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先延ばし癖を直すには?受験勉強やテスト勉強を後回しにしないための原因と対策

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勉強しなきゃいけないのに、ついスマホを触ってしまう…。

「今日こそやろう」と思っても気づけば夕方になり、「明日から頑張るか」と先延ばしにしてしまう…。

こうした悩みをもつ Re受験生・高校生はとても多いものです。

この記事では、先延ばし癖の原因と対策、さらに勉強を習慣化するコツまでを、心理学や行動科学の考え方を交えながら解説します。

筆者は、塾講師として数多くの受験生を指導してきました。実際に先延ばし癖が強かった生徒が、行動の仕組みを理解し、環境を整えることで、勉強量をアップさせたケースも少なくありません。

この記事を読み終わるころには、

「先延ばし癖は性格の問題じゃない。仕組みを変えれば必ず改善できる」

ということが実感できるはずです。

なぜ勉強を先延ばししてしまうのか?先延ばし癖の原因

締切まで時間があると思い込み、「まだ大丈夫」と油断してしまう(パーキンソンの法則)

パーキンソンの法則とは「仕事は、与えられた時間いっぱいまで膨張する」という有名な行動原理です。

本来1時間で終わる勉強でも、締切が1週間後であれば、私たちは無意識のうちに「まだ時間がある」と思い込み、着手を先延ばしにしてしまいます。これは意志が弱いからではなく、人間の脳が本来持っている“ゆとりがあると行動が遅れる”という自然な反応です。

特にRe受験生や高校生は、テストの日程が決まっていても「次の模試まではまだ日がある」「提出日は来週だから今日はやらなくても大丈夫」と油断しがちです。そして、締切が近づくほど焦りが増し「もっと早く始めておけばよかった」という経験を繰り返すことになります。

勉強の先延ばし癖は“性格の問題”ではなく、時間の捉え方によって誰にでも起こる現象です。この法則を知っているだけでも、「自分だけがダメなんじゃない」と心が軽くなり、行動の第一歩が踏み出しやすくなります。

参考:グロービス経営大学院 パーキンソンの法則

完璧主義で「完璧にやれないなら始められない」状態に陥っている

先延ばし癖を抱えるRe受験生や高校生によく見られるのが「完璧にやれなければ意味がない」という完璧主義的な思考です。

「1時間しっかり集中できないなら始めても無駄」「完璧な計画を立ててからじゃないと不安」と考えてしまい、結果として“行動ゼロ”になってしまいます。

しかし、完璧主義は高い向上心の裏返しで、決して悪いものではありません。

ただ、勉強においてはこの完璧思考が「最初の5分すら動けない」という悪循環を生みます。本当は少しでも進めたほうが良いのに、完璧にできない自分を責めてしまい、やる気が下がり、さらに行動できなくなるのです。

ちなみにこのことは勉強以外にも、筋トレやスポーツの練習、読書、掃除などさまざまなことにもいえます。

また、完璧主義な人ほどミスを恐れるため、英語の単語テストや数学の問題演習など、「間違えたかどうかがはっきり出る勉強」に取り組むハードルが高く感じてしまう傾向にあります。その結果「今日は頭が冴えたらやろう」と判断を先送りし、学習量が安定しにくくなります。

勉強のハードルが高く、最初の一歩が重く感じている

先延ばしの大きな原因の一つが「勉強を始めるハードルが高すぎる」という状態です。

勉強を先延ばしにしてしまうRe受験生や高校生の中には「数学の問題集を1ページ解かなきゃ」「英単語を100個覚えなきゃ」と、一度に“完璧な量”をこなそうとする人がいます。

この「やるべき量が多い」という認識が心理的負担となり、結果として“始める前のストレス”が増え、行動が止まってしまうのです。

人間の脳は、難しいことより簡単なことを選ぶようにできています。そのため、勉強が「重い作業」と感じられるほど、脳は無意識に回避しようとします。

本当は5分だけでも進めればよいのに、「どうせやるならしっかりやりたい」という意識が逆に自分を苦しめ、「今日は気分が乗らないからまた明日でいいか」という先延ばしの連鎖につながってしまいます。

また、勉強を始めるまでの環境づくり(机を片付ける、参考書を出す、教材を揃えるなど)が負担に感じられ、それ自体が“行動の壁”になるケースもあります。つまり、実際の勉強内容よりも、「勉強をスタートするまでの手順」がハードルを高くしているのです。

このように、勉強のハードルが高いと、やる気の問題ではなく“構造的に行動しづらい状態”になってしまいます。まずは「小さく始める工夫」を取り入れることで、行動のハードルは驚くほど下がります。

参考:Fogg Behavior Model | Ability

スマホやSNSなどの誘惑に負けてしまう

スマホやSNSは、受験生にとって“最大の先延ばし要因”と言っても過言ではありません。

なぜなら、SNSやショート動画は「いいね」や通知、次々に変わる映像など、脳の報酬系を刺激する仕組みでできており、少し触るだけで“すぐに快感が得られる”ように設計されているからです。

勉強は成果が出るまで時間がかかるため、この即時的な快感を求めて、ついスマホに手が伸びてしまうのは自然な反応です。

Re受験生や高校生は、勉強中に通知が鳴ったり、SNSのアイコンが目に入ったりするだけで注意が奪われ、集中が途切れやすくなります。

さらに、SNSは「他人の進捗」や「楽しそうな投稿」が多く、勉強への焦りや劣等感などネガティブな感情を生みやすいという負の側面もあります。

これがストレスとなり、「現実から離れたい」という感情が強まり、さらにスマホへ逃避する行動につながるケースも少なくありません。

スマホに負けてしまうのは意志の弱さではなく、人間の脳が“即時の快楽を優先する”ようにできているためです。この性質を理解したうえで環境を整えることが、先延ばしの改善に欠かせません。

参考:Dopamine, Smartphones & You: A battle for your time

勉強に取り掛かるための先延ばし癖対策

勉強を既存の習慣の中に組み込む

勉強を習慣化するためには、全く新しい行動として取り入れるよりも、すでにある日常の習慣に組み込む方法が効果的です。たとえば、朝起きて顔を洗う、昼食後に休憩する、夜寝る前に歯を磨く、といったルーティンの一部に勉強時間を組み込むだけで、無理なく続けやすくなります。

筆者の指導経験でも、勉強を「テレビを見る前の15分」「朝食後の10分」と決めて習慣に組み込んだ生徒は、最初は少し抵抗があっても、1週間ほどで自然と取り組むようになりました。ポイントは、ハードルを低く設定することです。最初は5分でも、毎日続けることで習慣の神経回路が形成され、やがて30分や1時間の勉強にも抵抗が少なくなります。

また、既存の習慣とセットで行うことで「やらなければならない」という心理的負担が減り、先延ばしを防ぐ効果もあります。朝のコーヒーを飲みながら単語帳を開く、寝る前に軽く復習する、といった小さな工夫が、結果として勉強を生活の一部に定着させるのです。

このように、既存の習慣に勉強を組み込む方法は、先延ばし癖を改善し、無理なく毎日勉強に取り組む力を身につけるうえで非常に有効です。

そもそも、勉強を“習慣化する”ということが効果的です。無意識に、また少ない負担で勉強に取り組めるようになって、勉強を先延ばししにくくなります。歯磨きを普段無意識にやっていることを考えたらわかりやすいでしょう。習慣化されている歯磨きは、いちいち「歯磨きをするかしないか」という判断を下さず、無意識に取り組んでいます。勉強も習慣化することで、歯磨きのように「勉強するかしないか」という判断を下すことなく、自然と勉強に取り組めるようになります。

そのほかの勉強の習慣化のコツを知りたい方は、ぜひこちらの記事もチェックしてみてください。

受験生必見!勉強を習慣化するコツ7選!

参考:習慣の脳科学 – 銀座泰明クリニック

参考:実行意図手法を適用した身体活動促進アプリケーションの行動変容介入

勉強部屋にスマホやゲームを持ち込まない

スマホやゲームの誘惑に負けて勉強を先延ばしにしてしまう人は、まず勉強する場所にスマホやゲームを持ち込まないことが効果的です。自宅の場合は、スマホやゲーム機を別の部屋に置くなどして、目に入らない環境を作るだけでも集中力は大きく変わります。

学校や図書館で勉強する場合でも、カバンの中にスマホをしまっておくだけで、集中しやすくなることがあります。筆者も外出先で集中して作業したいときは必ずスマホをカバンに入れ、通知が目に入らないようにしています。

実際に、筆者が学習塾で指導している生徒たちもこの方法を取り入れたことで効果を実感しており、「カバンに入れるだけで集中できるようになるとは思わなかった」といった声が多く聞かれます。

さらに、スマホやゲームの使用時間を事前に制限する設定をしておくと、スマホやゲームが使えなくなるので、先延ばしを防ぐ習慣が身につきやすくなります。小さな工夫でも、環境を整えることで勉強に取り組みやすくなります。

参考:ナショナルジオグラフィック スマホがあると退屈で集中力低下、海外の研究事例

先延ばしにして失うものを意識する

先延ばし癖を改善するうえで大切なのは、「先延ばしにすると自分は何を失うのか?」を具体的にイメージすることです。

勉強を後回しにした瞬間は気分がラクになりますが、実際にはその先に大きな代償が隠れています。特に受験生の場合、その代償は第一志望への合格や受験本番での自信と直結します。

例えば、勉強を後回しにすれば以下のような代償を払うことになります。



  • 英単語学習を先延ばしにすると、過去問対策や入試本番で長文が読めなくなる
  • 数学の基礎固めを後回しにすると、秋以降に応用問題が解けず伸び悩む
  • 夏までの学習量が足りず、秋から焦っても志望校レベルに届かない

など「今日はまだ勉強始めなくて良いかな」を繰り返してしまうと、長い目で見ると大きな差につながります。

筆者が指導してきたRe受験生の中にも、

「もっと早く始めていれば受かっていたはずなのに…」

「毎日もっと早い時間から勉強を始めていたら…」

と受験後に悔し涙を流した生徒が少なくありません。

逆に、早い段階で“失うもの”に気づき、行動を変えた生徒は、学力が着実に伸びていきました。

重要なのは、「やらないことで失うもの」と「やることで得られる未来」をセットで考えることです。



  • 今日やれば、知っている英単語が10個増える
  • 今日やれば、第一志望の合格率が1%でも上がる
  • 今日やれば、未来の自分が確実にラクになる

このように“未来の利益”を意識するだけでも、先延ばし癖は改善しやすくなります。

「今先延ばしにしたら、何を失うだろう?」

そして、

「今先延ばしにしなかったら、どんな未来が待っているだろう?」

勉強をするか迷ったときは、ぜひ自分に問いかけてみてください。

受験勉強を習慣化するコツ

ここでは、スムーズに勉強を習慣化できるようになるためのコツを3つ紹介します。

「勉強を習慣化しろと言われても、具体的にどうしたら良いかわからない」と思う方は、必ずチェックしましょう。

やるべきことを細かく具体化して、迷わず始められるようにする

勉強を習慣化するためには、まず「何をするのか」を細かく具体化することが重要です。多くの受験生が先延ばししてしまうのは、やるべきことが漠然としているため、勉強を始めるまでの心理的ハードルが高くなってしまうからです。

「数学をやる」「英語を勉強する」といった曖昧なタスクでは、脳が負担を感じてしまい、結果として行動に移しづらくなります。

そこで効果的なのが タスクの分解です。数学なら「問題集のP.30〜33の例題だけ」英単語なら「2100〜2199番の100単語だけ」といったように、取りかかる瞬間に迷わないレベルまで落とし込みます。タスクが具体的であればあるほど「とりあえず始める」ことができ、勉強の抵抗感が大きく減ります。

筆者が指導してきたRe受験生に関しても、タスクを細かくしただけで勉強の継続率が上がったケースは多く「やることが明確だから勉強を始めやすい」とよくいわれます。最初の一歩のハードルを下げることこそ、習慣化の基礎なのです。

参考:Cognitive Load Theory

勉強する時間と場所を固定し、行動を自動化する

勉強を毎日の習慣として定着させるには、時間と場所を固定することが効果的です。同じ時間に同じ場所で勉強することで、脳が「この時間にここへ来たら勉強するもの」と認識し、行動が自動化されていきます。いわゆる“条件づけ”が働き、意識しなくても自然と勉強モードに入れるようになります。

この効果は、心理学者ピーター・ゴルウィッツァーの「実行意図(Implementation Intentions)」の研究とも一致しています。研究では、「いつ・どこで・何を行うか」を具体的に決めた人は、決めていない人より行動開始率が大幅に高まることが示されています。つまり「毎日17時になったら図書館の自習席で数学の予習をする」といったように「時間+場所+行動」をセットで固定することで、勉強が“迷わず始められる行動”に変わるのです。

時間帯は自分の集中しやすいタイミングに合わせるのがポイントです。朝型なら登校前の30分、夜型なら夕食後の1時間など、自分の生活リズムで無理なく続けられる時間を選びましょう。また、場所もできれば固定すると、その場についた瞬間に心理的なスイッチが入りやすくなります。

筆者が学習塾で指導してきたRe受験生たちも「毎日同じ時間に同じ場所へ行く」と決めただけで習慣の安定度が上がり、勉強に取りかかるまでの時間が短くなったと話してくれました。

時間と場所の固定は小さな工夫ですが、習慣化を強力に後押しする科学的にも効果が示された方法です。

参考:Implementation Intentions: Strong Effects of Simple Plans” by Peter M. Gollwitzer (1999)

勉強仲間や家族に“宣言”して、やらざるを得ない環境をつくる

受験勉強を習慣化するうえで大きな力になるのが、周囲に「やる」と宣言することです。

自分一人の意志だけで勉強を続けるのは難しいかもしれませんが、「家族に毎日2時間やると伝えた」「友達と今日の勉強内容を報告しあう」といった仕組みをつくることで、やらざるを得ない状況が自然とかたちづくられます。

これは実際に、筆者が大学受験時代に友人と実践していたことです。

毎週月曜日に友人と「今週の目標」を言い合って、それを達成せざるをえないように努力する状況を作り出しました。

「言ってしまったからにはやるしかない」という状況を作っていたので、筆者も友人もやるべき勉強を着実にこなすことができました。

家族に「今日はこれを勉強するね」と一言伝えるだけでも効果がありますし、仲間と「1週間の達成状況を見せ合う」仕組みをつくれば、勉強を続けやすい状況が強制的に整います。

自分の環境を“行動せざるを得ない仕様”に変えることが、習慣化の最短ルートといえるでしょう。

勉強の習慣化のコツについてもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事もチェックしてみましょう。

受験生必見!勉強を習慣化するコツ7選!

まとめ

勉強の先延ばし癖は、意志の弱さではなく、脳の仕組みや環境によって誰にでも起こります。

しかし、タスクを細かくする・時間と場所を固定する・スマホを遠ざける・周囲に宣言するなど、小さな工夫を積み重ねれば必ず改善できます。

先延ばしを続けるほど、第一志望合格のチャンスも減ってしまいます。逆に、今日の「小さな一歩」は未来の自分を確実にラクにしてくれます。

できることから始め、習慣にして積み重ねていきましょう。

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