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社会人Re受験

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社会人がRe受験して大学に行く時代

現在は社会人として活躍しながら、Re受験にチャレンジしたいと考えている人もいるのではないでしょうか。

「高校卒業後そのまま社会に出たけど、働きたい企業が大卒しか採用してなくて、大学を卒業したい!」

という人もいるでしょうし、

「したい仕事があるんだけど、それには資格が必要で、その資格を取得するには大学を卒業しなくちゃいけない。」

という理由から、社会人なって再度大学に行きたいという人もいるのではないでしょうか。

例えば、医師・歯科医師・獣医師・薬剤師などは、大学を卒業しなければ、それぞれの仕事に就くために必要な資格を取るための試験を受けることができません。

弁護士や裁判官などの法曹関係、大学教授など、大卒が必須条件ではないものの、大卒でないと現実的に就くことが難しい仕事もあります。

他にも、学校教員や幼稚園教諭などは、最低でも専門学校・短大を卒業する必要があります。

また、

「大学を一度は卒業したけど、社会人経験を積んだ今、もう一度大学で学び直したい。」

と純粋に勉学に対して好奇心を抱いている人もいることでしょう。

さまざまな動機から、大学に入りたいという社会人はいます。しかし、一般的ではないために、社会人になってから大学へ入ることに不安を抱えている人もいるでしょう。

一方、海外に目を向けてみますと、高校を卒業したのち、社会人経験をいくばくか積んでから大学に入学するという人も少なくありません。実際にOECDに加盟している国々の平均値と比較すると、社会に一度出てから大学で勉強する人の数は、日本が圧倒的に少ないことが指摘されています。

日本の小学校から大学までの学校教育の、一般的な問題の一つは、学んでいる内容が実生活につながるように教えられず、勉強する目的がわからないまま教え込まれているということだと思います。

社会人経験を積んだからこそ、大学で学ぶ学問と、社会という実戦の場につながりを見出すことができ、より深く、より意義を伴って学問を捉えることができるようになるのではないでしょうか。

加えて、Volatility(変動性)・Uncertainty(不確実性)・Complexity(複雑性)・Ambiguity(曖昧性)の頭文字からなる「VUCA時代」と称されるような、先行き不透明な時代が到来し、また「人生100年時代」も叫ばれるようになりました。

一つの企業に最後まで勤め続けるようなキャリアも定番ではなくなりつつある、そのような時代にあって、「学び直し」を促進する流れがあります。「リスキリング」や「リカレント教育」というワードも、しきりに登場するようになりました。

社会に出てから大学で学び直す社会人Re受験は、ますます一般的になってくるかもしれません!

このページでは、社会人Re受験について見ていきましょう。

社会人Re受験する際の注意点

まず、社会人Re受験する際の注意点や、考えるべきポイントなどを紹介します。

仕事との向き合い方を変えなくてはならないかもしれない

社会人Re受験を検討するなかで真っ先に思い浮かぶことかもしれませんが、今している仕事への取り組み方を変える必要があるかもしれません。

受験勉強は、多くの人にとって簡単なものではなく、時間や労力を割かれることになります。

また、いざ大学に合格したらしたで、大学の勉強などにコミットすることになります。

人によっては、仕事を辞めて受験勉強に取り組む、または大学に合格したタイミングで会社を辞めるという判断をする必要があるかもしれません。

それはそれで、収入源がなくなってしまうため、容易な決断ではないでしょう。

ただし、大学に入学したい理由や、どこの大学を志望するかにもよってくるのですが、後ほど紹介するように、社会人選抜(社会人入試)と呼ばれる制度を使えば、受験勉強の手間が軽減される可能性もありますし、夜間の授業を受けるなど履修を工夫すれば、仕事を続けながらでも大学の勉強をすることができます

一般論として、社会人Re受験をする際には、現在の仕事をどうしていくのか、考えなくてはいけません。

仕事との向き合い方を変えなくてはならないかもしれない

学費、その他の費用をどう捻出するか

先ほど述べた、「仕事をどうしていくのか」と関わってきますが、受験から大学卒業までにかかる費用をどう捻出するか、考えなくてはいけません

学費に関して言うと、国公立大学に通うのか、私立大学に通うのか、また学部によっても変わってくるのですが、4年間で、国公立大学であればだいたい250万円、私立大学であれば500万円前後、私立大学の医歯系では2,000万円以上が相場です。

(なお、通信制大学であれば、こちらも大学、学部によりますが、学費をかなり抑えることができる可能性があります。)

そこに、生活費が加わってきます。受験勉強に際して、予備校に通ったり、家庭教師を依頼する場合は、その分の費用もかかってきます。

一方、大学によっては奨学金制度などもあり、そうしたものを活用することができるかもしれません。

いずれにせよ、社会人Re受験の検討に際しては、受験勉強から大学卒業までにかかる費用をできる限り厳密に算出して、捻出方法を考えるようにしましょう。

現役生より不利

一般的な話ですが、社会人Re受験生は、現役生、または高校卒業後ギャップイヤーなしでRe受験に取り組む人よりも、不利な立場にあります。

社会人Re受験生の多くは仕事もしながら受験勉強をするわけですが、絶対的な勉強時間が現役生たちに比べて少なくなります。

また、以前は学業でよい成績を収めており、勉強に自信があったとしても、学校の勉強から離れているため、案外勉強した内容を覚えていないものです。

社会人選抜(社会人入試)を利用する場合はその限りではないのですが、一般選抜(一般入試)を通じて社会人Re受験に挑む人は、ハードルが比較的高いことを認識しておきましょう。

社会人Re受験を成功に近づけるポイント

それでは、社会人Re受験を成功に近づけるポイントをいくつかおさえておきましょう。

なかには、社会人Re受験生にかかわらず、一般のRe受験生に当てはまることもありますが、社会人Re受験生が特におさえておくべきポイントをまとめました。

大学に行く目的を明確にしておく

まず、大学に行く目的を明確にしましょう。

実際、大学に行く目的を明確にするのは、社会人Re受験生にかかわらず、他の受験生にとっても重要なことです。

目的が明確であれば、受験勉強に対するモチベーションも維持できますし、大学進学後も目的をもって勉強に取り組めるので、時間やお金を無駄に使ってしまうようなリスクが減ります。

また、先ほど述べた通り、多くの社会人Re受験生は受験勉強の時間に余裕がない人が多いです。そして、学校の勉強からしばらく離れているため、勉強の内容を思い出す必要もあります。

そうした状況にあるので、受験の勉強方法だけでなく、「どの入試制度を選ぶか」など受験の仕方から戦略的にする必要があります。

後ほど詳しく述べますが、まず大学で学ぶ形態には種類があり、通学するタイプの大学では、昼間部、夜間部、昼夜開講制、そして通学しないタイプの大学である通信制大学があります。

また、入試形態も種類があり、基本的には一般選抜(一般入試)、総合型選抜(以前はAO入試と呼ばれていました)、編入学選抜(編入学入試)、そして社会人選抜(社会人入試)があります。

大学に行く目的はさまざまだと思います。

「教員資格が欲しい。」

「就職したい企業が大学卒しか採用していない。」

「好奇心が湧きすぎて東京大学で勉強をしたい。」

その目的次第で、一般選抜しかない大学を受けなくてはならないかもしれないですし、社会人選抜を活用できる大学をあえて選んでRe受験に挑むことができるかもしれないですし、通信制の大学で費用をおさえながら、そして働きながら大学を卒業することもできるかもしれないのです。

仕事や家庭などの関係で勉強時間に制限があったり、ハンデがある社会人Re受験生だからこそ、目的を明確化して、それに沿って判断をしていくことが、より重要となってきます。

大学に行く目的を明確にしておく

隙間時間を有効活用

再三述べていますが、社会人Re受験生の多くは、勉強できる時間が限られています。

だからこそ、隙間時間を有効活用したり、効率のよい勉強をしたりする必要が、一般の受験生、Re受験生以上にあります。

「朝いつもより30分早く起きて時間をつくる。」

「通勤時間やお風呂に入っている時間、トイレ休憩の合間に勉強をする。」

「仕事中でも支障が出ない範囲で、暗記する内容を頭の中で反芻する。」

隙間を見つけようとすると、案外たくさん隙間時間が見つかるかもしれません。

そして、仕事や家庭、自身の体調に気を付けたスケジューリングを徹底しましょう。

なお、このスケジュール管理については、一般の受験生、Re受験生よりも、社会人経験を積まれた人の方が、分があるでしょう。

予備校などを利用する

社会人Re受験生は、社会的に多いわけではなく、そういった人々に向けたサポートを提供しているところはないのではないかと思っている人もいるかもしれません。

しかし実際には、社会人のRe受験に詳しく、サポートしてくれるような塾や予備校などはあります

また勉強に関しても、今はオンラインで受けられる講座も充実してきているので、そうしたものを活用するのも手です。

そういったサポートを利用することで、限られた時間のなかで、勉強の効率をアップさせることもできると思います。

職場や家族の理解を得る

可能な限り、職場や家族には社会人Re受験したい旨を打ち明けて、理解を得られた方がよいです。

隠しながら社会人Re受験に取り組むと余計なことに気を遣う必要もあるでしょう。

反対する意見があるかもしれませんが、その反対理由を確認するなどして、双方が納得できる方向性を見つけられるよう努力しましょう。

職場に社会人Re受験をしたい旨を伝えると、時短勤務や残業を減らしてくれるなどのように計らってくれる可能性もあります。

もちろん、職場や家族との関係性にもよるのですが、できれば職場や家族の理解を得られるように努めましょう。

自分に適した形態の大学を選ぶ

大学には、大きく分けると通学制の大学と通信制の大学とがあります。また通学制の大学に関しては、授業が実施される時間帯に応じて、3分類あります。

社会人Re受験をする目的に照らし合わせたうえで、入試形態などその他の観点も考慮しながら、自分に適した大学、受講タイプはどれか、検討してみてください。

大学、受講タイプによっては、仕事を続けながら大学に通うことができたりもします。

〇通学制大学

・昼間部

朝から夕方の時間帯に授業を開講しています。いわゆる、一般的な「大学生活」というのは、昼間部になります。

授業の取り方次第では、仕事も継続できる可能性はなきにしもあらずですが、基本的には仕事との両立は難しいです。


・夜間部

夕方から夜の時間帯に授業を開講しています。昼間部と異なり、仕事との両立は比較的しやすいです。実際、「大学で学びたいけど仕事をしてお金を稼ぐ必要もある」というような人たちのために設置されたという経緯もあります。

授業のコマ数は少なくはなるのですが、講義の内容自体は昼間部と差がありません。

入学の難易度が昼間部と比較して下がる傾向もあり、また、全大学ということではないですが、学費も昼間部より安いことが多いみたいです。

なお、昼間部のような一般的な「大学生活」を送れない可能性があるというデメリットもあります。

夜間部を廃止し、昼夜開講制(下記)を代わりに導入する大学も増えています。


・昼夜開講制

昼間、夜間の双方にまたがった時間帯で授業を開講しています。また、夜間を授業受講のメインの時間帯としながらも、昼間の授業も受講できる「夜間主コース」が設けられている大学もあります。

昼間の授業と夜間の授業を柔軟に組み合わせて、自分のライフスタイルに沿った時間割を組むことができ、仕事と学業の両立ができる可能性があります

〇通信制大学

テキストを用いた授業や、インターネットで動画を視聴する授業がメインの、通信制大学があります。
(通学しての対面授業の受講も必要となる大学もあります。)

学費が安い、入学試験がないことが多く大学に入りやすい、自分のタイミングで受講できる、などのメリットもあります。

卒業できれば、大卒という学歴を得られ、また例えば教員免許など、取得できる資格もあります

通信制大学

試験の種類

大学に入るために、社会人Re受験生が受けることのできる、試験の種類について見てみましょう。

これまた、大学進学の目的によりますが、社会人Re受験生がより合格しやすい試験制度を設けた大学や学部もあり、試験の方式をもとに、社会人Re受験を成功させられる戦略を立てることができます。

試験内容や出願条件、手続きの流れ、時期などは大学、学部によって違いますし、下記に紹介する選抜方式を採用していない大学、学部もありますので、ご自身でよく調べるようにしてください。

・一般選抜

大学試験で一番主流なもので、学力一本で合否が決まる試験方式です。高校現役生や、高卒後そのままRe受験にチャレンジしている人たちと競うため、社会人としては不利になりやすいです。

しかし、一般選抜しか設けられていない大学、学部もあるので、Re受験する目的によっては、一般選抜を受けざるを得ない可能性も大いにあります。


・総合型選抜

従来は「AO入試」と呼ばれていたものです。大学側が求める学生像と、受験生の人物像がマッチしているのかを総合的に評価する試験方式で、一般的には提出書類の審査と、面接や小論文、プレゼンテーションやグループディスカッションなどが課せられたりします。

社会人を対象に総合型選抜を設けている大学もあり、これまでの社会人としての経験や、社会人生活で培ってきた能力などをアピールすることもできます


・編入学選抜

編入学とは、短大や高等専門学校などの卒業者、一定の単位を取得したうえで大学を中退した人などが、4年制大学に1年次ではなく、2年次、3年次から入学できる制度です。以前修得した単位を活かすことができ、2年間や3年間で4年制大学を卒業することができます

一般的な試験内容は、筆記試験、小論文、面接などが課されます。

社会人を対象にした「社会人編入学選抜」を設ける大学も増えてきているようで、通常の編入学選抜とは違い、社会人編入学選抜では筆記試験が免除され、書類審査、面接、小論文などが課されることが多いようです。


・社会人選抜

対象が社会人に限定された選抜方式で、社会人が受けやすいように配慮がされています。内容も学力試験が免除されていることがほとんどで、面接や小論文、書類審査メインに選抜がなされます。

年齢や社会人としての勤務年数などが出願条件に挙げられます。

「自分がなぜその大学、学部に入りたいのか」といった志望動機、社会人としての経歴が重視され、社会人Re受験を利用すれば、大学に合格できる可能性が相対的に高いでしょう。

なお、ここで紹介したのは通学制大学の入試制度です。通信制大学に関しては、入学試験が設けられておらず、書類審査のみというところがほとんどです。全ての通信制大学がそうというわけではないですし、検討している通信制大学があれば、ご自身でご確認ください。

まとめ

以上、社会人のRe受験について見てきました。

大学に進学する目的を明確に持ったうえで、試験の方式や大学・学部の授業時間帯タイプなどを考慮して、目的に一番合った社会人Re受験の仕方を検討してみてください。

社会人になってRe受験することは、まだ世間一般のことではないですが、社会人の人たちが大学で改めて勉強できるような環境が徐々に広がっていることは事実です。

社会人Re受験をしている芸能人の方がニュースで取り上げられたり、またはバラエティー番組などで芸能人の方のRe受験の様子に密着するような企画があったりしますが、社会人になっても大学にRe受験したいという人たちは、結構います。

そして、社会人Re受験に挑み、見事第一志望の大学に合格する人もいます

もし、社会人Re受験してでもチャレンジしたい人生における目的があるのでしたら、一歩踏み出して、それに向かって突き進むことを応援します。

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