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勉強に使える心理学!実践的なテクニックから注意点まで徹底解説

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心理学を勉強に活用すれば、学習効率は大きく変わります。なぜなら心理学は、人間の記憶や集中力、やる気のメカニズムなどを科学的に解明してきた学問だからです。

「今日は3時間も勉強したのに、全然頭に入らなかった…」

「参考書を買い込んだのに、やる気が続かない…」

こうした悩みの解決には、心理学の理論が役立つことがあります。実は、人間の脳にとっての最適な学習パターンがあることが分かってきており、それを理解して実践すれば、より効率的な勉強が可能になるかもしれないのです。

心理学では、モチベーションが上がる仕組み、記憶が定着するタイミング、集中力が持続する条件など、私たちの学習に直結するさまざまな発見があります。これらの知見は、すぐに実践できる具体的な方法として活用できます。

この記事では、勉強に役立つ心理学の理論と、その実践方法を紹介します。モチベーション管理から記憶術まで、心理学に基づいた効果的な勉強法が詰まっていますので、ぜひ最後までご覧ください。

心理学とは

「心理学」という言葉を聞いて、例えば「心理カウンセラー」や「犯罪心理」などを思い浮かべる人もいるかもしれません。

しかし、心理学とは人の心の仕組みを科学的な方法で理解し、その知識を活用して人々の生活をより良くすることを目的とした幅広い学問です。

現代の心理学は、1879年にドイツのライプツィヒ大学で始まり、実験や観察による科学的なアプローチで人の心を理解しようとしています。特に皆さんの勉強・学習に関係する主な分野は以下のとおりです。

心理学の分野 研究内容 学習への応用例
認知心理学 記憶・思考・注意の仕組み 効果的な記憶術、集中力の維持
学習心理学 学習の仕組みと条件づけ 復習のタイミング、習慣形成
発達心理学 心と能力の発達過程 年齢に応じた学習法の選択
臨床心理学 メンタルヘルスと心理療法 学習不安の軽減、ストレス管理

このように心理学は、単なる心の解明にとどまらず、より効率的で持続可能な学習を実現するための実践的な知識を提供してくれる学問です。

参考:心理学とは | 立正大学 心理学部

勉強効率に効果がある心理学

受験勉強で「どうすれば効率よく学習できるのか」「やる気を維持するにはどうすればいいのか」というような悩みを抱える人は多いのではないでしょうか。

実は、これらの課題に対して心理学は科学的な解決策を提供してくれます。

心理学者たちの研究により、人がどのようにモチベーションを保ち、効率的に学習し、記憶を定着させるのかが明らかになってきました。今回は、受験勉強に役立つ3つの心理学理論を紹介します。

マズローの欲求5段階説でモチベーションを向上させる

勉強のモチベーションが上がらないとき「やる気の問題」と片付けていませんか?

実は、心理学者のアブラハム・マズローが提唱した「欲求5段階説」を理解すると、やる気が出ないことにはより根底で別の問題があるかもしれないと分かります。

マズローによると、人間の欲求には以下のような階層があります。

欲求の名称 概要 勉強に置き換えた際の具体例
①生理的欲求 生存のために必要な基本的欲求 空腹を満たし、十分な睡眠を取ることで勉強に集中できるようにする
②安全欲求 身の安全や健康、安定した生活環境を求める欲求 安心して勉強できる静かな環境を整える
③社会的欲求 他者とのつながりや所属感、愛情を求める欲求 友達と一緒に勉強し、つながりや支えを感じる
④承認欲求 他者から認められたり、尊重されたいという欲求 テストで良い点を取り、先生や親から褒められることで自己評価を高める
⑤自己実現欲求 自分の能力を発揮し、理想や目標を達成する欲求 自分の満足いく結果を出しながら、志望校合格など将来の夢を実現するための努力を続ける

重要なのは、これらの欲求には順序がある点を理解しなければなりません。

例えば、十分な睡眠が取れていない状態では、いくら「勉強しなければ」と思っても集中力は上がりません。

また、安全な環境が確保されていなければ、落ち着いて勉強に取り組むことはできませんし、人との良好な関係がないと、勉強に本腰を入れることができないこともあるでしょう。

効果的な学習のためには、まず低次の欲求から順番に満たしていく必要があります。

そのうえで、勉強に対する最も強い動機となるのが「承認欲求」です。

この承認欲求は2つのタイプに分かれます。


  • 低位の承認欲求|先生や親からの褒め言葉が欲しい
  • 高位の承認欲求|自分で設定した目標を達成したい

受験勉強を継続的に実施するためには、この両方をうまく活用できるとよいでしょう。

例えば、日々の小テストでは周りからの承認を励みにしながら、最終的な目標は「自分の行きたい大学に合格する」と高位の承認欲求に設定できると、低位の承認欲求と高位の承認欲求をともに活用することができ、勉強の効率が上がるかもしれません。

先述した通り、より低次の欲求が満たされている必要があるとマズローの説は主張しています。これは日々の学習や、ひいては人生全般にいえることですが、より根本に問題はないだろうかと探れるようになると、課題解決に近づけるでしょう。

参考:クロービス経営大学院|マズローの欲求5段階説

参考:【勉強へのやる気×超有名心理学】マズローの欲求5段階説

エビングハウスの忘却曲線を使って記憶を定着させる

「一夜漬けで必死に覚えたのに、試験では全然思い出せなかった…」などの経験はありませんか?

あるいは、

「この前の試験ではちゃんと覚えたのに、2,3か月経つと全く覚えてなくて、またやり直しか…」

と落ち込んだことがある人もいるでしょう。

実は、これには科学的な根拠があります。

ドイツの心理学者エビングハウスは、人間の記憶がどのように失われていくかを研究し「忘却曲線」を発見しました。

この研究では、意味のないアルファベットの組み合わせを使って記憶の減衰を調べました。その結果、人間の記憶は学習直後から急速に失われていくことが明らかになっています。

一方で、適切なタイミングで復習を実施すれば、記憶を効率的に定着させられることも確認されています。

この研究で明らかになった人間の記憶特性は、以下のとおりです。

記憶の減衰スピード
  • 20分後|約40%を忘れる
  • 1時間後|約50%を忘れる
  • 1日後|約70%が失われる
復習による記憶の定着
  • 24時間以内に復習|10分で100%回復
  • 復習を繰り返すごとに必要時間が短縮
  • 定期的な復習で長期記憶への定着が可能

特筆すべきは「記憶の節約効果」です。例えば、初めて学習する際に10分かかった内容でも、1時間後に復習すると5〜6分で済むようになります。

これは私たちの脳が、一度学んだ内容を完全には忘れていないことを示しています。

つまり、計画的な復習は、単に記憶を維持するだけではなく、学習時間の短縮にもつながることが理解できます。

さらに、カナダのウォータールー大学の研究(2013年)によると、復習をしない場合、1ヶ月後にはほとんどの記憶が失われてしまうそうです。一方で、24時間以内に復習すれば、わずか10分の学習で記憶を完全に回復できることが分かっています。

この発見を受験勉強に活かすためのポイントをまとめると、以下のとおりです。

効果的な復習スケジュール
  1. 学習直後(その日のうち)に1回目の復習
  2. 学習直後(その日のうち)に1回目の復習
  3. 1週間以内に3回目の復習
  4. 1ヶ月以内に4回目の復習

このように計画的な復習を行うことで、勉強の絶対量を減らし、はるかに効率的な学習が可能になります。毎日の学習計画に復習の時間を組み込むことから始めてみましょう。

参考:習った事は即日復習!!エビングハウスの忘却曲線 育宝進学塾 入間教室 – 小学生・中学生の学習塾は【育宝進学塾】

参考:ヘルマン・エビングハウス著, 宇津木保訳, 望月衛閲, 「記憶について : 実験心理学への貢献」, 誠信書房 (1978)

参考:ツギノジダイ|エビングハウスの忘却曲線とは 最適な復習タイミングと注意点を解説

ピグマリオン効果で自己効力感を高める

何かテストで良い点を取ったとき、先生や親から「やればできるじゃないか!次も期待してるよ」と言われた経験がある人もいるかもしれません。

その言葉をきっかけに、勉強の成績が上がりだしたというような経験がある人もいるのではないでしょうか。

実は、この「期待される」経験が、私たちの能力を大きく引き出すことが科学的に証明されています。これが「ピグマリオン効果」と呼ばれる現象です。

1964年、教育心理学者のローゼンタールは興味深い実験を行いました。ある小学校で「このテストで高得点を取った生徒は、将来必ず成績が伸びる」と教師に伝えました。実際には普通の知能テストだったにもかかわらず、教師が期待を寄せた生徒たちの成績は、確かに向上したと記録されています。

他者からの期待や励ましは、私たちの可能性を広げる力を持っています。特に重要なのは、そこから生まれる「自己効力感」です。これは「自分はできる」と確信を持てることであり、実際の学習成果に影響を与えます。

例えば「数学は苦手だから」と思い込んでいると、問題を見ただけで諦めてしまいがちです。しかし、「少しずつでも必ず理解できている」と信じることで、粘り強く取り組めるようになるでしょうし、結果として、普段諦めていたような問題が少しずつできるようになっていきます。

最初からあまりにも高い理想像を設定すると、非現実的なために結局諦めてしまう可能性などもありますので、最初は「今の自分より少し上」を目指し、少しずつレベルアップしていくのがコツです。

ピグマリオン効果を活かし、自己効力感を高めるためには、まず周囲のサポートの活用が効果的です。親や先生の期待を前向きに受け止め、応援してくれる人の言葉を励みにすれば、学習意欲を高められるでしょう。学習相談などを通して、信頼できる関係をいろいろな人と築いていくことも大切です。

そして、「自分にはできる」というようなことを自分で自分に言い聞かせるのも効果がありますので、実践していきましょう。

また、小さな目標から始めて成功体験を積み重ねることで、「自分はできる」という自信の後ろ盾となる事実も起こしていくことが大切です。

できたことを日記やノートに記録し、進歩を見える化すれば、成長を実感でき、さらに前向きに取り組むことができるでしょう。

苦手なことでも「できるようになる」と信じ、粘り強く取り組むことで、自己効力感はさらに高まり、学力も上がりやすくなります。

参考:日本教育心理学会第 59 回総会発表論文集|ピグマリオン効果は本当なのか?

参考:ピグマリオン効果とは?他の効果との違いや活用法、注意点を解説

心理学を活用した実践的な勉強法

前章で紹介した理論はやや抽象的でしたが、ここからは、より具体的で今すぐ活用できる心理学的テクニックを紹介します。

これらを日常学習に取り入れることで、自然と学習効率が高まり、取り組み方にも変化が生まれるでしょう。

集中力を持続させるポモドーロ・テクニック

「集中力が続かない」と悩む人も多いかもしれませんが、実はこれは脳の自然な反応です。

心理学的な研究によると、人間の脳は約25分を超えると集中力が急激に低下し始めるそうです。これは脳が疲労から自身を守るための防衛反応といえます。

ポモドーロ・テクニックは、この人間の脳の特性を活かした科学的な学習方法です。25分の集中と5分の休憩を組み合わせることで、以下のような心理学的効果が得られます。

集中力の最適化
  • 脳の自然なリズムに合わせた時間設定
  • 25分という到達可能な目標設定による心理的負担の軽減
  • 短時間集中による達成感の積み重ね
モチベーションの維持
  • 小さな目標達成による報酬系の活性化
  • 規則的な休憩による精神的疲労の予防
  • 学習量(時間)が明確に分かり自己効力感が向上することも

具体的な実践方法は、以下のとおりです。

①準備段階(2分)
  • 学習する内容を明確に決める
  • 周囲の気が散る要素を排除する
  • タイマーを25分にセット
②集中タイム(25分)
  • 決めた課題だけに取り組む
  • 他の誘惑を完全にシャットアウト
  • 「これだけ」という気持ちで集中
③休憩時間(5分)
  • 完全に勉強から離れる
  • 軽い運動や深呼吸でリフレッシュ
  • SNSチェックなども可(ただし5分厳守)
④4セット終了後長めの休憩(15-30分)
  • より長めの休憩で脳を完全リセット
  • 達成感を味わい、次の学習の動機づけに

このテクニックが効果的な理由は、人間の注意力の特性に基づいています。心理学では、一般的に人は約25分で集中力が低下し始め、その後強制的に続けると学習効率が著しく下がることが明らかになっています。

そのため、集中力が低下する前に意図的に休憩を取れば、高いパフォーマンスを維持できるでしょう。

また「25分なら頑張れる」という心理的なハードルの低さも、このテクニックのポイントです。長時間の集中は私たちに大きなストレスを与えますが、25分の時間であれば、「できそう」と感じられる人も多いでしょう。

明確な終わりが見えていることで、心理的な負担も少なく、継続的な学習が可能になります。

参考:代々木ゼミナール|勉強を効率化する時間を無駄にしないための5つのテクニック

パブロフの犬を活用したモチベーションの高め方

私たちは誰もが、やる気が出ない時や集中できない時を経験します。そんなとき、心理学の古典的な実験として知られる「パブロフの犬」の原理を応用すれば、モチベーションを高めるのに役立つかもしれません。

「パブロフの犬」とは、ロシアの生理学者パブロフが行った実験で、犬に餌を与える直前にベルを鳴らすことを繰り返すと、やがてベルの音だけで唾液を分泌するようになったという実験です。この現象は「条件付け」と呼ばれ、特定の刺激と反応を結びつけることで、望ましい反応を引き出せることを示しています。

この原理を応用した「アンカリング」という技法を使うことで、私たちは意図的に自分のモチベーションを高めることができます。例えば、特定のポーズをとることで、やる気満々だった時の感情や状態を呼び起こすことができるのです。

実践の手順や活用シーンには、以下のようなものが挙げられます。

実践の手順
  1. やる気を感じた過去の経験を選ぶ
  2. その時の状態を五感で思い出す
  3. 感覚が強まった時に特定のポーズをとる
  4. 一度気分転換する
  5. 同じポーズで効果を確認する
  6. 必要に応じて3-5を繰り返す
活用シーン
  • 勉強や仕事の開始前
  • プレゼンの直前
  • 重要な意思決定時
  • 気分転換が必要な時

このテクニックを日常的に実践すれば、必要な時に必要な心理状態を呼び起こせるようになり、より効果的に目標に向かって進むことができるでしょう。

参考:「パブロフの犬」の脳内の仕組み解明 | Science Portal – 科学技術の最新情報サイト「サイエンスポータル」

暗記憶力を高めるアクティブリコール

多くの人は、勉強といえば教科書を読んだり講義を聴いたりする「インプット」が重要だと考えがちです。しかし、心理学では、記憶の定着には「テスト効果」と呼ばれる現象を活かした「アウトプット」が重要だと考えられています。

テスト効果とは、学んだ内容を「思い出す」行為そのものが、記憶を強化する効果のことです。このテスト効果を応用すれば、より効果的な学習が期待できるでしょう。その代表的なものが「アクティブリコール」です。

アクティブリコールとは、学んだ内容を「能動的に思い出す」ことです。単純に聞こえるかもしれませんが、この「思い出す」行為こそが、記憶を長期的に定着させる決定的な要因となることが知られています。

例えば、人よりも勉強時間を多くしているのに、なかなか覚えられないという人は、もしかするとインプットに時間をかけすぎていて、アウトプットの時間を十分にとれていない可能性が考えられるのです。

インプットした内容を何も見ない状態で思い出すアウトプットの時間を増やせると、勉強効率のアップが期待できます。

アクティブリコールの実践方法は、以下のとおりです。


  • 学習内容を自分の言葉で説明する
  • 要点を白紙に書き出してみる
  • 練習問題に取り組む
  • 学んだ内容について自分で問題を作る

「思い出す」作業は、単なる確認や学習効果の判定ではありません。それ自体が、最も効果的な学習方法です。定期的にアクティブリコールを実践することで、学習内容を長期記憶に効率的に定着させることができます。

参考:PRESIDENT Online「これが科学的根拠に基づく「最高の勉強法」である…「白紙を前にして繰り返し思い出す」が究極といえる理由」

リラックスして集中するための心理的アプローチ

集中力を最大限に引き出すためには、適度な緊張とリラックスのバランスが大切です。心理学研究では、過度のストレスや緊張は学習効率を低下させる一方、適度なリラックス状態は記憶力や創造性を高めることが明らかになっています。

特に受験勉強のような長期間にわたる学習活動においては、精神的な疲労を軽減し、集中力を維持するための具体的なアプローチが求められます。

そこで注目していただきたいのが、心理学と仏教思想を組み合わせたマインドフルネス瞑想です。この手法は、単なるリラックス法ではなく、心理学的な研究によって、その学習効率向上への効果が実証されており、近年、心理臨床の現場でも注目が高まっています。

具体的には、集中力の向上、記憶力の増進、思考の整理、ストレス軽減といった効果が期待できます。早稲田大学文学学術院越川先生の論文「日本の心理臨床におけるマインドフルネス」でも、マインドフルネスが心理臨床の現場でどのように注目され、研究が進められてきたか詳しく紹介されています。

論文内では、マインドフルネスが注意機能の向上に役立つ可能性が示唆されており、さらに、過去や未来に囚われず、現在に集中する力によって、精神的な明瞭さが得られるとされており、勉強にも活かせることが期待できるでしょう。

具体的には以下のような効果が挙げられます。

学習効率への効果
  • 集中力の向上
  • 記憶力の増進
  • 思考の整理
心理的な効果
  • 不安感の軽減
  • 感情コントロールの向上
  • ポジティブ思考の促進
  • 自己理解の深化
  • ストレス軽減

受験勉強に活かすための具体的な実践方法は、以下のとおりです。

①準備(環境設定)
  • 静かな場所を選ぶ
  • 携帯電話などの通知をオフに
  • 適度な室温と明るさを確保
②基本姿勢
  • 背筋を自然に伸ばして座る
  • 両足を床につける
  • 手は膝の上に自然に置く
③呼吸法(10分程度)
  • 鼻から自然に腹式呼吸
  • 呼吸に意識を向ける
  • 雑念が浮かんでも無理に排除しない
  • 呼吸に集中することで自然と思考が整理される

特に受験勉強では、長時間の学習による精神的な疲労が課題の一つです。この手法を1日の学習の合間に取り入れることで、以下のような効果が期待できます。

朝の学習前 頭をクリアにし、1日の学習に向けて集中力を高める
昼休みなど リフレッシュして午後の学習効率を上げる
夜の学習後 その日の学習内容の整理と定着を促進する

マインドフルネスを習慣化するコツは「完璧を求めない」ことです。たとえ雑念が浮かんでも、それは自然な反応です。むしろ、そうした思考の動きに気づけること自体が、集中力向上につながります。

参考:日本インストラクター技術協会|マインドフルネスとは?効果と実践例を徹底解説

心理学的アプローチの注意点

ここまで、勉強効率をより高められるかもしれない心理学の知見を紹介してきました。

ただし、ここで注意点があります。それは、心理学的なアプローチは、あくまで勉強を改善できるかもしれない方法の一つであり、万能ではないということです。

「これをやれば絶対に成績が上がる!」という魔法のようなものではないことをまず覚えておいてください。

第一に、人間の心や行動には、個人差が影響します。

例えば「この勉強法が効果的!」と心理学でいわれていても、それがすべての人に当てはまるわけではありません。ある人にはピッタリな方法でも、別の人には全く効果がない、あるいは逆にストレスになってしまうことさえあります。

心理学の知見は、あくまで「こういう傾向がある」という一般的な傾向を示すものであって、あなた自身に必ず当てはまるものではありません。

だからこそ、心理学的なアプローチを「参考」にしながらも、自分自身の性格や、集中しやすい時間帯、好きな勉強スタイルなど、自分自身の特性をしっかり見極め、自分に合ったやり方を試行錯誤しながら見つけていくことが大切です。「自分には合わないな」と感じたら、無理に続ける必要はありません。

第二に、心理学は常に進化している学問であり、今ある知識が「絶対に正しい!」とは言い切れません。

最新の研究によって、これまで正しいとされてきたことが覆されることもあります。心理学的な知見は、「あくまで“現時点で”正しいと言えるかもしれない」ことであり、100%正しいとは限らないことを理解しておきましょう。

ですので、心理学的なアプローチは、受験勉強の「ヒント」にはなりますが、「絶対に守らなければいけないルール」として捉えてしまうのは危険です。

心理学的に正しいといわれる勉強法を「必ずやらなければいけない」わけではありません。心理学的なアプローチは、あくまで「こうすれば、より効率よく勉強できるかもしれない」という選択肢の一つにすぎないのです。

結局、受験勉強で最も大切なことの一つは、「この勉強法で上手くいかないなら仕方がない」というような勉強法を考えたり、見つけたりして、迷いなく突き進むことです。

そのうえで、心理学はそのための「ヒント」や「選択肢」を与えてくれるかもしれないものです。心理学の観点も取り入れながら、自分にとって一番よい勉強方法を見つけ、自信を持って受験勉強に取り組んでください。

まとめ

今回は心理学を活用した効果的な勉強法について解説しました。

人間の心理を理解すれば、より効率的な学習が可能になるかもしれません。

しかし、心理学的なアプローチは万能ではありません。 個人の特性に合わせ、試行錯誤しながら、自分にとって最適な方法を見つけていく必要があります。心理学は、あくまで受験勉強をサポートするための「ヒント」であり、「絶対的なルール」ではないことを忘れないでください。

大切なのは、勉強の“内容”だけに目を向けるのではなく、脳の仕組みなどを理解しながら効果的な勉強の“仕方”を模索する俯瞰した考え方です。

また、集中力を高めるための具体的なテクニックや、学習時間を効果的に活用する方法、計画的な学習を実現する方法など、受験勉強をサポートするさまざまな科学的勉強テクニックについて知りたい方は、ぜひこちらのページも参考にしてみてください。

Re受験バイブル|科学的勉強テクニック

この記事で紹介した心理学の知識も参考にしながら、あなた自身の「最適な勉強法」を見つけ、自信を持って受験勉強に取り組んでください。

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