「志望校合格のためには、毎日勉強しなきゃいけないのは分かっている…でも、どうしてもやる気が出なくて続かない」
「気づいたらスマホを触っていて、自己嫌悪に陥ってしまう」
受験生の皆さん、こんな悩みを抱えていませんか?
大学受験は、まさに長期戦。日々のモチベーションに頼った勉強では、成績にムラができてしまい、学力を上げていくことが困難になるかもしれません。
この記事では、大学受験のプロとして数多くの受験生を指導してきた筆者が、意志の力に頼らなくても自然と勉強が続く「習慣化のコツ」を徹底解説します。
この記事を読み終えるころには、勉強へのハードルがぐっと下がり、継続的に学習に取り組むための具体的な方法が身についているはずです。
なぜ「習慣化」が大切なのか
そもそも、なぜ「習慣化」がそれほど重要なのでしょうか。
それは、大学受験という長期戦において、モチベーションだけに頼るのは非常に危険だからです。
人の「やる気」は、体調や気分、周りの出来事など、ささいなことで簡単に上下します。
「今日は模試の結果が悪かったからやる気が出ない…」
「友達と少し長電話してしまったら、勉強する気がなくなった…」
こんな経験は誰にでもあるはずです。
しかし、その度に勉強がストップしていては、計画通りに学習を進めることはできません。
一方で「習慣化」された行動は、やる気の有無にかかわらず、無意識に実行できます。
皆さんが毎日歯を磨いたり、お風呂に入ったりするのと同じです。
そこに「よし、やるぞ!」という強い意志は基本的に必要ありません。
勉強をこのレベルまで習慣化できれば、感情の波に左右されることなく、毎日淡々と机に向かえるようになります。
この「淡々と続けられる力」こそが、最終的にライバルと大きな差を生むのです。
勉強を習慣化するコツ7選
ここからは、勉強を習慣化するための具体的なコツを7つご紹介します。自分にできそうなものから、ぜひ一つでも試してみてください。
まずは「1日15分」から始める
新しいことを始めるとき、私たちはつい「やるからにはしっかりやらなければ!」と意気込み、高すぎる目標を掲げてしまいがちです。
しかし、これが挫折の最大の原因になります。脳は急激な変化を嫌うため、大きな目標は強い抵抗感(心理的ハードル)を生んでしまうのです。
そこで最も重要なのが、「これなら絶対にできる」と思えるレベルまでハードルを下げること。例えば、「英単語を15分だけやる」「数学の問題を1問だけ解く」といった、いわゆる「スモールステップ」から始めましょう。
ポイントは、少し物足りないくらいでやめることです。「もっとできたのに」と感じることで、「明日もまたやろう」という意欲につながります。
また、こうすることで「ツァイガルニク効果」と呼ばれる心理効果も期待できます。「人は達成できなかった事柄や、中断している事柄に対して、より強い記憶や印象を持つ」という事実が確認されており、暗記効率のUPもできるかもしれません。
どうしても勉強のハードルが高い場合は、まずは「毎日、机に向かう」という最低レベルの目標でも構いません。「勉強」という行為のみを習慣として脳に覚えさせ、その後行動(勉強)の量を増やしていくというステップで大丈夫です。
「これなら確実にやれる」というスモールステップを意識して、着実にこなしていきましょう。
参考:名古屋大学 2019年度理学系学生相談室通信 vol.2
「いつ・どこで」やるかを決めてしまう
「時間がある時にやろう」「余裕ができたら勉強しよう」といった曖昧な計画は、まず実行されません。なぜなら、その都度「いつやろうか?」「どこでやろうか?」と判断する必要があり、それが面倒で先延ばしにつながるからです。
この問題を解決するのが、「いつ(When)」「どこで(Where)」をあらかじめ具体的に決めてしまう方法です。これは、心理学者ピーター・ゴルヴィッツァーが提唱した「実行意図」と呼ばれる概念です
いつ:「朝6時半に起きたら、朝食の前に」「学校から帰宅して、制服を着替えたらすぐに」「夜9時からお風呂に入るまでの1時間」など
どこで:「自分の部屋の机」「雑音のない静かなリビング」「塾の自習室の指定席」など
「〇〇になったら〜〜で勉強を始める」と決めておくことで、曖昧な勉強計画を立てているときよりも、勉強に取りかかりやすくなります。
参考:実行意図手法を適用した身体活動促進アプリケーションの行動変容介入 2頁
既存の習慣にプラスする
新しい習慣をゼロから作るのは大変ですが、すでに毎日無意識に行っている習慣に紐づけると、驚くほどスムーズに導入できます。
例えば、多くの人が毎日行っている「歯磨き」「食事」「入浴」「通学」といった行動が、新しい習慣を始めるための「引き金(トリガー)」になります。
「夕食を食べ終わって食器を片付けたら、すぐに数学の参考書を机に出す」
「お風呂から上がって髪を乾かしながら、古文単語の暗記カードを10枚やる」
「電車に乗って席に座ったら、まず英単語アプリを起動する」
このように、「A(既存の習慣)をしたら、B(新しい習慣)をする」というセットを作ることで、やり忘れを防ぎ、意識しなくても自然に学習へと移行することができます。
これは『Atomic Habits(ジェームズ・クリアー著)』で紹介されている「ハビットスタッキング」と呼ばれる方法です。
本の内容は少し難しく感じるかもしれませんが、気になる人はぜひ読んでみてください。
参考:『ジェームズ・クリアー式 複利で伸びる1つの習慣』|感想・レビュー・試し読み – 読書メーター
勉強の記録をつけて「見える化」する
自分がどれだけ頑張ったかが目に見えて分かると、人は達成感を覚え、さらに続けようという意欲が湧いてきます。ただ漠然と勉強するのではなく、手帳やノート、アプリなどを使って、日々の勉強時間や内容を記録していきましょう。
カレンダーに勉強できたらシールを貼る、といった方法などでも構いません。記録が一日、また一日と続いていくと、「これだけ続いたのだから、途切れさせたくない」という気持ちが働き、継続の強力なモチベーションになります。この「継続の鎖」を断ち切りたくないという心理は非常に効果的です。
また、記録を見返すことで、「先月はこれだけ頑張れたんだ」という自信につながったり、「最近、理科の勉強時間が少ないな」といった客観的な自己分析にも役立ちます。
やるべきことを具体的にする
いざ机に向かっても、「さて、今日は何をしようかな…」と考えているうちに集中力が途切れてしまう、という経験はありませんか? 目標が曖昧だと、脳は何から手をつければいいか分からず、行動を始めるのに余計なエネルギーを消費してしまいます。
この無駄な時間をなくすために、前日の夜か、その日の朝のうちに、「何を」「どこまでやるか」を具体的に書き出しておくことが非常に重要です。
悪い例: 英語の勉強を頑張る
良い例: 単語帳『ターゲット1900』のセクション10(901〜1000)を覚え、確認テストで9割以上正解する。
やるべきことが明確であれば、席に着いたらすぐに迷わずタスクに取り掛かることができます。この「考える時間」と「作業する時間」を分離することが、スムーズなスタートダッシュを切るための秘訣です。
小さなご褒美を用意する
勉強はときに地味で、成果がすぐに見えにくいものです。だからこそ、自分自身で意図的に「ご褒美」を設定し、脳に「勉強=良いこと」だと認識させることが、長期的な継続には有効です。
脳は、何かを達成したときに得られる快感(報酬)によって、その行動を「またやりたい」と記憶します。この仕組みを利用するのです。
「この1週間、計画通りに毎日勉強が続いたら、週末に好きなアイスを食べる」
「この問題集を1冊完璧に終わらせたら、見たかった映画を観に行く」
「今日のノルマを終えたら、YouTubeを30分だけ見る」
ポイントは、あまりに大きなご褒美ではなく、すぐに実現できる「小さなご褒美」にすることです。小さな「目標達成→ご褒美」のサイクルを何度も繰り返すことで、勉強に対するポジティブな感情が育っていきます。
周りの人に宣言する
一人で黙々と頑張るのが辛いときや、どうしても自分に甘くなってしまう場合は、他者の力を借りるのも非常に有効な戦略です。家族や親しい友人、学校の先生などに「次の模試までに、この問題集を終わらせる」「毎日1時間は必ず勉強する」と具体的に宣言してみましょう。
これは「パブリック・コミットメント」と呼ばれる心理効果を利用したもので、人は他者に公言したことに対しては、一貫性を保とうとする強い力が働きます。良い意味でのプレッシャーがかかり、「言った手前、やらなきゃ格好がつかない」という気持ちが、行動を後押ししてくれるのです。
最近では、SNSで勉強アカウントを作り、日々の進捗を報告し合っている学生もいます。同じ目標を持つ仲間とつながることで、孤独感が和らぎ、有益な情報を交換する場にもなります。
NGな習慣
良かれと思ってやっていることが、実は習慣化を妨げているケースもあります。ここでは、特に受験生が陥りがちなNG行動を3つ紹介します。
最初から完璧を目指す
「やるからには100%完璧にこなしたい」という真面目な人ほど、この罠に陥りがちです。
例えば、「毎日3時間勉強する」という計画を立てた日に、急な用事で2時間しかできなかったとします。このとき、「計画が達成できなかった。もう今日はダメだ」とゼロか100かで考えてしまい、結局すべてを投げ出してしまうのが最も危険なパターンです。
習慣化の初期段階で最も大切なのは、「完璧さ」ではなく「継続性」です。計画通りにいかない日があるのは当たり前。そんなときでも、「今日は疲れているから、15分だけ単語帳を見るだけでもやろう」と柔軟にハードルを下げ、「とにかく今日もやった」という事実を作ることが重要です。継続の鎖をつなぎ続けることが、完璧な一日よりも何倍も価値があります。
スマートフォンを机の上においたまま勉強する
現代の受験生にとって最大の敵といっても過言ではないのが、スマートフォンでしょう。たとえ通知をオフにしていても、ただ視界に入るだけで、私たちの脳の集中力リソースは無意識のうちに奪われているという研究結果があります。
「少しだけSNSをチェックしよう」と思っただけなのに、気づけば30分、1時間と経っていた経験は誰にでもあるでしょう。勉強を始める前には、電源を切ってカバンの中にしまう、別の部屋に置く、親に預かってもらうなど、物理的に遠ざける工夫が有効的です。「意志の力で我慢する」のではなく、「我慢しなくても済む環境」を自分で作り出すことが鉄則です。
参考:Your smartphone might actually be making you dumber, according to a new study
「気分が乗らないから」という理由で辞めてしまう
「どうもやる気が出ない」「気分が乗らない」というのは、勉強を始められないときの定番の言い訳です。しかし、重要なのは「やる気」は行動するために先に起こるものではなく、行動することによって後から生まれてくるということです。
これは心理学で「作業興奮」と呼ばれる脳の仕組みで、何か作業を始めると、脳の側坐核という部分が刺激され、次第に集中力や意欲が高まってくる現象を指します。つまり、「やる気がない→やらない」のではなく、「やる気がない→とりあえず始めてみる→やる気が出てくる」という順番が正しいのです。
気分が乗らないときこそ、「とりあえず5分だけ机に向かってみよう」と自分を騙すつもりで始めてみてください。5分経つころには、意外と集中モードに入っている自分に気づくはずです。
おすすめのアプリやツール
今では、勉強の習慣化を強力にサポートしてくれる便利なアプリやツールがたくさんあります。ここでは特におすすめのものを3つ厳選してご紹介します。
Studyplus(スタディプラス)
2025年7月1日時点で累計会員者数が1,000万人を超えている『Studyplus』は、受験生の多くが利用している定番の学習記録アプリです。
シンプルながらも、勉強を継続するための重要な機能が詰まっています。
◼︎Studyplusがおすすめな理由
- 学習量の客観的な可視化:
教材別・科目別に勉強時間を記録することで、日々の努力がグラフとして自動で可視化されます。週ごと、月ごとに「自分がどれだけ学習したか」を客観的に把握できるため、達成感を得やすく、学習継続の動機付けになります。また、学習の偏りにも気づけるため、バランスの取れた学習計画を立てるうえでも役立ちます。 - 適度な刺激となるSNS機能:
アプリ内にはSNS機能があり、同じ志望校を目指す他のユーザーの学習記録を見ることができます。他者の努力を知ることで「自分も頑張ろう」という前向きな刺激を受けることができるかもしれません。孤独になりがちな受験勉強において、全国の仲間と緩やかにつながり、モチベーションを維持するのに効果的です。 - 便利な学習サポート機能:
学習時間を計測するストップウォッチやタイマー機能が搭載されており、時間を意識した学習の実践に役立ちます。「この問題集を60分で解く」といった具体的な目標設定と実行をサポートしてくれます。
そして、計測が完了したらそのままタイムラインで勉強時間を共有できるので、勉強時間を投稿してモチベーションを維持したいと考えているなら手間がかかりません。
◼︎こんな人におすすめ
- 日々の頑張りを記録して、自信につなげたい人
- 学習の進捗を客観的に管理・分析したい人
- 他の受験生から良い刺激を受けながら勉強したい人
参考:学習管理アプリ「Studyplus」、累計会員数1,000万人を突破
みんチャレ
1人では挫折しがちな習慣形成を、チームで乗り越えるというアプローチが特徴のアプリです。勉強そのものだけでなく、受験期全体の生活リズムを整える目的でも活用できます。
◼︎おすすめな理由
- 行動を促す「チーム制」:
同じ目標を持つ匿名の5人がチームを組み、日々の活動を報告し合う仕組みです。例えば「毎朝6時に起床して勉強する」といったチームに参加すると、他のメンバーの存在が良い意味でのプレッシャーとなり、「自分もやらなくては」という気持ちが芽生えます。これにより、一人では甘えてしまいがちな行動も継続しやすくなります。 - 行動科学に基づいた設計:
このアプリは、習慣化に関する行動科学の知見に基づいて設計されています。仲間と励まし合うという仕組みは、社会的なつながりが個人の行動に与える影響を利用したものであり、継続率を高める効果が期待できます。 - 生活習慣全般の改善:
受験勉強のパフォーマンスは、学習時間だけでなく、睡眠や運動といった生活習慣にも大きく左右されます。「早寝早起き」や「軽い運動」といったチャレンジに参加することで、学習効率の向上につながる健全な生活リズムを確立するサポートも得られます。
◼︎こんな人におすすめ
- 意志の力に自信がなく、これまで物事が長続きしなかった経験がある人
- 一人でコツコツ努力するのが苦手な人
- 勉強と並行して、生活習慣も見直したいと考えている人
Forest
受験勉強における大きな課題の一つ、「スマートフォンの誘惑」を断ち切るために設計された集中力維持アプリです。ユニークな仕組みで、楽しみながら集中する習慣を養います。
◼︎おすすめな理由
- 集中を促す巧みなゲーム性:
「30分集中する」と時間を設定してスタートすると、画面内で木が育ち始めます。設定時間内にスマートフォンで他のアプリを開いてしまうと、その木は枯れてしまうという仕組みです。この「木を枯らしたくない」という心理が、スマホに手を伸ばすのを防ぐ抑止力として機能します。 - 集中時間の可視化による達成感:
集中に成功すると木が育ち、自分の「森」が形成されていきます。日々の集中時間が、豊かになっていく森というビジュアルで記録されるため、達成感を得ながら継続することができます。自分がどれだけ集中できたかを直感的に振り返ることが可能です。 - 生産性向上への貢献:
タイマー機能は、「ポモドーロ・テクニック(25分の集中と5分の休憩を繰り返す時間管理術)」を実践する際にも非常に有効です。時間を区切って集中する訓練を積むことで、学習全体の生産性を高める効果が期待できます。
◼︎こんな人におすすめ
- 勉強中に、ついスマートフォンを触ってしまう癖がある人
- 短時間集中のサイクルで、効率的に学習を進めたい人
- 義務感ではなく、楽しみながら集中力を高めたい人
まとめ
今回は、大学受験を乗り切るための「勉強の習慣化」について、7つのコツと3つのNG行動、そしておすすめのアプリを紹介しました。
習慣は一朝一夕に身につくものではありません。しかし、この記事で紹介したコツを一つでも実践すれば、あなたの勉強への向き合い方は必ず変わります
大切なのは、完璧ではなく、まず始めること。そして、続けることです。
その小さな一歩の積み重ねが、志望校合格という大きな目標につながっています。この記事が、あなたの輝かしい未来への一助となれば幸いです。応援しています!
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