
「大学生になったら一人暮らしをしてみたい!」と思っている人も多いのではないでしょうか。
あるいは、志望校の場所的に一人暮らしをせざるを得ない人もいることでしょう。
本記事では、大学生の一人暮らしにかかる費用や、一人暮らしをするメリット、家探しをするポイントなどを解説していきます。金銭的な負担を減らすための方法なども紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
大学生の一人暮らしにかかる
費用は?

大学生の一人暮らしは、ホームシックのような寂しさを感じるときもあるかもしれませんが、自分の生活を自由に好きなようにできるため、楽しいものと感じる人が多いでしょう。
一方、費用の面ではシビアなことも多くなります。
現実的な話、大学生の一人暮らしでは、家賃や光熱費、日々の生活費がかかりますし、さらに学費など多額の費用がかかってしまいます。まずは、大学生で一人暮らしをするとどれくらいの費用がかかってしまうのか、確認してみましょう。
引っ越しや賃貸契約にかかる初期費用
大学生の一人暮らしにかかる費用の1つ目は、引っ越しや賃貸契約にかかる初期費用です。
引越し業者に依頼する場合、距離や引っ越しを行うシーズン、荷物の量にもよりますが、3〜4万円ほどかかります。ちなみに、大学合格者の引っ越しのタイミングは3月中旬から下旬になることが多く、そのときの引越し代は8~12万ほどと高額になる場合が多いです。
また、大家さんに支払う補償金である敷金や、部屋を貸してくれたことに対する謝礼の礼金、部屋の消毒代など諸々の初期費用として賃貸契約のタイミングでかかるお金は、家賃の4〜5ヶ月分といわれています。家賃5万円の賃貸を借りる場合、20万〜25万円程度はかかると考えておきましょう。
毎月の家賃
大学生の一人暮らしにかかる費用の2つ目は、毎月の家賃です。
全国大学生活協同組合連合会が発表している2022年の第58回学生生活実態調査の概要報告(私立や国公立の学部学生の生活調査)によると、下宿生の家賃は5万円程度が一般的です。
契約を更新する場合は、さらに更新費用もかかります。更新費用は2年ごとに家賃一ヶ月分を支払うことが一般的です。
毎月の家賃は立地や条件で大きく異なりますが、学生ウォーカーによると、東京23区内では6.7万円と郊外よりも高い傾向があります。一方、23区外の首都圏では5.4万円と相場が下がります。
家探しの際は、立地で家賃が大きく変わりうることを念頭に置き、どこに住むかを慎重に検討するようおすすめします。
参考:全国大学生活協同組合連合会「第58回学生生活実態調査の概要報告」
水道・光熱費
大学生の一人暮らしにかかる費用の3つ目は、水道・光熱費です。
光熱費とは、一般的にガス代や電気代のこと。水道代もいれて、水道・光熱費といいます。
全国大学生活協同組合連合会が発表している2022年の第58回学生生活実態調査の概要報告(私立や国公立の学部学生の生活調査)によると、水道・光熱費は月に1〜2万円前後かかるのが一般的です。
参考:全国大学生活協同組合連合会「第58回学生生活実態調査の概要報告」
食費
大学生の一人暮らしにかかる費用の4つ目は、食費です。
全国大学生活協同組合連合会、第58回学生生活実態調査の概要報告によると、一般的には食費は1ヶ月で2.5万円程度です。
昼と夜に1食500円の外食をすると、1ヶ月で3万円はかかってしまいます。「塵も積もれば山となる」です。細かい外食は控え、できる限り自炊をすると節約できますよ。
参考:全国大学生活協同組合連合会「第58回学生生活実態調査の概要報告」
交際費
大学生の一人暮らしにかかる費用の5つ目は、交際費です。
交際費は、友人や先輩・後輩たちとどのような遊びをどのくらい頻繁にするのかによって大きく異なります。
1度の飲み会が5千円前後だとしたら、週に1回遊びに行くと一ヶ月に2万円程度は必要になります。また、夏休みや春休みで旅行に行くと、3〜10万円以上一度に必要になることもあります。
旅行や飲み会は一度に大きな金額が出ていくので、慎重に、計画的になるとよいでしょう。
大学に通うための学費・交通費
大学生の一人暮らしにかかる費用の6つ目は、大学に通うための学費・交通費です。
大学の近くに住んでいても、バスや電車を使う場合は交通費がかかってしまいます。大学までの距離や地域にもよりますが、全国大学生活協同組合連合会、第58回学生生活実態調査の概要報告によると、定期代に1ヶ月で8千円程度かかるのが一般的です。
また、学費は私立なのか国公立なのかに加え、学部にもよりますが初年度には、80万〜160万円の費用がかかる可能性が高いです。
4年間にかかる学費の平均は以下のとおりです。
国公立大学の場合 | 約240万円前後 |
---|---|
私立大学理系 | 約550万円 |
私立大学文系 | 約440万円 |
学費についての詳細を知りたい人は
「 大学の学費や学生生活にかかる費用はどれくらい必要?4年間での目安を解説 」
を参考にしてください。
参考:全国大学生活協同組合連合会「第58回学生生活実態調査の概要報告」
以上が、大学生の一人暮らしにかかる代表的な費用です。
年間でかかる費用、そして4年間通してかかる費用を計算し、どのようにすれば、経済的な面で一人暮らしができるか考えてみてくださいね。
一人暮らしをしている
大学生の割合

次に、実際にどのくらいの大学生が一人暮らしをしているのか、見てみましょう。

出典:日本学生支援機構「令和2年度学生生活調査・高等専門学校生生活調査・専修学校生生活調査」
こちらの日本学生支援機構の調査によると、地域によって異なりますが、私立の大学に通う大学生は、自宅から通っている人が「65.2%」。国立・公立でも、一人暮らしをしている大学生の割合は「50%強」となっています。
実家から通う人も多いですが、一人暮らしをする大学生がかなり少数ということはありません。
東京都内の場合、高い家賃の影響もあり、実家から通う大学生も多いようです。
バイトや奨学金などで賄える金額は?
どのくらいの額をバイトや奨学金、仕送りで賄えるのか疑問に思う人もいるのではないでしょうか。
日本学生支援機構の調査によると、バイトや奨学金、仕送りの合計である学生の収入は193万円です。そのうち家庭からの仕送りが多くを占め、その額114万円、アルバイトで稼ぐ額は36万円という調査結果が出ています。
学部によって忙しさが異なり、働ける時間に差はありますが、バイトで稼げる金額は月3万円程度であるといえるでしょう。
奨学金を上手く活用できれば、バイト代と奨学金だけで大学に通うことも不可能ではありません。返済をする必要がない「給付型奨学金」、返済必須の「貸与型奨学金」など奨学金の種類はいくつかありますし、他にも、大学ごとに学費の減免制度のようなものがあります。
学費についての詳細を知りたい人は
「 大学の学費や学生生活にかかる費用はどれくらい必要?4年間での目安を解説 」
を参考にしてください。
大学生が一人暮らしをする
メリット

大学生が一人暮らしをするメリットは、いくつかあります。
以下では、大学生が一人暮らしをするメリットについて詳しくご紹介します。
通学時間を短縮できる
大学生が一人暮らしをするメリットの1つ目は、通学時間を短縮できることです。
実家暮らしですと、大学まで通学時間がかかってしまう場合があります。天候が雨や雪の場合でも大学があるので、交通機関の遅延などを考えると早めに家を出なければいけません。
また、ゼミや研究室が始まると、夜まで大学に残らなければいけないこともあるでしょう。
一人暮らしをして大学に近いところに住むことができれば、通学時間を短縮でき、浮いた時間をバイトや勉強に当てられるようになります。
主体的にお金や時間の管理を
できるようになる
大学生が一人暮らしをするメリットの2つ目は、主体的にお金や時間の管理をできるようになることです。
実家暮らしをしていると、光熱費や家賃などを親が払っているというケースがほとんどではないでしょうか。親が払ってくれていると、日々の生活にどのくらいの費用がかかっているかわからないことも多いでしょう。
一人暮らしをすることで、自分でお金をやりくりして、光熱費や食費、交際費などの諸費用を支払い、自立して生活をしていく能力が培われます。
お金の大切さをより実感しやすく、その後の人生にも役に立つ家計管理能力が身につくでしょう。
また、自分で朝起きる時間や寝る時間などの管理もしなければなりません。
一人で何でもしなければならない環境に身を置くことで、自立に必要な能力が身につきますよ。
自分の生活スタイルを自由に決められる
大学生が一人暮らしをするメリットの3つ目は、自分の生活スタイルを自由に決められることです。
一人暮らしをすることで、家族の誰かに合わせるようなことなく、自由な生活をすることが可能です。例えば、ご飯を食べる時間や寝る時間、外出時間などを自分で好きに決められます。
また、友人や恋人などを家に呼びやすくなります。飲み会や遊びにも参加しやすくなるので、より大学生活を満喫できるかもしれません。
大学生が一人暮らしをする際の注意点

大学生が一人暮らしをすることには、メリットだけではなく、知っておきたい注意点も存在します。
以下では、大学生が一人暮らしをする際の注意点について詳しくご紹介します。
実家暮らしをするよりもお金がかかる
すでにご紹介したように、大学生が一人暮らしをすると、家賃や光熱費、食費など、実家暮らしをするよりもお金がかかってしまいます。
金銭的な面は特に考慮して、一人暮らしをするかどうか検討した方がよいでしょう。
学費や交際費などもかかり、大学生活ではお金を使う場面が多いです。
実家暮らしをして浮いたお金で、旅行に行ったり、遊んだり、大学生活中にいろいろな経験をすることができます。また、自己研鑽や自己投資につぎ込むこともできます。
お金は無限に湧いてくるものではないため、費用面をよく考えたうえで、一人暮らしをすることを決めましょう。
掃除や洗濯、料理などの家事の
負担がかかる
これまで、掃除や洗濯を親に任せていた人も多いのではないでしょうか。
一人暮らしをすると、家事をしてくれる人はいないため、全て自分の手で行う必要があります。
掃除や洗濯を放置すると、徐々に身の回りの衛生環境は悪くなり、体調不良などにつながる可能性もあります。
毎日外食をしていると、生活費がすぐになくなってしまうので、自炊する大学生は多いです。しかし、自分で料理をするとなると、栄養バランスが偏ってしまい、結果体調を崩してしまうということもありえます。
自分の体調に気を配り、家事も怠らないように注意しましょう。
知っておきたい大学生の
部屋探しのポイント

一人暮らしをする物件はフィーリングだけで決めてしまうと、後悔するかもしれません。
以下では、知っておきたい大学生の部屋探しのポイントを紹介します。一人暮らしの物件を探している大学生はぜひ参考にしてください。
通学に困らない範囲で部屋を探す
知っておきたい大学生の部屋探しの1つ目のポイントは、通学に困らない範囲で部屋を探すことです。
通学時間短縮のためには、大学の近くに住む必要があります。
都市部の場合、大学近くの家賃が高く、徒歩圏内に住むことが難しいこともあるでしょう。
大学の最寄り駅から数駅離れると家賃が下がり、金銭的な負担を減らせることもあります。
大学から少し離れた場所に住む場合は、大学に通うための交通費と家賃の関係を考慮に入れることをおすすめします。
また、重きを置くかどうかは人にもよりますが、家と大学を行き来する際の乗り換えが少ないこと、家の最寄り駅が始発駅なのかどうかも合わせてチェックするとよいですね。
都市部ではない場合、大学のすぐ近くに物件があることがほとんどです。悪天候のときでも大学に通いやすいように、徒歩圏内で家を探せるとよいかもしれませんね。
賃貸の条件で譲れない
ポイントをピックアップする
知っておきたい大学生の部屋探しの2つ目のポイントは、賃貸の条件で譲れないポイントをピックアップすることです。
大学周辺に絞っても、多数の賃貸があり、どう選べばよいのかわからないという人もいると思います。
自分が重視する物件の条件を書き出し、それに合う物件を選びましょう。
例えば、
- バス/トイレ別
- キッチンが広い
- オートロックやモニター付きのインターホンがある
- 最上階
- 駐車場や駐輪場がある、安く利用できる
- 築年数が浅い
- インターネット使用料が含まれている
- 敷金礼金管理費の条件
などの選ぶ際のポイントがあります。
ウェブサイトなどで調べる方法もありますが、わからない場合は、不動産業者におすすめの物件を問い合わせてみるのも一案ですよ。
近隣環境をチェックする
知っておきたい大学生の部屋探しの3つ目のポイントは、近隣環境をチェックすることです。
賃貸物件の家賃が相場よりも安い場合、騒音や振動などの問題があるかもしれません。例えば、線路の近くの場合、電車が通る音や振動が伝わってきます。大きな音や振動が苦手な人は、電車に限らず車通りが多い道が近くにないかなどを確認しましょう。
最寄り駅の治安が悪い場合、毎日の大学帰りで怖い思いをしてしまう恐れもあります。駅の雰囲気も忘れずにチェックしましょう。
また、大学に近いからといって僻地を選んでしまうと、スーパーやドラッグストア、コンビニなどが近くにない場合もあります。大学から車を持つ人もいますが、そうでもない人は、徒歩圏内、自転車圏内に、生活用品を買う場所があるかも合わせて確認するとよいですね。
内見を疎かにしない
知っておきたい大学生の部屋探しの4つ目のポイントは、内見を疎かにしないことです。
最近では、オンライン内見があり、現地に行かなくても家の様子を見られるようになりました。
しかし、内見をしなければ
- コンセントの位置
- 排水口やトイレの匂い
- Wi-Fiやスマホのつながりやすさ
- 共用スペースの様子
などを確認することができません。
実際に住んでみると、「思っていたよりも部屋が狭かった……」などと後悔してしまうことも。
面倒に感じる人もいるかもしれませんが、部屋の中、その周辺環境を自分の目で確認したうえで、住む場所を決めることをおすすめします。
大学紹介の物件や学生寮も
視野に入れよう
知っておきたい大学生の部屋探しの5つ目のポイントは、大学紹介の物件や学生寮も視野に入れることです。
大学紹介の物件は、大学生協が選んでくれるため、大学生にピッタリの賃貸物件を紹介してくれる可能性が比較的高いです。例えば、女性限定や学校周辺などの物件も多く紹介してくれるので、初めて賃貸物件を借りる人にもおすすめです。
金銭的にかなり余裕がないという人は、比較的費用を抑えられるシェアハウスや学生寮を選んでもよいでしょう。
シェアハウスや学生寮は、トイレやお風呂、洗濯機などが共同のため、生活の自由度に制限はありますが、その他の一般的な物件で一人暮らしをするよりも費用を抑えられます。
また、同じ大学の別学年の人や留学生と仲良くなれることもあるので、人と暮らすことに抵抗がない場合は、そうした人たちと交流する経験を積むためにシェアハウスや学生寮を選ぶことを検討してよいでしょう。
できる限り早く物件を選ぼう
知っておきたい大学生の部屋探しの6つ目のポイントは、物件はできる限り早くに決めることです。
合格発表後から物件探しを始めると、合格発表前から探していた人や推薦入試で合格している人によい物件を先取りされてしまう可能性があります。
受験で現地に行く場合は、受験終了後に物件を見に行き、合否が分かり次第契約するのも一案です。「合格発表前予約」と呼ばれる、合格発表前に賃貸を予約し、合格発表後、合否の結果によっては解約できるシステムを採用しているところもあります。
受験勉強に精一杯で、物件選びどころではないかもしれませんが、受験終了後のスケジュールにそこまで余裕がありません。隙間時間を活用して、物件に関する情報を収集しておくことをおすすめします。
大学生の一人暮らしで金銭的な負担を減らす方法

仕送りや奨学金、バイトなどで入ってくるお金を増やすことは、そこまで簡単ではありません。
仕送りや奨学金、バイトを増やすなどして、使えるお金を増やすことも一案ですが、大学生の一人暮らしで金銭的な負担を減らすためには、「固定費」を減らすことが大切です。
固定費とは、家賃や、Wi-Fi/スマホなどの通信費などのこと。
通信費に関しては、例えば格安SIMのスマホを使ったり、格安プランに変更したりすることで費用を下げることができます。また、賃貸によっては、無料で使用できるインターネット回線がある場所もあります。
食費や水道光熱費などの生活費を減らすことでも節約できます。自炊をしたり、水を出しっぱなしにしないようにしたり、こまめに電気をON/OFFするようにしたりすることを心がけましょう。
月々にかかる固定費を減らし、浮いたお金を余暇や自己投資に当てるなどして、充実した生活を送りましょう。
世の中には、たくさんの節約術があるので、調べて実践してみてください。
まとめ
本記事では、一人暮らしにかかる費用や、一人暮らしのメリットから、物件を選ぶ際のポイントなどまで、詳しくご紹介しました。
憧れの一人暮らしは、ただ楽しいだけではなく、責任や面倒なことなども伴うことを覚えておきましょう。
家探しは大学のキャンパスの場所にも大きく影響されますが、住む地域によって家賃の相場は大きく異なることを頭に入れておきましょう。また、地域以外の物件の条件も、家賃の高さ・安さに影響します。
一人暮らしを始めたいと思っている人は、家賃や光熱費、食費などにかかるお金を一度計算してみるとよいでしょう。
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