加えて、私の場合は「朝の内に苦手科目を勉強したこと」が大きかったようです。
苦手な科目の勉強が朝の内に終わっていると、達成感があります。
また、少しばかり心に余裕ができ、勉強の効率もよくなります。
「あああ、夜は苦手な数学をやらなければ・・・」という状態で勉強していては、勉強の効率が悪くなります。
朝の内に思考力やひらめきを要する勉強、苦手な科目を勉強することをおすすめします。
長文読解の学習も有効
特に国語や外国語の学習では長文を読む問題があります。
長文読解は時間を要するために、時間制限がある朝勉強には不向きという考え方もあるかもしれません。
しかし、デッドライン効果を考えると、時間的なプレッシャーを与えながら長文読解に挑むのは集中力も高まりますし、時間制限がある試験本番の対策としても有効です。
長文読解の対策をしたい人は、朝勉強の時間を活用してみてはいかがでしょうか。
新しい内容や難しい問題
朝は脳がクリアな状態であるため、新しい情報の吸収や複雑な問題の解決に適しています。
新たな学びや、難題をクリアした喜びを朝に経験できると、その後の勉強効率もよくなるかもしれません。
前日の復習をする
前日勉強した内容の復習を朝にすると、記憶がより定着しやすくなり効果的といわれています。
例えば、前日にインプットした(覚えた)内容の科目の問題を解き、内容をアウトプットして(思い出して)、記憶に定着させていきます。
就寝の直前に学習をすると暗記効率が上がるという研究結果もドイツのリューベック大学により報告されており、就寝前に覚えたいものの学習を行い、翌朝その復習をするというサイクルをつくることができれば、より効率的な勉強を実現できるかもしれません。
参考:暗記に最適な勉強のスケジュールをご提案! 科学的根拠あり「効率よく記憶できる時間帯」 – STUDY HACKER(スタディーハッカー)|社会人の勉強法&英語学習
参考:記憶定着には「すぐ睡眠」が効果的、独研究 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News
集中力を要する問題に取り組む
朝は集中力が高いため、集中力を必要とする問題に取り組むのに適しています。
例えば、先述した長文問題、数学の難しい問題などです。一文を丁寧に読んだり、問題文から解法を思いめぐらしたりする集中力が必要です。
また、苦手な科目・問題を朝一番の集中できる時間に勉強するのもよいです。
苦手科目は取り掛かりにくく、後回しにすればするほど腰が重くなります。
しかし、一日の中で最も集中できるといわれている朝に苦手科目の勉強をしておくと、比較的勉強がはかどるうえに心が少し軽くなります。そして苦手科目の勉強を済ませた朝以降の勉強にも良い影響を与えてくれます。
これらの科目やタイプの勉強を朝の時間帯に行うことで、脳の活性化を最大限に活用し、効率的な学習が可能になります。
個人の生活リズムや好みに合わせて調整していきましょう。
朝勉強のメリット
いかがでしたか?
朝勉強にはたくさんのメリットがありました。
- 朝は勉強に集中できる状態・環境
- デッドライン効果を期待できる
- 勉強を習慣化しやすい
- 朝に適した科目を選択することで、勉強効率がアップする
私は「朝を制するものは1日を制す」という言葉には続きがあると考えています。
「朝を制するものは1日を制す。1日を制するものは1週間を制す。1週間を制するものは1ヵ月を制す。1ヵ月を制するものは1年を制す。1年を制するものは人生を制す。」
朝の充実は人生の充実につながっていると私は思います。
朝勉強を始めることができたら、朝勉強を習慣化することができたら、1日1週間が充実し、少しずつ勉強の成果が出始めて、目的に近づくことができるでしょう。
ぜひ本記事を参考にし、朝勉強のメリットを最大限に生かして、受験合格を手に入れてほしいと思います。
読者の皆様の健闘をお祈りしています!
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