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Re受験したら就職に不利?実際のところはどうなのか紹介します!

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Re受験したら就職に不利?実際のところはどうなのか紹介します!

大学受験が人生の全てではありませんが、多くの高校生にとって、大学受験はそれまでの人生のなかで1番の難関であり、その結果に重きを置いています。

受験・進学する大学によって就職活動やその後の人生が少なからず左右されるのは事実です。

そして、希望する大学に現役時代に合格できず、Re受験をすることになった学生のなかには「Re受験をすることで就活に悪影響が出るのではないか」と不安に思う人もいるのではないでしょうか。

Re受験をするということは、何かしらの理由で大学受験に「失敗」したと捉えることもできるので、その失敗経験が悪影響を及ぼしてしまうのではないかと考えるのは自然なことかもしれません。

この記事では、現在大手の個別指導塾の管理職として働いている筆者が「Re受験が就活に与える影響」について紹介します。全てのRe受験生、Re受験を検討している受験生にとって必見の内容なので、ぜひご覧ください。

Re受験が就活に与える影響

Re受験が就活に与える影響

Re受験が就活をする際に与える影響は少なからず存在します。

それでは早速、Re受験が就活に与える影響や実際にRe受験を経験した人の就活体験談を紹介します。

企業のRe受験生に対する見解

文部科学省の令和4年度「学校基本調査」によると、大学入学者の総数は635,156人ですが、その中で19歳以上の入学者は120,469人とされています。

この数値を見ると、約19%の人がRe受験をしていることが分かります。Re受験をすることは全く珍しいことではないのです。

そして、私は教育業界の仕事に携わっており、大学の就活アドバイザーともお話をすることがあるのですが、Re受験をしたことに対してマイナスな印象を抱いている企業はかなり少ないようです。

そのため、企業としてもRe受験をしたからといって、採用の際に不利に扱うようなことはほとんどないでしょう。

特に、1回や2回のRe受験の場合では、就活で不利に扱われる可能性は限りなく0に近いでしょう。

ただ、あまりにもRe受験の回数が多すぎると「受験勉強にしっかりと向き合っていなかったのではないか?」と思われてしまう可能性もあります。そのため、複数回数Re受験をしている人は、その理由を聞かれたときにしっかりと答えられるようにする必要があるかもしれません。

安心していただきたいのは、「複数回Re受験をしている」ことが理由で即座に就職活動で不利になることはないということです。

強いて言えば、社員募集に際して多くの企業は「最終学歴卒業から◯年以下」「30歳以下」などのように、大学を卒業してからの年数や年齢に制限を設けていることがあり、あまりにも多くの回数Re受験をしすぎて就活のときに年齢制限に引っかかるという可能性はゼロではないです。

しかし、“あまりにも多くの回数Re受験をしたとき”の話です。

「Re受験したから就活が不利になるかも」と不安になる必要はありませんので、Re受験をしている人は、就活については安心して受験勉強に臨みましょう。

参考:e-Stat, 学校基本調査(令和4年度), 表14

Re受験経験者の実際の就職活動体験

ここでは、Re受験経験者の就職活動の体験談として、私の友人Tさんの話を紹介します。

現役受験生時代のTさんは、部活動やアルバイトに時間を使いすぎるあまり、受験勉強に集中することができませんでした。そのため、第1志望の大学に進学することができず、やむなくRe受験をする形になりました。

彼は家庭の経済的な事情で予備校や塾に通うことができず、大学の受験料や入学金も自分で賄わないといけなかったことから、Re受験をしつつも毎朝アルバイトをしていました。

多くの受験生は1日のほとんどの時間を勉強に費やしているなか、Tさんは大切な勉強時間を削ってアルバイトをしているわけですから、志望校の合格争いでは相当不利だったに違いありません。

しかし、アルバイトまでの移動時間や休憩時間も勉強に充てるなどして、徹底的に勉強時間を確保するようにした結果、Tさんは予備校にも塾にも通わずに、第1志望の大学の合格を掴み取ったのです。

このRe受験の体験はTさんにとってとても大きな財産となり、就職活動でもこのエピソードを交えて自分自身をアピールした結果、誰もが知るような大手企業への内定を複数獲得しました。

このように、Re受験の経験は就職活動において不利にならないだけではなく、かえって自分の強みとしてアピールできるようにもなるのです。

社会人となった現在も、Tさんは「Re受験は自分にとって必要な経験だった。あの経験がなかったら今の自分はない。」と話しています。

Re受験をすると生涯年収が下がる可能性がある

ただ、1つだけ注意したいのは、Re受験をすることで生涯年収が下がる可能性があるということです。Re受験をすることで、その分大学入学・卒業が遅れるわけですから、定年退職の年齢まで働ける年数が減ることになります。

そのため、大学卒業してから定年退職まで同じ会社で働き続けると仮定した場合は、Re受験を経験している人の方がその分だけ働ける年数が減るため、それに応じて収入も減ることになります。

令和3年に国税庁から公表されている「民間給与実態統計調査」によると、35年以上継続して勤務している人の平均年収は577万円とされています。そのため、「Re受験を1回することで、577万円生涯年収が下がる可能性がある」と考えることもできなくはないです。

もちろん、現在は働き方が多様化しているので、一概に「Re受験をすることで生涯年収が下がる」と断定することはできません。

間違いなくいえることは、現在の定年退職の年齢である65歳まで働くと仮定した場合、Re受験をした分だけ「働く年数が減ること」です。

ただ、現在は65歳が定年退職年齢とされていますが、それが将来変わる可能性もあります。働き方も「正社員として定年まで働く」ことが現在は多数派ですが、それが変わる可能性があります。

そのため「Re受験をしたから生涯年収が下がる」と決めつけるのではなく「もしかしたら働ける年数が減る可能性がある」と考えておきましょう。

参考:民間給与実態統計調査(令和3年),20p

学歴と収入の相関とその理由

学歴と収入の相関とその理由

Re受験をする人の多くは、現役時代には合格できなかった偏差値の高い大学へと合格することを目標としているでしょう。また、少しでも偏差値の高い大学へと進学する理由の多くは「大手企業へと就職できるようになって、収入が増えるから」ではないでしょうか?

結論から言うと、偏差値の高い大学を卒業しても、大手企業への就職は全く保証されません。

しかし、卒業する大学の偏差値が高い方が「収入が高くなる傾向にある」ことはさまざまな調査の結果から明らかになっています。

例えば、日経転職版が2022年12月に発表した調査によると、卒業大学別の平均年収ランキングは以下のようになっています。

1位 東京大学(1072.7万円)
2位 一橋大学(1052.5万円)
3位 東京工業大学(1003.4万円)
4位 慶應義塾大学(999.1万円)
5位 京都大学(949.5万円)
6位 早稲田大学(920.1万円)
7位 神戸大学(907.5万円)

このように、上位の大学には超難関の大学が並んでおり、偏差値の高い大学を卒業する方が、平均年収が高くなる傾向があることがわかるでしょう。

もちろん、これはあくまでも「傾向」であり、これらの大学を卒業した全ての人がこうした年収を得られるようになるわけではないことに注意してください。

ではなぜ、偏差値の高い大学を卒業している人の方が平均収入が高くなる傾向があるのでしょうか。

それは、そうした人たちは就活において重要な「基礎学力」「論理立てて話をする能力」の水準が高い傾向があり、大手の企業へ就職しやすくなるからです。

しかしこの2点は、決して偏差値の高くない大学に進学した場合でも、トレーニングで磨いていくことができます。

仮にあなたが偏差値の高くない大学に進学したとしても、努力次第では難関大学の人たちと同じかそれ以上の存在感を就活市場で放つことができるようになるのです。

よく「大切なのは大学に入学してからだ」といわれますが、その理由はここにあります。

そのため、現在Re受験をしている人は「偏差値の高い大学に行かないと大手企業に就職できない」「高い年収を獲得できない」と思い込まないようにしましょう。

就活においてより大切なのは「卒業する大学の名前」ではなく「大学在学中に何をするか」です。

参考:日経転職版,【連載 その希望年収、適正ですか?】大卒年収調査2022年版 出身大学別編,平均年収1000万円を超えたのは東大、一橋、東工大

Re受験生が就職活動でアピールできるポイント

Re受験生が就職活動でアピールできるポイント

Re受験が就活において不利にはたらく可能性が限りなく低いことはここまで紹介した通りです。むしろ、上記で紹介したTさんのように、Re受験の経験が自分の強みとなって、就活で活躍してくれる可能性もあります。

そこでここでは、Re受験の経験を就活で自分の強みとしてアピールできるポイントを紹介します。

粘り強さ・根性

1度の失敗から立ち直り、再度挑戦することは容易ではありません。

Re受験という選択をしたこと自体が、あなたの目標に対する強い意志や情熱を示しています。この粘り強さや根性は、ビジネスの現場でも、困難な状況に直面した際に持ち堪える力や継続的な努力ができる素質として評価されるでしょう。

さらに、Re受験をした結果、第1志望として設定した大学に合格した経験もある場合は、粘り強さや根性以外にも「成功するまで諦めない精神」も評価してもらいやすくなるので、積極的にアピールしましょう。

分析能力・問題解決能力

Re受験期間中に自分の弱点や不足点を正確に捉え、それを改善するための努力をしたという経験は、あなたの分析能力のアピールにつながります。

ビジネスにおいて、分析能力の高さはかなり重要な要素です。

現在世の中では、次から次へと新しい技術が登場しており、人々の趣向も目まぐるしく変化しており、ビジネスの世界はこれまでに類を見ない速さで変わり続けています。企業も、他の会社と差別化をするために、多くのデータを集め、市場について調査をし、そうして得られるさまざまな情報を元に判断を下します。

この情報を上手に読み解く力、つまり分析能力があると、情報の海から役立つ情報を見つけ、それらを組み合わせて適切な解釈をし、新しい戦略(例えば、新しい商品の企画や広告キャンペーンを打ち出すなど)を考えられるようになります。

そして、ビジネスでは思いもよらない問題が頻繁に発生します。突然の商品の不具合やSNSでの悪い評判など、挙げだしたらきりがありません。これらの問題の原因を正確に特定し、解決に導くためには、情報をきちんと分析する力が必要です。

そのため、Re受験を経て鍛えたこの分析能力は、将来、仕事を探すときの強みとしてアピールできるのです。

また、問題を分析することだけではなく、

「分析した問題をどのような道筋で解決すべきなのかを考え、実際に問題に取り組んで、目標を達成する」

このような形でRe受験中に自分の抱えている問題を解決し、目標達成へと導くことで鍛えた問題解決能力は、ビジネスの場においてとても活躍してくれます。

どのような問題点に対してどのように対処して解決したのか、具体的に自分の思考のプロセスを言語化してアピールすることで、良い印象を持ってもらいやすくなるでしょう。

時間管理能力・計画遂行能力

Re受験期間という限られた時間の中で、第1志望の合格を掴み取る競争に勝ち抜くための計画を立てることは容易なことではなく、高い時間管理能力が求められます。

また、実際に計画を立てることはできても、それを計画通りに遂行し、仮に計画通りに行かなかった場合に、軌道を修正することも、同じく容易ではありません。

受験本番までの自身に残された時間を管理する能力や、作成した計画をその通りに遂行して適宜修正する能力は社会人として働くなかでとても重要な能力です。

特に時間管理能力は社会人にとっては必須の能力です。大学に入学する前からこの能力が備わっていることがアピールできるのは、就活において有利に働きます。

Re受験の経験を話すなかでこれらの能力をアピールできれば、企業の人たちからは高い評価を得やすくなるでしょう。

まとめ

今回はRe受験と就活の関係について紹介しました。

結論として、Re受験をしたからといって、就活で不利になることはほぼありえません。Re受験をしたことに対してその理由をしっかりと話すことができれば、企業がマイナスな印象を抱くことはほとんどないでしょう。

むしろ、紹介したTさんのようにRe受験の経験を自分ならではの強みとしてアピールすることで、大手企業への内定を獲得できる可能性もあります。

実際にRe受験の経験を就活で使用する際には「粘り強さ・根性」「分析能力・問題解決能力」「時間管理能力・計画遂行能力」などをメインにアピールできるでしょう。

また「卒業する大学が就活に大きな影響を及ぼす」と多くの大学受験生が考えています。事実として卒業する大学と平均年収に相関はあるものの、偏差値の高い大学を出たからといって高い年収を得られることが約束されているわけではありませんし、偏差値の高い大学を出たわけでなくても、その後の努力次第で高い年収を得られることもあります。

もちろん、第1志望に合格することを目標にしてRe受験勉強をすることは素晴らしいことです。しかし、大学受験が人生のゴールではありません。

納得の行く就活をしたいのであれば「どのように大学時代を過ごすか」の方が大切であることを、覚えておきましょう。

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