一般的に、大学は人生において学生でいられる最後の期間であり、卒業すると晴れて社会人として一歩を踏み出します。
社会人生活を営んでいると時間に制約があることが多く、大学を経験した社会人にとって大学生の期間は「人生の夏休み」であったと感じる人も多いでしょう。
本記事では大学生である期間が本当に「人生の夏休み」といえるのか、実際の大学生の実態を解説します。
大学生である期間をどのように過ごすべきかについても、合わせて解説しているので、大学生活が気になる受験生はぜひ最後までご覧ください。
また以下の記事では、大学と高校の違いについてもまとめているので、興味がある方はこちらもご覧ください。
大学と高校の違いとは?大学の講義や生活面での違いも徹底解説!
本記事と合わせて読むことで、大学生の生活についての解像度が上がるので、より詳しく大学生の生活を知りたい人は、チェックしてみてはいかがでしょうか。
「人生の夏休み」とは?
大学生である期間が「人生の夏休み」といわれる所以は、「学生として自由に使用できる時間が多くあること」から来ています。
大学生は4〜6年の間、自分が志望した専門分野の学問を勉強しなければなりませんが、以下のような大学特有の性質もあり、人生の夏休みだったと感じる人が多いのです。
- 夏休みや春休みの期間が今までの学生生活よりも長い
- 履修が自由に組めるので、予定が授業などで1日中は埋まっていないことが多い
- 個人の裁量でセメスター・タームまるごと授業を入れないこともできる
- 授業も出席が必須でないものもあるので、自由に使える時間が高校と比較してものすごく増える
アルバイトなどで自分が使うお金を稼ぐことが容易なことや、自分のために使える時間とやりたいことをする行動範囲が広がることも、「人生の夏休み」といわれる要因の一つだといえるでしょう。
また、コロナ禍を経て「オンライン授業」が広がったこともあり、自分が自由に使える時間がより増え有り余っていると感じる人がいるでしょう。
現代の大学生の実態
世間一般では「人生の夏休み」といわれている大学生の期間ですが、世代や社会の情勢によって実態は大きく異なります。
ここでは4つの項目に沿って、現代の大学生の実態について解説します。
大学生の実態を把握できることで、「大学生になったら~~したい!」というイメージがよりふくらみ、受験勉強のモチベーションに役立てられるかもしれません!
大学や学部による違い
大学生といっても、理系か文系かや、選択した分野、また通う大学ごとに大学生活のサイクルが大きく異なります。
たとえば理系を選択した場合は、授業やテストが実習的な内容を含んでくることが多く、学年が上がれば上がるほど内容も複雑になっていくので、大学3・4年生の方が課題やテストに追われるというケースが多いです。
一方で文系を選択した場合は、授業やテストが座学中心の内容になることが多く、学年が上がれば上がるほど、必修単位を取る割合が減っていく傾向にあるため、大学3・4年生になると大学の授業以外に使える時間が、1・2年次より多くなる傾向が強いです。
また、進級・卒業が難しい大学かそうでない大学かどうか、どのような履修を組むのかでも異なってきます。
たとえば医学部を選択した場合は、履修科目の難易度が他の学部よりも高いうえ、1年次の教養科目で一つでも単位を落としてしまうと留年になってしまうこともあるなど、進級の規程が厳しいケースも多いです。
「大学は人生の夏休みだ!」というような軽い気分で進学してしまうと、勉強量の違いにギャップを感じてしまう可能性もあるので、事前に大学や学部ごとの学生生活をリサーチしておくことが重要です。
また、大学の偏差値が高ければ高いほど、一般的に授業のレベルが上がってくるので、大学の勉強についていけず、留年してしまう確率が高くなるので注意しましょう。
留年しないためにも1年生の内からできるだけ単位を取っておくなど、余裕を持った計画立てが重要になります。
さらに、大学生は各々の裁量で授業を入れる(履修を組む)わけですが、たくさん授業を入れればその他の時間は確保しづらく、一方進級・卒業できる最低限の授業を入れるなら、比較的時間の余裕ができるなど、履修の仕方によってどれくらい自由な時間ができるのかは変わってきます。
そのため、「大学生になったら自由な時間ばかりだ!」とは、一概には言えないので、理解しておきましょう。
参考:文系大学生って理系よりも楽なの?授業の違いなどを紹介!
参考:留年率が高い大学ランキング!卒業が難しい大学・学部はどこ?
オンライン授業の普及による影響
コロナ対策をきっかけに、大学では講義室に実際に訪れなくても講義を受講できる「オンライン授業」の導入が進みました。
コロナが収束しつつあっても、多くの大学でオンライン授業は継続して採用されており、新しい学習のあり方として大学生に定着しつつあります。
オンライン授業は移動時間を省けたり、録画視聴可能であれば好きなタイミングで授業を見直せたりするなど、学生が自分の時間を確保しやすいメリットがあります。
そのため、コロナ禍以前の大学生活よりも、授業以外の活動や行動により時間を割きやすくなっていることもあります。
参考:大学のオンライン授業の実態は?実施状況・満足度・今後の対策を解説
卒業厳格化が進んでいる
そもそも日本の大学卒業率は海外の大学卒業率よりも異常に高く、従来の日本の大学事情は入学試験が厳しくとも、卒業は簡単である傾向がありました。
そんな中政府は、大学入試改革の一環として、2015年以降「卒業厳格化」の施策を進めています。
卒業する条件が過去よりも難しくなっている大学が増加しており、「大学は人生の夏休み!」とまでは言えないほど、大学の勉強などに時間や労力がかかることもあるでしょう。
参考:日本の大学卒業率は「異常」? 激化する大学間競争のなかで地方大学が果たす役割とは | AERA dot. (アエラドット)
参考:【卒業要件を厳格化】大学改革に戸惑う声「卒業だけ厳しくされても…」
就職活動の影響
大学3年生からは就職活動に時間を費やす学生も多く、就職活動の期間が長期化するかどうかで、大学3・4年生の自由に使える時間が大きく変化します。
2020年代からインターンシップやオープン・カンパニーなど、就活生が効率的に企業のことを学べるプログラムが多様化してきています。
就活の効率化が進む一方で、大学3年生から就活に関するプログラムを活用している学生が増えてきていることもあり、スタートが早く、終了が今までと変わらない、就活期間の長期化が進んでいる傾向が強いです。
そのため、大学3・4年生の自由時間は2020年代以前よりも減っている傾向があるといえるでしょう。
参考:大学3年2月時点で「内々定」が4割 それでも「長期化」する就活、その理由は?
大学生の実態を学年ごとにチェック!
大学で勉強している分野や大学の学習プログラムによって、大学生活のサイクルは大きく変わります。
そして、大学の学年によっても活動内容が異なるため、同じ分野で勉強していても、全く違う生活サイクルになっていることも珍しくありません。
ここでは、大学生の実態を学年ごとにまとめています。
大学生の期間を「人生の夏休み」と捉えられるかどうかは、学年によっても大きく影響されるので、気になる方は確認してみてください。
参考:大学生は何に忙しい?「大学生=暇」な時代はとっくに終わっている理由
大学1年生
大学1年生は大学生活が始まったばかりということもあり、とにかく何事にも慣れるのにパワーを使う時期だといえるでしょう。
大学の講義は一般教養を中心に据えられていることが多い傾向にあり、一般的に講義のスピードにも付いていきやすいですが、卒業までに必要な必修単位となる授業が大半を占めることもあるので、確実に単位を取るように心がけましょう。
また、人によっては初めてバイトを始めたり、いろいろなサークルや委員会に加入したりする時期にもなります。
新しい生活に悩みを抱えることも考えられるので、授業や生活面について相談できる友達や先輩を作っておくと安心できます。
初めての生活に慣れるのに時間がかかり、人によっては人生の夏休みといえるほど、自分の時間を満喫するのは難しいかもしれません。
一方、高校時代と比較すると自由度は格段にあがるため、そういう観点では「人生の夏休み」といえるかもしれません。
大学2年生
大学2年生は大学生活に慣れてきたこともあり、大学の友達や先輩と飲み会や旅行に行くなど、プライベートがより忙しくなる人が多くなる時期だといえるでしょう。
一般的には、授業ではだんだんと専門的な学習に入ってきている時期になりますが、大学生活に慣れてきていることもあり、1年生の時ほど負担に感じないケースも珍しくありません。
2年生になると飲酒が可能になる人が増え、飲み会にも行けるようになるなど、遊び方の幅が広がっていく時期になります。
そのため、遊びと学びのバランスをある程度意識して、後悔のないように友達や先輩・後輩と楽しいひと時を過ごすことをおすすめします。
大学の生活サイクルにも慣れ、1年生の時よりも自分の時間を作りやすくなる人も多いので、人生の夏休みといえる期間になるでしょう。
大学3年生
大学3年生は就活が始まることもあり、新たなことに挑戦する場面が多くなる時期だといえるでしょう。
授業では研究室やゼミを選択する時期に入り、専門的な内容により特化して学ぶ講義が多くなるため、1講義当たりの内容がどんどんハイレベルになっていく傾向が強いです。
選択した専攻内容によっては、課題をクリアするのに多くの時間が必要になる場合も珍しくないので、他の活動とバランスをしっかりと取ることが大切になるでしょう。
大学3年生時の就職活動は、人によって費やす時間が大きく異なりますが、インターシップやOB訪問を通じて将来の進路を明確にしておくと、以降の就職活動がスムーズにいきやすいです。
夏休みや春休みにもインターンシップに挑戦したり、ゼミや研究室の講義が始まったりするなど、2年生の時よりも自分の時間を作りにくくなるケースも多く、人生の夏休みと呼ぶのは難しいと感じる人も多いでしょう。
大学4年生
大学4年生は就活と卒論に追われることになり、プレッシャーや緊張感を感じる場面が多くなる時期だといえるでしょう。
卒論は年間を通してスケジュールを組み立てる必要があり、卒論の制作と同時にプレゼンや資料の準備にも対応しなければなりません。
卒論の提出期限が2月頃に設定されているケースが多いため、年明けからは卒論関連の作業で特に忙しくなる人が多いです。
就職活動は自分が納得のいく内定を獲得できるまで継続することに基本なるので、期間は人によって大きく異なります。
なお、大学や学部、人によっては卒論を書く必要がなく、卒業までに必要な単位をほとんど取り切っている学生は、就活が終わりしだい、時間に余裕があるケースも珍しくありません。卒論や卒業の単位に余裕がある人は、一般的には夏までに就活を終える人が多いため、夏を過ぎたあたりから大学の友達と卒業旅行の計画を始める人が多いです。
卒業までの状況や就職活動の状況によって、忙しさが大きく変わるので、人生の夏休みといえるかどうかは、卒論の有無や早期に内定をもらえるかどうかで左右されるでしょう。
「人生の夏休み」をどう過ごすべきか?
「人生の夏休み」といえる大学生の期間は自由な時間が増えるため、その人がどのように過ごすかによって有意義なものにできるかどうかが決まります。
ただ時間が有り余っているからといって、ダラダラと時間を浪費してしまうと、就活の時や社会人になった時に後悔する事態に陥ってしまうかもしれません。
ここでは「人生の夏休み」といえる大学生の期間を、有意義なものにできるおすすめの取り組みを紹介します。
さまざまなジャンルの取り組みをまとめているので、自分の好みや将来図にマッチした取り組みを実践してみてください。
参考:【必見】大学生がやるべきこと28選|自分を成長させる&就活にも役立つ!
サークル活動
サークル活動は大学生が自主的に集まり、共通の興味や目的を持って行う課外活動です。
サークルに所属すると、他の学部や学年の人はもちろん、複数の大学の学生が参加できるサークルであるインカレサークルに所属すれば他大学の学生とも知り合えるため、交友関係が大きく広がります。
大学で交友関係を広げておくと、さまざまな価値観に触れられるだけでなく、社会に出てからも続くつながりとなることも大いにありますので、サークル活動を通じて積極的に多くの人と知り合ってみることをおすすめします。
なお、大学のサークル活動をより深く知りたい人は、以下の記事でも詳しく紹介していますので、チェックしてみてください。
仕事の経験
大学生の自由な時間を活用して、アルバイトやインターンシップ、起業などして大学を卒業するまでに仕事の経験を積むことも、大学生の期間中の取り組みとしておすすめです。
こうしたことにトライすることで、お金を稼げるだけでなく、今後の人生に活きてくるさまざまなことを体験できます。
インターンシップについていうと、さまざまな企業の社風や働き方を短期間で体験できるものですが、大学生のみを対象としていることも多く、大学生の特権ともいえる仕組みです。
また学生であれば、チャレンジが何かとしやすいです。学生起業にも挑戦してみれば、普通に就職するのでは得られない経験もできます。うまくいけば、就職することなくそのまま事業を続ければよいでしょうし、うまくいかなくても、その経験値をもって就職することができるでしょう。
接客や効率の良い動き方など、実際に働くからこそ得られるスキルや能力もあり、いずれ就職活動でも役立つ場面が出てくるでしょう。
大学生のバイト事情に関しては、深く知りたい人は以下の記事でも詳しく紹介しているので、チェックしてみてください。
大学生におすすめなバイトを徹底解説!おすすめの職種と選び方のポイント
また、大学生活のインターンシップについて詳しく知りたい人は、以下の記事で紹介しているのでご覧ください。
インターンシップとは?どんな人におすすめ?メリットやデメリットも解説! | Re受験バイブル “浪人”あらため“Re受験”へ。受験の再挑戦を応援。
趣味を見つける
大学生の期間中は自分のためだけに使える時間が多くあるので、自分が楽しめる趣味を探すのもよいでしょう。
趣味を見つけておくと、社会人として働くモチベーションになったり、メンタルを切り替えられる時間を確保できるので、将来的なライフワークバランスを充実させるためにもおすすめです。
趣味を見つけるには、さまざまなジャンルの遊びや活動にチャレンジする必要があるので、大学生の間の自由な時間を思う存分活かしてみるとよいでしょう。
資格の取得
将来の進路が早くから決まっている人、もしくは何か将来に役立つものを探している人は、大学生の期間中に資格の取得にチャレンジしてみることをおすすめします。
就職活動前に役に立つ資格を取得しておくと、志望している企業からの評価アップも期待できます。
資格によっては、多くの勉強時間が必要になることも珍しくないため、時間の確保がしやすい大学生の期間中に資格の取得を目指してみるとよいでしょう。
留学
海外の生活や日本にないものを見てみたい人は、留学にチャレンジしてみるとよいでしょう。
留学を活用し海外の生活を体験することで、海外ならではの経験を積めるだけでなく、外国語の習得レベル向上や異国文化の理解、価値観を広げられたりするので、就職活動にも活かせます。
ただし、海外留学には多大な時間と費用が必要になるので、自分の履修状況と経済状況を加味してから、チャレンジするかどうかを判断するように心がけましょう。
大学生の留学事情をより深く知りたい人は、以下の記事でも詳しくまとめられているのでチェックしてみてはいかがでしょうか。
大学留学ってどんな種類・方法があるの?メリットやデメリットを解説!
自動車免許の取得
自動車免許は生活の範囲を大きく広げるきっかけになるだけでなく、就職活動の際にも企業によっては必要になることがあるので、大学生の期間中に取得することをおすすめします。
大人になってから自動車免許を取得しようとすると、仕事や時間の関係で取得するのが難しくなってしまう傾向があるため、そういった点でも大学生の内から取得しておくことをおすすめします。
自動車免許の取得には、教習所に通うと3カ月ほど、合宿免許なら2〜3週間程度が必要になるため、夏休みや春休みを活用して取得するとよいでしょう。
「人生の夏休み」状態は社会人でも実現可能!
大学生の期間は自分で自由に使える時間が多くあるため、“人生夏休み”状態を実現しやすいです。
しかし、社会人になっても、“人生夏休み”状態を、必ずしも実現できなくなってしまうわけではありません。
社会に出た後でも起業したり投資したり、働き方次第で、自由な時間を確保することができ、“人生夏休み”状態を実現できます。
また、早くからスキルを磨き、個人事業主として活動したり、フレキシブルタイム制やテレワークを積極的に採用してる企業に勤めると、自分の時間を作りやすくなります。
働き方を工夫することで、社会人でも“人生夏休み”状態を実現できるので、「大学生の期間だけが人生の夏休み」というのは思い込みです。
自分が満足する生き方ができる働き方はどのようなものがあるか、考えてみるのもよいでしょう。
まとめ
本記事では大学生の期間中が本当に「人生の夏休み」であるか、実際の大学生の実態を紹介しました。
大学生の期間中は、自分のために使える時間が多くあるため、「人生の夏休み」といえる状況が多々あります。
しかし、大学や専攻の特色、就活の状況などによって、自由に使える時間は大きく変わります。
自分のために使える時間を無駄にしないためにも、さまざまな活動に意欲的に取り組みながら、大学生活を楽しんでください。

