
「飛び級って聞いたことあるけれど、どんな制度?」
「どこの大学や大学院に飛び級制度があるんだろう。」
そんな疑問に答えます!
さらに、
「どんな条件をクリアしたら飛び級できるの?」
「飛び級制度のメリット・デメリットも知りたい!」
こんな質問にもお答えしますね。
この記事を書いている筆者は、塾講師として、実際に飛び級を検討する学生や保護者の相談に乗った経験があります。
また、学校や教育委員会の勤務経験もあるので、そうした実経験も踏まえた具体的なお話をお伝えします。
この記事を読むとこんなことが分かります!
- 飛び級制度は具体的にどんな制度か
- 飛び級制度を使うために必要な条件
- 飛び級制度のメリット・デメリット
- 飛び級制度を実施している大学や大学院
- 飛び級制度でどんな進路が待っているか
この記事を最後まで読めば、いまいち分からなかった飛び級のことがバッチリ理解できます。
そして、自分に飛び級制度が合っているか、考える参考にもなるでしょう。
日本の飛び級制度:「飛び入学」

まずは日本の飛び級制度とはどんなものか、サクッと確認していきましょう。
「飛び級って、1つの学年を飛ばすこと?」
そう思う方も多いかもしれません。
たしかに、海外ではそのような飛び級もあります。
ところが日本の場合は、
「高校1年生から高校3年生になる」
「大学2年生から大学4年生になる」
このような、同じ学校種の中での飛び級は認められていません。
一方、日本で認められている飛び級のような制度があるので、それについて紹介します。
①大学への「飛び入学」
1つ目は、こんなケース。
高校2年生のあと大学1年生になる
この場合、高校3年生を飛ばすことになります。
高校から大学へ進学する際に1学年分飛ばすんですね。
日本では、上の学校種へ進学する際に1学年分飛ばせる制度があるのです。
②大学院修士課程への「飛び入学」
2つ目は、こんなケースです。
大学3年生のあと大学院修士1年になる
この場合、大学4年生を飛ばすことになります。
大学から大学院修士課程へ進学する際に1学年分飛ばすんですね。
③大学院博士課程への「飛び入学」
大学院修士1年のあと大学院博士1年になる
この場合、大学院修士2年を飛ばすことになります。
大学院修士課程から博士課程へ進学する際に1学年分飛ばすということです。
以上のケースが、日本の学校で認められている飛び級です。
図で確認すると次の通り。

どれも、1年早く上の段階の学校に入学するパターンですね。
そのため、「飛び入学」と呼ばれます。
※現在、日本で認められている飛び級は「飛び入学」なので、本記事ではここから「飛び入学」と統一して表記します。
なお、「飛び入学」については、文部科学省の以下のページにまとめられています。
飛び入学と似た制度①1年早く卒業できる「早期卒業」「早期修了」
飛び入学と似たものに「早期卒業」「早期修了」制度があります。
日本では大学や大学院で認められている制度で、通常4年間で卒業する大学を3年間(大学院の修士課程なら1年間)で卒業・修了することができます。
学校に通う期間が短くて済むという点では、飛び入学と同じです。
なお、早期卒業(修了)の条件は大学により異なりますが、
・3年間(1年間)で卒業(修了)単位数を取りきる
・成績で学年上位5%から10%に入る
このような条件が一般的です。
「大学4年生がないということは、修士課程への飛び入学とまったく同じ制度に見えるけど?」
と思われる読者もいると思います。
そこで、大学院修士課程への飛び入学と大学の早期卒業を比較してみましょう。

必要な修得単位数、大学の卒業に関する扱いや進路に違いがあるんですね。
特に「大学院には進学しないけれど、1年早く社会に出たい」というような人は、この早期卒業制度を活用できる大学・学部を検討しましょう。
飛び入学と似た制度②社会人でもチャンスがある「大学編入」
働いている社会人のなかには、「大学で勉強したいけど、4年間も勉強する余裕はないな」と思っている人もいるのではないでしょうか。
実は、社会人もトライできる「飛び入学」に近い制度があります。
「大学編入」の試験がある大学なら、大学1年生や2年生をスキップして編入学(=途中から入学すること)が可能です。

大学編入には「一般編入」と「学士編入」の2種類があります。
短大や大学に通った経験があり取得単位数が条件を満たす人は「一般編入」、特に4年生大学を卒業している場合は「学士編入」と呼ばれる試験にもチャレンジできます。
なお、必要単位数(一般編入で重要になる)や受験教科は、学校・学科によって違いがあります。
興味のある人は、一度、気になる大学・学部で試験を実施しているかも含めて調べてみましょう。
以下に、参考になるページのリンクを掲載しておきますね。
大学への飛び入学の条件

では、飛び入学にはどのような条件があるのでしょうか。
以下に見ていきましょう。
ちなみにですが、大学院への飛び入学の条件は、学校により違いがありますが、「大学院が指定した単位で優秀な成績をおさめていること」という応募条件が一般的です。
大学1〜3年生までの間に、指定科目で優秀な成績をとることで、大学院の研究分野についての専門性を示すということですね。
一方、大学への飛び入学の条件は文部科学省が一律に定めています。
これは3点ありますので、以下に解説します。
大学への飛び入学の条件①大学・学部の専門分野について特に優れた資質をもつこと
これはたとえば、音楽学部であれば、音楽の素養が豊かであることです。
また、理工学部数学科であれば、数学の素養が豊かであることです。
文部科学省は「特に優れた資質」について、「特定の分野で他に抜きん出て優れた才能」と解説しています。
またその才能の判定方法について、通常の学力テストだけで測らないよう大学に求めています。
そのため、現在、飛び入学制度を行っている大学は、次のような方法で合格判定をしています。

のちに、文科省がまとめている飛び入学を実施している10の大学・学部はすべて紹介します。
(参考:飛び入学実施大学一覧【文部科学省】)
興味のある学校の試験方法を確認してみてくださいね。
大学への飛び入学の条件②高校に2年間以上在学すること
これはつまり、高校3年生の1年間だけ飛ばせるということです。
たとえば高校1年生のあと、大学1年生に飛ぶことはできないのですね。
日本の「飛び入学」では、飛ばせるのは1年間のみです。
大学への飛び入学の条件③高校の学校長やその他の指導者の推薦があること
飛び入学は、自己申告だけではチャレンジできないんです。
それだけ能力があるということを推薦してもらう必要があります。
「その他の指導者」というのは、たとえばスポーツや音楽の才能が豊かな学生が、教わっている指導者の推薦をもらうことなどが想定されています。
※推薦者について特別な資格などの条件はありませんが、文科省は考えられる外部指導者の例として「長期間に渡って生徒の意欲・能力を把握している大学教員」や「学校外で長期間にわたって日常的に指導を行っている指導者」などを示しています。
(スポーツや音楽に才能豊かな学生の場合、高校時代から大学教員やプロの指導者のもとで訓練を積んでいることも多いのですね。)
飛び入学や早期卒業のメリット

飛び入学や早期卒業のメリットは何でしょうか。
以下、実例も交えながら紹介します。
メリット①1年早く進学したり、社会に出たりできる
まず、1年早く大学や大学院に進学したり、社会に出たりできるのはメリットです。
特に「自分が学びたいこと」や「自分が成し遂げたい夢」が既に固まっている人にとって、大学や大学院に早く進めることは、自分のゴールにいち早く近づけるためプラスになるでしょう。
実際に飛び入学や早期卒業をした先輩たちのインタビュー記事を読むと、
という目的をもった学生が多いことがわかります。
自分のやりたいことが明確で、とにかく早く自分のゴールに突き進んで行きたいという人にとっては、飛び入学はよい選択肢でしょう。
参考:先輩からのメッセージ 2021年度 | 飛び入学 | 国立大学法人 千葉大学
参考:学生広報部レポート/ついに早期卒業!3年間で卒業した先とは?|嘉悦大学
メリット②学費や生活費を抑えることができる
在学期間が短くなるということは、その分、学費や生活費も抑えられます。
時間だけでなく、お金も節約できるということですね。
アメリカの学費は抜きん出て高いですが、それでも世界的に見ると日本の大学は学費が高い方といわれており、私立大学なら1年間で100万円以上かかることも多いです。
そのお金を、貯蓄や将来の夢を実現するための自己投資に使うことができますね。
参考:大学授業料の国際比較をさぐる(2021年時点最新版):Yahoo!ニュース
参考:私立大学等の令和3年度入学者に係る学生納付金等調査結果について:文部科学省
メリット③飛び入学者向けの少人数教育を受けられる(飛び入学の場合)
特に飛び入学の場合、どの大学でも飛び入学者向けの少人数教育を受けられるのも魅力です。
たとえば千葉大学では、1年生の時からマンツーマンに近い環境で教授の指導を受けられます。
また、東京藝術大学では、個人レッスン時間が一般学生の2倍確保され、海外一流演奏家による特別レッスンも受けることができます。
大学というと大講堂で講義を受けるイメージがあるように、学生数も多く、高校に比べてきめ細やかな指導を受けづらい傾向にあります。
その点、飛び入学者は手厚く密度の濃いサポートを受けられ、大いに恵まれた環境で学べるといえるでしょう。
飛び入学や早期卒業のデメリット

では、逆に気をつけておいた方がよいポイントはないのでしょうか。
以下、飛び入学や早期卒業を考えた場合に、よく考えるべき点を挙げます。
デメリット①学業がとにかく忙しい
飛び入学でも早期卒業でも、本来よりも短い期間で学んでいくので、それだけ忙しくなります。
飛び入学の場合、通常の学部の授業に加えて、飛び入学者向けの少人数プログラムが受けられることは先にも述べました。
これは言い換えれば、授業数が増えるということでもあります。
また、早期卒業を目指す人も、大学3年間で4年分の単位を取得しなければいけません。
一般的な大学生のイメージ、たとえばバイトもしてサークルもして、という生活はもしかしたら難しいかもしれません。
(もちろん、やりようによってはできるかもしれませんが。)
学業第一で日々を過ごす強い意志は必要ですね。
デメリット②高校3年生や大学4年生の行事などに参加できない
たとえば、大学へ飛び入学する場合、高校3年生の修学旅行や体育祭、卒業式には参加できません。
大学院へ飛び入学する場合であっても学園祭や卒業式に参加できないかもしれません。
そのため、多くの友人と一時的に違う進路になったり、思い出を共有できなかったりすることも。
それでも、「この学問を早く学びたい!」「自分の決めた夢を掴みたい!」と思うなら…。
あなたにとって、飛び入学はひとつの選択肢になるかもしれません。
あとでふれますが、飛び入学自体はとても狭き門です。
そのため安易におすすめはできませんが、それでも一度、検討する価値はあるでしょう。
デメリット③高卒資格や大卒資格を得られない(飛び入学の場合)
飛び入学の場合、卒業年度も飛び越えてしまうので、通常は高卒資格や大卒資格が得られません。
そのため以前は、
「飛び入学者が大学を中退すると、最終学歴が中卒になる」
ということもありました。
しかし、令和4年度から文部科学省が「高等学校卒業程度認定審査」を始めました。
これは、大学で所定の単位を取得する等の条件を満たして審査に合格すれば、高校卒業資格を取得できるという制度です。
申請に必要な単位数は、高校2年間の50単位、大学での16単位以上。
大学で半年学べば申請資格が得られる計算になります。
そのため、従来の「高卒資格を取れない」というデメリットは緩和されています。
※「大学院への飛び入学者が中退した場合、最終学歴が高卒になる」という問題はまだ残っています。
「高等学校卒業程度認定審査」のような制度が、まだ大卒資格については整備されていないのです。
飛び入学ができる大学

では実際に、飛び入学を実施している大学・大学院を見ていきましょう。
結論、いま飛び入学を実施している大学は日本に10校しかありません。
そこで、この記事で10校すべてを紹介します。
京都大学(国立)
医学部の特色入試の一つとして実施。
平成28年度から実施されていて、これまでに1名の入学者がいます。
学部生の教育を受けながら、基礎医学研究者としてのトレーニングも受けられる「MD研究者育成プログラム」を受けられるのが特徴です。
日本の医学部で飛び入学できるのは、京都大学のみ。
狭き門ではありますが、意欲のある人はまず調べてみましょう。
※飛び入学した学生も参加している学生座談会の記事
千葉大学(国立)
文学部、理学部、工学部、園芸学部、情報・データサイエンス学部で実施。
千葉大学の飛び入学制度は、「先端科学プログラム」と名づけられています。
千葉大学は日本で初めて飛び入学制度を導入した大学。
導入された平成10年度から現在までで、合計104人の飛び入学者が誕生しました。
日本の大学の飛び入学者全体の実に7割近くが、千葉大学に入学しています。
さらに、大学や大学院の早期卒業制度も充実しています。
飛び級を考える人はまず検討してみたい大学です。
参考:先進科学プログラム | 飛び入学 | 国立大学法人 千葉大学 先進科学センター
会津大学(公立)
コンピュータ理工学部で実施。
会津大学は「日本初のコンピュータ専門大学」という特徴のある公立大学です。
飛び入学は、平成18年度から実施されています。
これまでに合計9名の入学者がいて、千葉大学・名城大学に続く実績です。
学生数の約2.5倍(約3000台)のコンピュータ、教員の4割が外国人教員、と恵まれた設備や環境の中に1年早く飛びこめるのは大きなメリット。
コンピュータやAI技術に興味のある人は、ぜひ調べてみてください。
参考:コンピュータ理工学とは|会津大学 – University of Aizu
名城大学(私立)
理工学部数学科で実施。
数学分野で初の飛び入学制度として、平成13年度から実施されています。
これまでに合計27名の入学者がいて、これは千葉大学に次ぐ多さです。
飛び入学生向けの「総合数理プログラム」があり、学生それぞれの得意を伸ばし、苦手を補う教育システムが整備されています。
また、実験設備やコンピューターを備えた「総合数理プログラム支援室」でさまざまな世代の学生と共に学べることも特徴です。
音楽学部や体育学部で飛び入学できる大学
音楽学部や体育学部に飛び入学できる大学は、いくつかあります。
どの大学も、飛び入学による入学者は制度が始まってから累計で1,2名程度の狭き門です。
(一番多いのはエリザベト音楽大学の3人)
どの大学も大きな国内・国外の大会やコンクールでの入賞歴などを条件にしていて、音楽やスポーツの分野で、いち早く世界で活躍する人材が求められていることがわかります。
実際に、スキージャンプの高梨沙羅選手(日本体育大学)やプロヴァイオリニストの河井勇人さん(東京藝術大学)は、飛び入学の経歴をもっています。
以下に、音楽学部や体育学部に飛び入学できる大学を一挙紹介します。
東京藝術大学(国立)
音楽学部で「Special Soloist Program(SSP)入学試験」を実施。
参考:2024年度 東京藝術大学音楽学部SSP(Special Soloist Program) 学生募集要項
エリザベト音楽大学(私立)
音楽学部で「アーティスト21特別入学試験」を実施。
桐朋学園大学(私立)
音楽学部で「総合型選抜(飛び入学)試験」を実施。
参考:飛び入学|桐朋学園大学
東京音楽大学(私立)
音楽学部で「飛び入学試験」を実施。
名古屋音楽大学(私立)
音楽学部で「飛び入学制度」を実施。
参考:2023年度より「飛び入学制度」を導入| 名古屋音楽大学
日本体育大学(私立)
体育学部で「飛び入学選抜」を実施。
飛び入学できる大学院
実は、飛び入学制度をもつ大学院は数多くあります。
文部科学省の調査によれば、299校の大学院(大学院全体の46.9%)が飛び入学制度を導入しているのです。
(令和2年度実績)
参考:大学教育改革について(p.50「大学への飛び入学について」)
飛び入学を実施している大学(10校、大学全体の1.26%)と比べると、かなり多いと感じますよね。
ただ、ここで注意したいのは、実際に制度が活用されているかという点です。
というのも、実際に飛び入学者を受け入れた大学院は43校(大学院全体の6.7%)に留まっています。
また、大学院へ飛び入学を果たした学生は276人(大学院入学者全体の0.4%)に過ぎません。
その大学院では実際に毎年、飛び入学者がどれくらいいるかも調べてみましょう。
そうすることで、例年、飛び入学者が何人かいる大学院であれば、受け入れ体制も整っているのではと考えられるからです。
そして、興味のある大学院の飛び入学について調べる際には、問い合わせが最も確実です。
大学院ホームページに「お問い合わせフォーム」が設置されている場合が多いので、そこから聞くとよいでしょう。
受験生の問い合わせを担当する部署は、大学院によって呼称に違いがありますが、入試課や学務課、広報課であることが多いです。
さて、飛び入学制度のある大学院は多いわりに、積極的に情報発信している大学院はほとんどありません。
以下に挙げる3つの大学院は、その中では珍しく、飛び入学者の体験談まで掲載しています。
実際に読んでみると、受験対策や学生生活の様子が分かります。
興味のある人はぜひ、読んでみてくださいね。
明治学院大学大学院 経済学研究科・法と経営学研究科
参考:Academic Acceleration 飛び入学制度利用者のコメント
立命館大学大学院 経済学研究科
参考:飛び級制度を利用し、一年短縮して大学院へ進学 | 立命館大学 経済学研究科
和歌山大学大学院 システム工学研究科
早期卒業ができる大学

つづいて、早期卒業ができる大学を紹介します。
令和2年度の調査では、「早期卒業」制度のある大学は164校(大学全体の21.8%)でした。
5校中1校で実施していることになります。
一方で、同年度に「実際に早期卒業者がいた大学」は71校(大学全体の9.5%)でした。
さらに、同年度に「早期卒業した学生数」は全国で515人(大学卒業者全体の0.1%)だけでした。
大学院への飛び入学の状況とかなり似ていますね。
制度があっても、まだ多くの学生には活用されていないようです。
参考:大学における教育内容等の改革状況について(令和2年度)【文部科学省】
早期卒業の制度自体は文系や理系を問わず、さまざまな学部で導入されています。
なかでも、「法曹コース」が設けられている法学部が目立ちます。
※法曹コースとは、法曹(=弁護士や裁判官の仕事)を目指す学生が、法学部を3年間で早期卒業し、法科大学院に行くことを支援するプログラムです。
令和2年度から全国の指定法学部・法科大学院でスタートしました。
さて今回、早期卒業制度を実施している大学をいくつか調べ、リストを作ってみました。
あなたの興味のある大学や学部がないか、探してみてください。
北海道大学(医学部、歯学部、薬学部及び獣医学部以外)
参考:法曹養成プログラム・大学院進学プログラム | 北大法学研究科・法学部
北海学園大学(法学部)
参考:早期卒業制度 | 学部の取り組み | 北海学園大学法学部
東北大学(法学部、経済学部、工学部)
東北学院大学(経済学部、経営学部、法学部、工学部)
茨城大学(農学部など)
千葉大学(法経済学部など)
東京大学(法学部など)
参考:卒業関係|東京大学法学部
東京工業大学(全学部)
参考:東京工業大学 学部学修案内
※「7.早期卒業について」参照
桜美林大学(全学部)
学習院大学(経済学部、法学部)
参考:学習院大学 経済学部案内
嘉悦大学(経営経済学部)
参考:早期卒業制度|嘉悦大学
慶應義塾大学(総合政策学部、環境情報学部)
参考:3.5年早期卒業制度:慶應義塾大学塾生サイト(総合政策学部・環境情報学部)
駒澤大学(経済学部、法学部、グローバル・メディア・スタディーズ学部)
参考:早期卒業 | 駒澤大学
昭和女子大学(全学部)
成蹊大学(経済学部など)
創価大学(経済学部、経営学部、法学部)
中央大学(法学部など)
法政大学(グローバル教養学部など)
参考:Fast Track to Graduation / 早期卒業制度 :: 法政大グローバル教養学部など
武蔵野大学(薬学科、看護学科、数理工学科、建築デザイン学科以外)
明治大学(法学部、商学部、経営学部、国際日本学部など)
参考:4学部13人が早期卒業 | 明治大学広報2023年4月1日発行
立教大学(法学部)
参考:法曹コース・早期卒業制度(法学科) | 立教大学 法学部
早稲田大学(法学部)
金沢大学(法学類など)
中京大学(スポーツ科学部など)
南山大学(総合政策学部、法学部)
参考:早期卒業とは|南山大学
名古屋大学(法学部)
大阪大学(法学部)
大阪公立大学(法学部)
参考:法学部での学び|大阪公立大学
※ページ下部「法曹養成プログラム」参照
関西大学(法学部、商学部など)
関西学院大学(社会学部ほか7学部で実施)
京都産業大学(情報理工学部)
広島大学(法学部)
広島経済大学(全学部)
福山大学(人間文化学部心理学科)
参考:福山大学 | 心理学科のポリシー
※ページ下部「早期卒業制度」参照
香川大学(法学部、経済学部、工学部)
参考:香川大学法学部|令和5年4月から「法曹プログラム」が始まります
九州大学(法学部)
参考:九州大学 法学部 2024(学部案内デジタルパンフレット)
※21ページ「法科大学院連携プログラム(法曹コース)の紹介」参照
西南学院大学(法学部)
参考:法務コース(法曹コース) – 法学部で学ぶ – 西南学院大学 法学部
福岡大学(法学部)
参考:カリキュラム | 福岡大学法学部
※ページ下部「在学3年目終了時での学部卒業を認める早期卒業制度について」参照
海外大学へ飛び入学する方法もある

ここまで日本における飛び入学や早期卒業制度について見てきました。
ご存知の方も多いかと思いますが、海外の方が飛び級制度は進んでいます。
「飛び級で海外の大学に行く方法はないの?」
という疑問を持つ人もいるでしょう。
特に、将来、世界で活躍したいと考えている人も、こうした疑問をもっているかもしれません。
毎年ニュースになる「世界大学ランキング」でも、上位に海外の大学が並んでいますよね。

参考:World University Rankings 2024【Times Higher Education (THE)】
たとえば、オックスフォード大学やスタンフォード大学、マサチューセッツ工科大学のような世界のトップ大学に飛び入学する方法は無いのでしょうか。
実は一つ、いち早く海外大学に入学する方法があります。
それは、「高等学校卒業程度認定試験(高認試験)」に合格して高卒資格を取り、海外大学に進学するという方法です。
高認試験は文部科学省が実施する国家試験です。
かつては、「大学入学資格検定(大検)」と呼ばれていました。
以下に試験の概要(令和6年度以降)をまとめます。
- 高卒と同等の能力を問う学力試験
- 必修科目は6科目(国語・英語・数学・歴史・地理・公共)
- 選択科目は5科目(科学と人間生活・物理基礎・化学基礎・生物基礎・地学基礎)
- 選択科目は5科目のうち2科目~3科目を受験する
※選択科目の科目数は、「科学と人間生活」を選ぶかどうかで違ってくる。
「科学と人間生活」を選ぶ場合、あと1科目受験すればよい。
「科学と人間生活」を選ばない場合、ほかの選択科目から3科目受験する。 - 合格基準:受験科目全科目で合格点を超えること
- 年に2回実施される(毎年8月、11月)
- 受験する年度内に満16歳以上になる人が受験可能
※合格点に届かなかった教科のみ、次回以降の試験で受け直すこともできる
※こんな人も受験できる→中卒の人、高校を中退した人
参考:高等学校卒業程度認定試験(旧大学入学資格検定):文部科学省
この試験に合格すると、「高卒認定」が得られます。
そして海外大学の場合、「高卒認定」を提出すれば一般的な高1や高2の年齢でも受験できるのです。
合格すれば、飛び入学のように早く大学生になることができます。
飛び入学のあとの進路はどうなる?

「飛び入学っていろいろあるな。
興味がわいてきた!」
「でも飛び入学した後、どんな進路があるんだろう?」
たしかに、本記事で特集してきた飛び入学や早期卒業は、皆さんが夢を叶えるうえでの通過点に過ぎません。
実際に飛び入学を果たした先輩たちは、その後、どんな道を進んでいるのでしょう。
ここでは、千葉大学のデータを参考に、飛び入学のあとの進路を探ってみましょう。
参考:卒業生の進路 | 飛び入学 | 国立大学法人 千葉大学 先進科学センター
飛び入学した学生の8割は大学院に進学
まず目立つのは、大学院進学者の多さです。
千葉大学の調査では卒業生82人中68人が大学院に進学しています。
これは、全国の大学生や、千葉大学の学生全体と比較しても一際高い割合です。


参考:卒業生の進路 | 飛び入学 【千葉大学 先進科学センター】
そもそも飛び入学をする人は、やりたいことや研究したいことが明確であることが多いです。
この記事で紹介したような、飛び入学生が受けられる手厚いサポートもあいまって、大学院でもさらに追究したいという思いが強くなるのかもしれません。
大学院を修了したあとの進路は民間企業・研究者・大学教員など
大学院(修士課程・博士課程)を修了したあとの進路はさまざまなようです。
大手の民間企業の研究職、公的機関などの研究員、大学教員といった進路が目立ちます。
大学や大学院を通して研究したことを、社会に出ても生かしている様子がうかがえますね。
大学院生としては一般的な進路にも見えますが、このような専門性を生かした仕事に、いち早く取り組むことができます。
自分の興味や強みを生かして早く学びたい、働きたいという人にとって、飛び入学は可能性を与えてくれます。
なぜ飛び入学する人が少ないのか

飛び入学の制度があるのに、実際に利用する人が少ないのはなぜでしょう。
ここでは特に、大学への飛び入学が広まらない理由を考察します。
主に、次のような要因が考えられます。

飛び入学の試験は、大学にもよりますが、試験内容の独特さや厳しい受験資格から、多くの学生にとって十分な準備期間が必要になります。
しかし、制度自体の知名度が高くなく、身の回りに実際に飛び入学した先輩もいなければ、情報は不足します。
ですから、飛び入学に挑む素養や意欲のある学生が、気づかないうちに試験時期を逃していることもあり得るでしょう。
また、最後の点(表の⑤)について、渡辺誠氏(千葉大学理事)は新聞社のインタビューで、こんなお話をされています。
飛び入学・先進科学の希望者が増えない。高校が反対するからだ。飛び入学を希望するのは優秀な生徒だ。高校からしたら「東大進学者○人」といった実績に貢献してほしいから、「千葉大の飛び入学に行かないでくれ」と引き止めているようだ。
引用元:「飛び入学」は飛べたのか 千葉大学・渡辺誠理事、高橋徹教授
偏差値重視の社会の雰囲気が、飛び入学が広まらない一因になっていそうです。
ただ、このような社会の空気自体に違和感をもっている方もいるのではないでしょうか。
「偏差値で進路を決めずに、早く自分が学びたいことを学べる場所へ行きたい。」
こんなふうに思っている学生のために「飛び入学」制度があります。
ここまで読んで、「やっぱり飛び入学してみたい!」と思う読者がいたら、ぜひ検討してみてほしいと思います。
まとめ
この記事のまとめです!
- 日本の飛び級制度は「飛び入学」である
- 飛び入学は高校3年生や大学4年生、大学院修士1年をスキップできる
- 飛び入学に似た制度として早期卒業(修了)や大学編入がある
- メリットは早く研究したり社会に出たりできること&時間とお金の節約
- デメリットは忙しさや卒業資格をもらえない可能性があること
- 高認を取れば、18歳を待たずに海外大学に進学できる可能性がある
以上です!
日本ではまだ飛び入学や早期卒業制度は一般的ではありませんが、目的意識の強い方には良い選択肢の1つであると分かっていただけたと思います。
本記事が、皆さんが将来の夢をつかむ一助になれば嬉しいです。
皆さんの夢の実現を応援しています!
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