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進路が決まらない高校生必見!入学後に専攻を決められる大学

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「大学受験が人生において重要なのはわかっているけれど、将来自分が何をしたいのかわからない」

「どんな専攻分野が自分に合っているのだろう」

そのように悩んでいる高校生は多いでしょう。

もし曖昧な理由で受験すると、合格しても何となくで大学生活が終わってしまうかもしれません。

Re受験することになったとしても、将来像が描けてなければ「何のために頑張っているんだろう」と身に力が入らず、不本意なRe受験生活となってしまうかもしれません。

この記事では、実際に受験生を家族に持つ筆者が、進路が決まらない高校生・受験生におすすめする入学後に専攻を決めることができる大学について紹介します。

ぜひ大学を決める手助けになればと思います。

無理に進路を決める必要はない

高校生にとって大学受験は、将来の方向性に影響する一大イベントです。

しかし、

「自分が何をしたいのかわからない」

「漠然とやりたいことはいろいろあるけど、どうしたらいいかわからない」

そんな人はたくさんいるのではないでしょうか。

2015年のマイナビ進学による進路への調査によると、高校1年生から3年生への調査で実際に進路が決まっている人は36.7%といわれており、多くの人が進路が決まっていないことがわかるでしょう。

そんなやりたいことが決まっていない場合、大学に行ってからやりたいことを決めてみてはいかがでしょうか。

まだいろいろな経験ができておらず、視野も広がっていない中で進路を決めろというのも酷な話です。

「やりたいことを後で決められる大学なんてあるの?」と疑問に思う人も多いかもしれませんが、入学後に進路や学科を決めることができる大学があります。

そんな大学について、今回深堀りしていきたいと思います。

進路を決めるには、こちら「Re受験生の志望校の決め方 | Re受験バイブル “浪人”あらため“Re受験”へ。受験の再挑戦を応援。」のページも参考にしてみてください。

参考:マイナビ進学「高校生のライフスタイル・興味関心調査」を発表 | 株式会社マイナビのプレスリリース (prtimes.jp)

入学後に専攻を決める大学がある

大学のなかには、入学後に専攻を決める大学(Late Specialization)があります。

Late Specialization(レイト・スペシャリゼーション)とは「遅い専門化」という意味で、「大学入学後、1~2年生の間は教養科目を幅広く勉強し、2年~3年生に進級する際、自分の興味のある専門分野を選択できるシステム」です。

受験時には、学部学科を指定せずに学校全体、あるいは学部単位で人員が募集されます。

「Late Specialization」は大きく2つのタイプに分けることができます。

①各学部は決まっていて、後から自分の専攻する学科や系列を決められる

②垣根なく、後から自分の専門とする学部学科や系列を決められる

①の場合は学部内で後から専攻を決めるものであるため、大まかに学びたい方面が決まっている人にとっておすすめです。例えば、「文学部系には行きたいが、歴史を学びたいのか、日本の文学を学びたいのか、宗教について学びたいのか、まだ決めきれない」」というような人にとって都合のよい制度でしょう。

②は、「自分はこの大学の校風が好き」という人や、「異なる分野で興味のあるものがいくつもある」という人におすすめです。「経済の勉強にも工学の勉強にも、他にも医学の勉強にも興味がある」というような人に都合のよい制度です。

入学後に専攻を決めるメリット

入学後に進路を決定することによって得られるメリットを3つ、ご紹介します。

各専門分野の詳細を知れるため、やりたいことを見つけやすい

大学の専門的な勉強について、高校生のうちにはまだイメージすることができない人も多いでしょう。

そんな状態で専攻を決めてしまうと、いざ大学に入ってから、「何か自分が学びたかったことと違う」という事態も起こってしまうでしょう。

そんな「学びたかったことと違う」を防ぐのに、入学後に進路を決定することはとても有益です。

幅広い分野に薄くても触れて視野を広げたり、専攻を学んでいる先輩からの生の声を聞いたりしてから専攻を決めることができるため、専攻を選択するときに失敗を防ぎやすくなります。

異なる分野との間に関係性を見出すことができる

Late Specialization を導入している大学では、入学後ある程度の期間は、限定のされない多岐にわたる分野に触れることができます。

そういった、広い分野での学習を行うことによって、いざ専攻を選んで学習を進めていく中で、他の分野との関連付けができ、より学びを深化できたり、新しい着想を得られたりすることがあります。

また、関連する分野を学んでいる同級生とも顔見知りになるため、例えば専攻で行き詰ったときに、アイデアを求めたり別の観点からのアドバイスを求めたりするようなこともできるでしょう。

同じ悩み・考えを持った仲間ができる

専攻を後から決める大学に行けば、「どんな専攻が自分に合っているのかわからない」という思いを共感できる人を周りに見つけやすいでしょう。

その周りの仲間と一緒に学び進め、進路を考えていくなかで、より納得感のある自身の進路選択ができるかもしれません。

また、最終的に違う専攻を選ぶ仲間とも知り合うことができれば、今後専攻が進み違う学習を行うようになった際、違った視点や角度からのアドバイスや知見がもらえたり、他の専攻との交流を深めることができる可能性もあります。

入学後に専攻を決めるデメリット

入学後に進路を決定することによるデメリットを3つ、ご紹介します。

必ず希望の専攻に進めるとは限らない

広く学修を行った後、専攻について進路選択を行う際、コースや学部毎に定員があるため、必ずしも自分の希望する進路に進めるとは限りません。希望していない専攻に振り分けられてしまう可能性もあります。

専攻は成績が加味されることがほとんどです。

最初から専攻が決まっている大学と異なり、入学したからといって希望の専攻ができるとは限らないため、入学後も勉強の気を緩めることができません。

入学後に専攻を選べるからといって、無制限に希望通りできるわけでないことを理解しておきましょう。

入学当初からは専攻したい分野を深められないことがある

 

進路選択後に専門的な内容を学べるため、履修選択の内容や、学校のカリキュラムによっては入学当初は思うように深く学べないケースもあります。

最初から専攻を選ぶ大学と異なり専攻の学習期間が短くなってしまうため、時間が足りない、物足りないと感じてしまう人もいるかもしれません。

また、専攻に進んだ後、学びを深めるために授業速度が早まってしまい、ついていくことが難しいと感じてしまう人も出てくるかもしれません。

専攻選択前は、興味・関心の薄い科目も勉強する必要があるかもしれない

専攻を決める前は、広い範囲を学習するため、興味が湧くものもあれば、関心が薄い科目も出てくるでしょう。

「大学に来てまでなぜ、自分の関心が薄いものを学習しているんだろう。。」とわずらわしさを感じるかもしれません。

また、専攻希望以外の分野に興味を持てず、成績が振るわないと、専攻選択の際に希望が通らない可能性もあります。

転部・転科との違い

Late Specialization と「転部・転科」が似たようなものに聞こえる人もいるかもしれませんが、全くの別物になります。

Late Specializationは、入学時から広い分野の学びを行い、その後専攻を決めるものですが、転部・転科は、一度専攻する分野を決めたものの、他の専攻に変更することです。

その場合、希望を出したらすぐ転部・転科できるものではなく、各大学の要綱に沿って書類を用意し、試験や面接を行い大学側に認められた場合のみ転部・転科が可能となります。

大学や、どの学部からどの学部へ移るのかなどにもよりますが、Late Specializationよりも転部・転科の方が自由度が低く、ハードルも高いと一般的にいえます。

転部・転科について他のページに詳しく記載していますので、興味があればそちらも一緒にご覧ください。

入学後に専攻を決められる大学例

では、実際に入学後に専攻を決められる大学について3つ、ご紹介します。

北海道大学 前期総合入試(文系、理系)

入学後は総合教育部という学部ごとではない文系・理系の大きな括りで入学します。

1年次に所属する総合教育部では、全学教育科目(教養科目と基礎科目)を文系・理系それぞれのカリキュラムのもとに学びます。その後、本人の志望と成績に基づいて学部、学科に移行することができます。高校で履修していない科目があっても、この期間にしっかりと学ぶことで、学部・学科移行後に学部専門科目を自信をもって学修することができます。

Late Specializationの制度を導入する前は、受験科目や難易度を優先して受験する学部・学科を選択した結果、入学後に入った学部での学修と自分の希望との違いに悩んだり、後悔したりする学生が少なくなかったそうです。

そのような選択のミスマッチを解消し、入学後に納得して自分の専門や所属する学部・学科を決めてほしいという思いがありこの制度が導入されました。

総合入試の魅力としては、上述した学部・学科選択におけるミスマッチの解消の他にも、学問分野の細分化・融合化への対応、学部の垣根を超えてお互いに交流する機会の充実が挙げられています。

参考:総合入試について | 入学案内 – 北海道大学 (hokudai.ac.jp)

 

ICU国際基督教大学

教養学部という大きな学部に入学し、2年の終了時まで基礎分野を学びます。

その後、31の学問分野から自分が好きなものを選ぶことができます。

ICU国際基督教大学では、リベラルアーツ教育を推進しています。

リベラルアーツ教育とは、「実用的な目的から離れた純粋な教養」や「一般教養」のようなもので専門教育だけを受けるのではなく、幅広い「教養」を持つことができる教育のことをいいます。

学生は1年に1回、アカデミックプランニング・エッセイというものを書き、自らの方向性を確認します。

さらに専任教員とのアドヴァイジングという面談を通じて、学生ひとりひとりの学修計画の立案をサポートし、学生自身が進路について判断しやすい環境を整えています。

参考:入学から卒業までの流れ|国際基督教大学(ICU)

東京大学

1~2年時は全員教養学部に所属し、3年時から各々の学部学科に所属します。

「進学選択」(または「進学振り分け」「進振り」)といわれる制度です。

3年からの学部学科は入学時の文科一類~三類、理科一類〜三類と大まかには対応する(例えば法学部は文科一類からの受け入れ枠を多く持つ)ものの、対応していない学部学科に進むことも可能です。文転・理転もできます。

東京大学では、受験時点での限られた視野・知見に基づいて専門分野を決定するわけではありません。

まずは前期課程のリベラルアーツ教育を十分に受けたうえで、進学先の後期課程を主体的に選ぶことを尊重しています。

また、前期課程教育の活性化に継続的に取り組んでおり、世界から優秀な人材の集うグローバル・キャンパスを形成し、学生の視野を広く世界に拡大することを目的とした英語学習プログラムがスタートしています。

英語教育の充実のために、学術的な文章作成能力が身につく少人数授業として理科系1年生向けのALESS(Active Learning English for Sciense Student)・文科系1年生向けのALESA(Active Learning English for Students of the Arts)が開講されています。世界基準の形式に則って英語で論文を執筆し、発表する英語ライティングの必修科目です。

参考:「進学選択」って何?(1)―進学選択制度の仕組みを知ろう | キミの東大 高校生・受験生が東京大学をもっと知るためのサイト (u-tokyo.ac.jp)

参考:ALESS/ALESA | キミの東大 高校生・受験生が東京大学をもっと知るためのサイト (u-tokyo.ac.jp)

まとめ

いかがでしたでしょうか。

高校生のうちに将来学びたいことを明確にしていくのが難しい人には、大学進学後に専攻を決めることができる大学があります。

幅広い分野を学んでから専攻を決めることで、より自分にあった学びを深めることができるのです。

今回紹介した大学以外にも、大学入学後に専攻を決めることができる大学が2020年3月時点では56校あるといわれています。

繰り返しとなりますが、高校生の段階で将来を見据えて進路を決めていくことは容易ではありません。入学後に専攻を決められるというのは、皆さんの可能性を広げたままにしてくれるという意味で大変素晴らしいことだと思います。

入学後に専攻を決められるのかどうかも、志望校選びの際に検討するポイントとしてあげておいてよいでしょう。

あとは、「選んだ道を正解にする」という考え方で、突き進んでいってください。

参考:リベラルアーツを取り入れている大学一覧

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