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Re受験の成功確率

Re受験

確率に惑わされない

このページを読んでいる人のなかには、

「Re受験して第一志望の大学を目指すべきか、第一志望じゃないけど現役で受かった大学に行くべきか悩んでいる。。」

「Re受験することは決まったんだけど、これからの先行きが不安だ。。」

「まだ受験は先の話だけど、受験する全部の大学に落ちてしまうこともあるし、Re受験について考えておきたい。」

という人や、またそのようなお子さんをお持ちの親御さんも多くいることと思います。

このページでは、Re受験した結果成功できるのかどうかの確率について紹介しています。

しかしその前に、一つ理解しておいていただきたい、大事なことを先にお伝えしたいと思います。

それは、

Re受験における「成功確率」はあくまでも参考情報でしかない

ということです。

世の中では、“確率”という考え方を上手く使いこなして、判断を下したり、意思決定したりすることは、確かにあります。

しかし、確率は絶対的なものではないですし、確率を見ただけで行動を左右されてはいけません。確率は参考にだけして、自分の意思決定の材料にもできますが、計画を立てたり物事を進めるときに考慮するべきものであり、確率にコントロールされてはいけないと考えます。

つまりは、

「Re受験の成功確率は低いみたいだから、Re受験しないでおこう。」

とか、

「Re受験したら第一志望にいける確率が高いからRe受験しよう。」

と、安易に判断しない方がよいということです。

「Re受験」に関して言うと、Re受験にチャレンジする“人”というのは、成長し変わり続けるものなので、Re受験期間にどうするかで結果が大きく変わります。

例えば、現役時代は勉強の成績が伸び悩んでいたとしても、Re受験期間に自分にフィットする勉強教材や教師、塾に出会えたり、自分で試行錯誤して自分に向いた勉強手法を編み出せたりすることで、勉強の成績が急激に伸びることもありえます。

またその反対に、現役時代はあと一歩のところで第一志望の大学に落ちてしまい、学力的にはほぼ合格できる水準にあったとしても、Re受験期間で怠けてしまい、勉強の成績を落としてしまうこともありえるわけです。

また、「受験当日に自分が得意な問題が出題された」、もしくは、「苦手な問題が出題された」など、挙げだしたらきりがないのですが、それだけ不確定な要素が多く、そして不確定な要素の影響が大きいのが、「Re受験」なのです。

Re受験の全体的な成功確率と、個人個人が第一志望の大学に合格できるのかどうかは、別の話なのです。

もし、「第一志望の大学を諦めきれない」というような想いがあるのでしたら、その想いを大切にされた方がよいと思います。

「Re受験の成功確率」についてこのページで述べていますが、それはRe受験の実態をつかむため、そして適切な心構えをつくるための、あくまでも一つの参考情報として、ぜひご覧ください!

確率に惑わされない

Re受験生の数

Re受験で成功できる確率を見る前に、そもそもどれくらいのRe受験生がいるのかを簡単に見てみましょう。

文部科学省の行う統計調査の一つである、「学校基本調査」によると、令和4年度の大学入学者数は、計635,156人でした。

そして、そのうち18歳での大学入学者数が514,637人、19歳以上での大学入学者数が120,469人でした。なお、17歳以下での大学入学者数は50人でした。

Re受験生の数を正確に調べた調査結果はなく、19歳以上での大学入学者のなかには、例えば小学校・中学校・高校時代に留学をしていて1年以上進学が遅れ、大学には高校卒業後現役で入学した人などもいるかもしれませんが、ここでは考慮せずに「19歳以上の大学入学者数」をRe受験生の数とすると、

現役生の割合が約81%、Re受験生の割合は約19%

となります。

(年齢に関しては、令和4年5月1日時点のもので、19歳の大学入学者数のなかには、現役で合格したものの、4月30日までに誕生日を迎えた人も少なからずいると思いますが、ここでは考慮せずに算出しております。)

以前は、Re受験生の割合は30%から40%近くにまでなることもありましたが、ここ数年は20%程度で推移しています。

また、19歳~21歳までの大学入学者数を年齢別に見てみますと、以下のようになっています。

19歳:94,204人
20歳:14,599人
21歳:5,060人

1回のRe受験で大学入学する人(94,204人)が、Re受験する人(120,469人)の中の約78%を占めています。

Re受験1回の人がRe受験生全体のほとんどを占め、Re受験2回以上となると著しく人数が減るのは、例年の傾向です。

ちなみにですが、Re受験生の数は減少傾向にあります。背景としては、少子化、また大学数の増加が主要因と考えられていますが、Re受験にかかる費用を捻出できないほど経済的に逼迫している家庭が増えているのではないかということもいわれています。

難関大学に関する
Re受験合格者数の割合

ただ、ここで注目すべきポイントがあります。

それは、東京大学や京都大学などの旧帝国大学や、早慶上理(早稲田大学、慶応義塾大学、上智大学、東京理科大学)、MARCH(明治大学、青山学院大学、立教大学、中央大学、法政大学)などの私立大学といった、難関大学に絞って見てみると、Re受験で入学した人の割合が比較的大きいのです。

実際に、東京大学、京都大学、慶應義塾大学、早稲田大学における、合格したRe受験生の割合を見てみましょう。

※Re受験生の割合は、全体割合100%から、現役で合格した人の割合を引くことで算出しております。
※入試の年度について、西暦と和暦が混在していますが、各大学の表記に準じています。

東京大学

令和4年度入試(2022年実施)で東京大学に合格したRe受験生の割合は、28.1%でした。

科類によりRe受験生の割合は異なりますが、理科二類に関して言うと、合格者のうち39.1%がRe受験生という結果になっています。

京都大学

令和5年度入試(2023年実施)で京都大学に合格したRe受験生の割合は、31.8%でした。

同じく、学部学科によりRe受験生の割合は異なりますが、医学部人間健康科学科に関しては、合格した人のうち39.8%がRe受験生でした。

慶応義塾大学

2023年度入試(2023年実施)で慶応義塾大学に合格したRe受験生の割合は、30.1%でした。

学部によりRe受験生の割合は異なりますが、経済学部 A方式に関しては、合格者のうち34.3%がRe受験生でした。

早稲田大学

2022年度入試(2022年実施)で早稲田大学に合格したRe受験生の割合は、24.6%でした。

これまた学部によりRe受験生の割合は異なりますが、人間科学部に関しては、合格した人のうち42.5%がRe受験生という結果になっています。

先ほど述べたように、Re受験生の割合は全体で約19%でしたが、こうした難関大学に関しては、Re受験生の割合が平均よりも高いということになります。

難関大学に関するRe受験合格者数の割合

一般的な成功確率

それではここから、Re受験の成功確率について見ていきたいと思います。

「成功」と言っていますが、このページでは「第一志望の大学に合格できること」と「現役時よりもよい大学に合格できること」と定義し、Re受験をした結果第一志望の大学に合格できる確率、現役時よりもよい大学に合格できる確率を紹介します。

ここで、あえて“定義”と言っているのは、「成功」というのは人によってさまざまだからです。

Re受験に関して言えば、「第一志望の大学に合格できる」ことを「成功」と捉える人もいれば、他にも、

「現役時に志望していた大学よりもランクが上の大学であればどこでもいいから、合格できれば成功」

「ただ単に第一志望の大学に合格できたらいいのではなくて、第一志望の学部に合格できなければ成功ではない」

「東京にある大学に入学できれば成功」

と、人によって「成功」とはいろいろなのです。

このように、“成功”の定義がたくさんある中で、ここでは、「第一志望の大学に合格できる」確率と、「現役時よりもよい大学に合格できる」確率について紹介します。

まず、「第一志望の大学に合格できる」確率から。

データに裏付けられた正確なものではないのですが、一般的には第一志望の大学に合格できる確率は10%といわれています。

言い方を換えると、Re受験生のうちの10人に1人が第一志望の大学に入学しているということになります。

一方、とあるアンケート調査によると、第一志望の大学に合格する確率は43%という結果が出たそうです。
参考:浪人の成功率・合格率は?大規模調査をして驚きの事実が判明! (goukakukippu.com)

また、「現役時よりもよい大学に合格できる」確率は、これまたしっかりとしたデータに基づくものがあるわけではないのですが、20%といわれています。

ちなみにですが、先ほど触れた京都大学に関しては、Re受験生の受験志望者数が公表されています。それをもとに考えてみると、令和5年度入試のRe受験志望者数が2,317人で、Re受験合格者数が858人なので、約37%のRe受験生が合格できている計算になります。

もちろん、共通テストなどで失敗したり、学力が伸び悩み、途中で志望校を変えた人もいるかもしれませんが、「Re受験して成功する人の割合」に関する情報として、参考にできると思います。

「Re受験すれば“必ず”学力があがる」というのは、誤り

以上、Re受験生の成功確率を見てきました。

Re受験による第一志望合格確率や、Re受験してよりよい大学に合格できる確率に関しては、確実に正しいというような、明確な根拠をもって算出された情報はありません。

ここで紹介している確率を、どのように解釈するかは、このページをご覧になっている皆さんに委ねますが、

「Re受験すれば余裕で第一志望の大学に入学できる!」

「Re受験すれば絶対学力が上がるからよりよい大学に行ける!」

というような、甘いものではないことは確かです。

その事実に気づけたことは、悲しむべきことではなく、むしろ気を引き締めて、正しい心構えをもってチャレンジできるわけなので、有益な情報だと思います。

ネガティブに考える必要は絶対にないのですが、

「これでもまだ足りないかも。もっと改善できる。もっと学力を上げられる。」

謙虚に、前向きに勉強を続けることで、自分自身の成功確率は高めることができます

「Re受験すれば“必ず”学力があがる」というのは、誤り

“成功”を定義する

このページですでに触れていることですが、“Re受験で成功する”と言っても、

「どうすれば成功なのか?」

と、その定義は、人それぞれです。

このページを読んでいるRe受験生、また、Re受験を考えている人には、

「Re受験をしてどんな結果になったら成功なんだろう?」

と、「“成功”の定義」をぜひ考えてほしいです。

現役のときに行けなかった志望校に合格すれば成功という人もいるかもしれませんし、現役のとき目指していた大学よりもよい大学に合格できれば成功という人もいるでしょう。

「結果はどうであれ、Re受験にチャレンジできれば後悔ないから、1年全力を出せたら成功だ!」

と、考えている人もいるかもしれません。

“成功”を自分で定義できていると、判断の軸がぶれにくくなったり、行動のモチベーションにつながったりします。

そして、自分にとっての“成功”を定義するということは、大学に入学してからも、社会に出てからも、人生のいたるところで役に立ってきます。

周りの人や社会一般が語っている“成功”に振り回されないで、自分で“成功”が何かを決めて、それに向かって進んでいくことで、充実した豊かな人生になると思います。

これを機に、これからの人生に向けた練習として、Re受験における“成功”が何かを、考えてみてください。

まとめ

以上、Re受験の成功確率や、Re受験生の割合、少し関係のある大事な考え方について見てきました。

このページの冒頭でも述べているように、成功確率とは決定的な判断材料ではありません。

一般的な成功確率がどうであれ、個人個人に関しては、その人が適切な努力を積めるかどうかが、Re受験に成功できるかどうかのカギになってきます。

「成功確率がそこまで高くないから、Re受験はしないでおこう。」

と、短絡的に判断してしまうことは、おすすめしません。

後悔しない選択は何かを考え、それを達成することは多少難しかったとしても、「どうすればできるのか」と前向きに考えて進んでいくことが大切ですし、そのような生き方は今後の人生にも響いてきます。

このページの情報を参考にしていただき、Re受験にチャレンジする人は、正しい心構えをもって挑みましょう!

皆さんの努力次第で、確率なんて、いとも簡単に覆すことができます。

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