女子大は、学生は女性しかいないという環境であり、思い描くイメージは人によってさまざまでしょう。
「おしゃれな女子大生が多くいて、すごく楽しそうな華やかな空間」を思い描いている人もいれば、「女子だけだから楽に過ごせそうだけど、陰湿ないじめだったり、派閥があったりするんじゃないかな、、、」と心配している人もいるなど、実態がつかみにくいかもしれません。
本記事では、女子大のメリット・デメリットや女子大に向いている人など、進路選びに役立つ情報を紹介します。
女子大の魅力とは?進路選びで知っておきたいメリット
志望校を考えるうえで、「その大学に通うと自分にどんなメリットがあるのか」を把握することは非常に重要です。
ここでは、進路選びをする前に知っておきたい、女子大に通うメリットを5つ紹介します。
共学にはない、女子大ならではのメリットを多く紹介しているので、女子大への進学を検討している人はぜひ参考にしてください。
異性といる気疲れや窮屈さがない
女性オンリーの環境よりも男性がいる環境の方が、気疲れやストレスを感じてしまう人も珍しくありません。
特に大学生になると、一般的に化粧をしたり私服を着たりすることになるでしょうが、人によっては「毎日の大学生活を送るうえで、男性に見られても大丈夫なように身なりを準備するのが大変」と感じてしまうかもしれません。
女子大の学生は当然ながら女性しかいないので、異性といる気疲れや窮屈さを感じることなく、大学生活を送れるでしょう。
参考:女子大に進学するメリットは?女子大に通う良さや魅力・選び方を紹介
学生数が少なく学業に集中しやすい
例えばお茶の水女子大学の在籍者数2,060人に対し、代表的な共学制大学の在席者数は以下のとおりです。
東京大学:13,998人
慶応義塾大学:33,518人
日本大学:74,302人
一般的に女子大は共学の大学よりも学生の数が少なく、教授との距離感が近い傾向にあるため、学業に集中しやすいといえます。
学生の人数が少なく、一方教授の数がそこまで少なくないようであれば、それだけ教授が1講義で教える人数が減ることにつながります。
お茶の水女子大と日本大学を比較すると、教授が見る生徒数が約5倍ほど異なり、女子大の方が共学よりも、学生側から質問しやすく、サポートを得られやすいような環境である可能性が高いです。
参考:日本大学データサマリー
キャリア教育が充実している
女子大は女性ならではのキャリアに特化した専門学部や学科が充実しています。
女性のキャリアに特化した学部がある、女子大の例は以下のとおりです。
家政学部のある大学:東京家政大学、日本女子大学、京都女子大学、神戸女子大学
看護学部のある大学:東京家政大学、共立女子大学、駒沢女子大学、東京女子医科大学
児童学部のある大学:鎌倉女子大学、白百合女子大学、日本女子大学
女性のキャリアに特化した学部を取り入れている女子大学が多いため、自分が将来働きたい職業に該当する学部があれば、検討する価値が十分にあるといえるでしょう。
参考:医・歯・薬・看護系 | キラリ!首都圏女子大【私立女子大学入試連絡協議会】
参考:日本女子大学 家政学部/学部・学科 |大学受験パスナビ:旺文社
参考:教育・保育系 | キラリ!首都圏女子大【私立女子大学入試連絡協議会】
女性向けの就職サポートが受けられる
女子大は共学の大学にはない、女性向けの就職イベントがあったりキャリアアドバイザーによるサポートが充実していたりする場合も珍しくありません。
たとえば金城学院大学では、以下のような就職サポートプログラムを実施しており、2023年における卒業生の就職率は驚異の98.9%を記録しています。
- 就職・進路相談(結婚・出産・介護等、自分の進路変更により離職した卒業生向けのサービスの提供など
- 就職ガイダンス・面接やグループディスカッション対策講座の開講(女性が社会で力を発揮できる思考力と実践力を育むためのカリキュラムの提供など)
- 求人紹介(女性が務めている比率が高い職場・企業とのコネクションを提供など)
- 就活ラウンジの設置
そのため女子大は、結婚や出産などのライフステージや、「女性」という視点に重点を置いた就職活動に力を入れたい人におすすめの選択肢だといえるでしょう。
参考:キャリア支援について
リーダーシップが育まれやすい
共学の大学だとサークルやゼミなど組織のリーダーが男性の場合であることが多く、女性のリーダーシップが発揮しづらいこともあるでしょう。
女子大であればサークルやゼミ、委員会など、大学における活動は女性のみで運営されることになります。
そのため、共学の大学に通うよりもリーダーシップが育まれやすいと感じる人もいるでしょう。
参考:女子大に進学するメリットは?女子大に通う良さや魅力・選び方を紹介
女子大の課題やデメリットは?
女子大は共学の大学にはない魅力がある反面、女性だけの環境であるからこそ発生してしまうデメリットも存在します。
ここでは、進路選びをする際に知っておきたい、女子大に通うデメリットを5つ紹介します。
何か決断をする際には、得られるメリットだけでなく生じうるデメリットも把握しておかなければなりません。
デメリットを事前に把握することで、デメリットを補えるような手を考えることができます。
今回の場合で言うと、女子大のデメリットを把握することでそれをカバーできる大学の取り組みや大学外の活動を確認しやすくなるので、女子大の生活をより充実させたい人は、ぜひ参考にしてみてください。
異性との出会いが少なくなりやすい
女子大は女性オンリーの環境で生活することが多くなるので、異性との出会いが少なくなりやすいです。
恋愛を通じてより深い人間関係の構築を経験することも、そしてそこまでの深い関係でなくとも、異性ならではの考え方に触れるような経験も素敵な社会人になるために必要です。
また、女子大に通うと、女性同士で意見を交わす機会が多くなってしまうため、考え方が女子目線に偏りやすくなる傾向もあります。
考え方が女子目線に偏りすぎてしまうと、就活や恋愛などさまざまなシーンでストレスを感じやすくなり、大学を卒業した後の生活で苦労する事態に陥る可能性もあります。
社会人になって困らないためにも、複数の大学の学生が一緒に活動できるインカレサークルに参加したり、アルバイト先でバイト仲間の男性と会話するなど、男性と接する経験値を積んでおくと良いでしょう。
参考:女子大に通うメリット・デメリット・就活・共学との違いを徹底解説
参考:就活で得する?女子大に通うメリット・デメリットを解説|インターンシップガイド
大学のイベントが盛り上がりにくい
女子大は共学の大学よりも、どうしても規模が小さくなってしまうため、大学祭などのイベントが盛り上がりにくい可能性があります。
大学祭のイベントが盛り上がりにくいと、普段出会うことのない人たちとの交流も限られます。大学祭というものは良い思い出の一つになり得るので、それが楽しめないとなると、デメリットに感じる人もいるでしょう。
また、女子大によっては安全上の問題から、イベントの来場者を制限することも珍しくないため、身内だけの盛り上がりになりやすいです。
参考:女子大に通うメリット・デメリット・就活・共学との違いを徹底解説
選べる大学の選択肢が少ない
朝日新聞の記事によると、女子大の数は1998年の98校から2023年で73校まで減少していることが判明しました。
女子大の大学を選ぶ選択肢は年々減少しているといえるでしょう。
共学の大学は2023年度時点で793校あることから、女子大よりも共学の大学の方が選択肢の数が10倍ほど多いです。
参考:25年で98→73校 女子大は不人気? 変わる社会と受験生の意識
国公立女子大が少ない
国公立の女子大は、お茶の水女子大学と奈良女子大学、群馬県立女子大学、福岡女子大学の4大学しかありません。
これは国公立大学全体の5%たらずの数であり、選択肢が非常に少なく、受験生によっては、「本当は国公立に行きたいけど、選択肢が少ないから気に入った大学が見つからない」と悩むケースもあり得るでしょう。
そして気に入る女子大が国公立でないなら、私立で選ぶことになると思いますが、必然的に授業料などが比較的高くなってしまうため、経済的な負担も大きくなるといえます。
女子大への進学に向いている人の特徴
女子大への進学を選んでいる人には、性格や考え方などにいくつか共通している点があったりします。
ここでは、女子大の魅力や共学の大学にはない環境をもとに、女子大への進学に向いている人の特徴を3つ紹介します。
「結局自分は女子大に向いているかわからない」という人は参考にしてください。
学業に専念したい人
共学の大学は学生の人数が多く、男女でにぎやかに学校生活を送る場合が多いですが、女子大は学生の人数が少ないうえ、校内がさわがしくなく落ち着いた雰囲気である場合が多いため、大学生活で自分の学びたい学業に専念したい人におすすめです。
教員ひとりあたりに対する学生の人数が少ないこともあり、丁寧な指導を受けやすいことに加え、ゼミでも異性の目を気にすることなく活動に専念できます。
女性向けのキャリアデザインに関係するサポートも充実しており、看護学部や児童学部など、学んでいる専門分野によっては仕事と結び付けやすくなるでしょう。
楽な人間関係を築きたい人
女子大は女性オンリーの環境でのびのびと学生生活を送れるため、異性に緊張することなく、楽な人間関係を大学で築きたい人におすすめです。
人間関係でそこまで悩まなければ、趣味や学業に力を注ぎやすくなるので、「大学生の期間は自分の趣味に全力を尽くしたい」というようなことを考えている人にも、ぴったりな進路先だといえるでしょう。
安心して大学に通いたい人
人によっては異性が怖く、異性がいる空間だと緊張してストレスを感じてしまう場合があります。
女性オンリーの環境が整っている女子大は異性を怖く感じてしまう人でも、安心して大学生活をおくることができるでしょう。
さらに女子大は女性だけの環境であることから、共学の大学よりもセキュリティが強固な場合がほとんどなので、不審者などを心配する必要もありません。
参考:【元女子大生が解説!】女子大のメリットや選び方を詳しく紹介!
女子大は本当に不人気?その理由と現状を分析
1998年の98校から2023年で73校まで減少しているなど、減少傾向にある女子大ですが、2023年度入試における入学定員割れ大学数の割合は77.1%と、共学の大学よりも多い数値であることも判明しています。
その背景には、女子大へ入学するニーズが減少していることが関係しています。
ここではなぜ女子大の人気が低迷してしまったのか、3つの観点から理由を分析します。
少子化の影響
大前提として、1980年度に比べて2023年における18歳の人口は55%減少している一方で、大学数は1.6倍まで増加しているため、受験生の奪い合いが加速している現象が発生しています。
女子大も例外ではなく、後述の理由や学費が安く、工学系など女子大にないような専攻を選べる専門学校が選択肢として一般的になっていることも相まって、1980年代よりも共学や専門学校などの他の選択肢に勝つことが難しくなっていると推測できます。
参考:77%が入学定員割れの女子大学! 人気下落の5つの理由とそれでも女子大学を選ぶメリットは?
参考:専門学校の学費はいくら?受験料、入学金、授業料の平均まで、学びたい分野別にチェック!【高校生なう】|【スタディサプリ進路】高校生に関するニュースを配信
参考:女子大学の存在意義に関する比較研究ーアメリカ・イギリス・韓国・日本一
共学志向が高まっている
昔は女性は大学に行かず結婚をし、専業主婦になる考えが多数を占めていましたが、2000年代に入ると女性の大学進学率が50%近くになり、1970年代に比べ4倍以上のパーセンテージになっているなど、女性が大学に進学する割合が高くなっていったため、共学の大学でも女性比率が増えている傾向があります。
以前は大多数が男子学生である共学が多かったことから、共学大学に通う女性はどうしてもかなりの少数派という立場になる傾向がありました。
2000年代からは女性が大学に進学する割合が高くなり、女子学生の比率が上がってきた背景もあり、共学の大学でも女性同士の関係が築きやすくなりました。
さらに、男女共同参画が求められている世の中にあって、「女性だけ」という限られた環境ではないところで、より広い視野をもって学びたいと考えている女子学生が多くなっていると推測できます。
そのため、女性生徒の間で共学志向が高まっているといえるでしょう。
参考:人口統計資料集2024
参考:77%が入学定員割れの女子大学! 人気下落の5つの理由とそれでも女子大学を選ぶメリットは?
参考:25年で98→73校 女子大は不人気? 変わる社会と受験生の意識
就職状況の変化
「令和4年度大学等卒業者の就職状況調査」によると、2011年3月大学卒業者の女子内定率は90.9%であり、就職率が年々上昇している傾向があります。
特に令和に入り、企業の働き手不足が課題になってきていることもあり、新卒の就職市場は売り手市場化が進んでいます。
そのため、女子大の「就職に強い」というメリットの強みを感じにくく、大学や学部の選択肢がより多い共学の大学を選ぶ人が増えていると推測できます。
結局は自分次第
女子大に進学するかどうかを決めるには、メリット・デメリットを把握したり、世間の評価を確認することは重要かもしれません
しかし、最終的に進路を選ぶのは自分自身であるため、女子大に行くことで自分の目標が達成できるかどうか、そして自分の価値観に女子大の校風がマッチしているかどうかを、判断基準に置くと良いでしょう。
女子大を含む、志望校の決め方に悩んでいる人は、以下の記事に有益な情報がまとまっているので、本記事と合わせてチェックしてみてください。
まとめ
本記事では女子大のメリット・デメリットや女子大に向いている人の特徴など、進路選びに役立つ情報を紹介しました。
女子大は年々減少傾向にありますが、共学の大学にはない魅力を持っていることは事実です。
自分の学びたいものや価値観が、女子大にマッチしているのであれば、進路先の選択肢として検討してみてはいかがでしょうか。

