RE受験バイブル

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Re受験生の支え方

Re受験

“大学”がゴールではない

「子どもがRe受験しているんだけど、どうやって支えてあげればいいんだろう。。」

「本当にRe受験に成功できるのかな?」

そのように悩んでいる、お父さんやお母さんをはじめとした、Re受験生と一緒に暮らしているご家族の人もいるでしょう。

Re受験に挑んでいる当の本人も、精神的にストレスを抱えていることが多いですし、「成功しなくちゃいけない」と重圧を感じている人もいます。そのような状態にある人には、どう接すればよいのか、大変気を遣うことかと思います。

このページでは、そのようなRe受験生をどう支えればよいのかについて、紹介します。

このページのメインの対象は、Re受験生のご家族の人や、Re受験生を近くで支えている周りの友人や先生方にはなりますが、Re受験生の皆さんも、読んで役に立つ情報があれば、一緒に生活している人に共有できるかと思います。

また、Re受験生を支える人たちだけでなく、Re受験生本人にも当てはまる情報や、大事なポイントも紹介しているので、Re受験生本人であっても、このページをぜひご覧ください。

それでは、「Re受験生の支え方」を見ていきますが、本題に入る前に、一つ大事なことを念押ししたいと思います。

それが、

“大学”がゴールではない

ということです。

これはRe受験する本人、Re受験生を支える人両方に当てはまることですが、

「大学に行くことが人生のゴールではない」

ということを認識しておく必要があります。

「そんなの当たり前のことでしょ」

と思われる人もいるでしょうが、いざRe受験勉強に専念しようとすると、視野が狭まってしまい、

「第一志望の大学に行くことが人生のすべてなんだ!」

となってしまいがちです。

別に、大学受験を軽視しているわけではありません。

しかし、大学というのは、これからの輝かしい人生の一部分にしか過ぎません。

「人事を尽くして天命を待つ」

このような言葉があります。

もともとは中国で生まれた言葉ですが、「できる限りのことはしたうえで、結果は天の意思に任せ、その結果を受け入れる」という意味です。

Re受験に置き換えると、

「Re受験期間中はできる限りの努力をします。できることはしたのだから結果はどうであれ後悔せずに、その結果を受け入れて、引き続き前向きに人生を進むべき。」

ということです。

もしRe受験で望ましくない結果に終わったとしても、大学に行くことがゴールではなく、その先の人生で全力を出せば、新しい道が拓けていくということを、忘れないでください。

また、「“大学”がゴールではない」わけなので、大学へ行った先に、

「どんなことをしていきたいのか?」

「どんな生活を送っていきたいのか?」

「どんな仕事に就きたいのか?」

「どんな人になりたいのか?」

というような、Re受験に成功した先のゴールについて、Re受験生を支える人たちと、Re受験生本人との間で共有できているとよいです。

同じゴールを共有できていると、話し合いや相談をするときに、建設的な会話をしやすくなるのです。

例えば、勉強に精を出せていないRe受験生に対して、頭ごなしに、

「勉強しなさい!」

と言うだけでは、ぶつかり合いの喧嘩になってしまいがちですが、

「志望校に行って将来海外で働きたい(ゴール)と言ってたけど、勉強は順調?」

というように話しかければ、今ある問題をRe受験生が打ち明けてくれたり、ゴールに近づくような方法を話し合えたり、前向きに話を進めやすくなります。

Re受験生が、Re受験生のサポーターに何を求めているのかも、話しやすくなるかもしれません。

また、大学のその先のゴールについて話し合うことは、モチベーションアップにもつながったり、「志望校へ合格する」というゴールの達成確率を上げることにつながったりします。詳しくは当サイト「Re受験生の志望校の決め方」のページでも紹介しているので、ぜひご覧ください!

Re受験生を支える人とRe受験生の間で、Re受験生本人の“大学のその先のゴール”について共有し合いながら、「“大学”が人生の全て」ではないということを胸に刻んで、一緒にRe受験にチャレンジすることが大切です。

そしてRe受験生本人の皆さんも、“大学へ行ったその先のゴール”について、考えるようにしましょう!

“大学”がゴールではない

Re受験生を支える人
たちの基本姿勢

Re受験生、そして“人”は、1人として全く同じ人はいません。

そのため、「どのRe受験生にもこう接すれば大丈夫!」などという魔法の技みたいなものがあるわけではありません。

しかし、Re受験生と接するうえで、パフォーマンスを発揮してもらうために、科学で効果も実証されており、広く多くの人に当てはまるポイントをおさえておくことは重要です。

支える相手の性格や特徴、置かれている状況に合わせたうえで、ポイントをおさえたアプローチができるとよいと思います。

また、「Re受験生の支え方」について紹介しますが、それは「人の支え方」または「人の育て方」と捉えたとしても、共通するところがたくさんあります。したがって、ここにある情報を生活、人生のいろいろな場面で活かしていただけたら嬉しいです。

それでは、Re受験生をどう支えていけばよいのか、見ていきましょう。

期待する

まず最重要なのが、「期待する」ということです。

Re受験したからといって、第一志望の大学に行けるかはわかりませんし、不安や心配はあるでしょう。

人によっては、

「うちの子だからそんな大学に行けっこない。。」

などと言ってしまった人もいるかもしれません。

期待してもその通りには行かなくて傷ついてしまうのを避けるために、「期待しない」という行動をとる人もいるのかもしれません。

ある程度学力もあり、「現役のときにはあと一歩のところで落ちてしまった。。」ということなら、期待もしやすいかもしれません。

しかし、ここでポイントなのは、

Re受験生の現状がどうであれ、期待する

ということなのです。

現在の学力と志望校合格に必要な学力とがすごくかけ離れていたとしても、期待するのです。

「期待できそうな事実があるから、人って期待できるんじゃないの?」

と思う人もいるかもしれませんが、

「期待されるから努力ができ、その結果として成功できた!」

ということもあるのです。

「にわとりが先か卵が先か」という話に似ているかもしれませんが、人を支えるのに“期待”は必須なのです。

そして“期待”のすごさは、教育心理学では「ピグマリオン効果」というもので認められています。

「ピグマリオン効果」とは、アメリカの教育心理学者、Robert Rosenthal(ロバート・ローゼンタール)氏が提唱したもので、「人から期待されることで、パフォーマンスが向上する」というものです。

「あなたはもっと学力が伸びるよ!」と期待されることで、本当に学力が伸びていくということです。

「期待されたから成功した」という因果関係を100%証明することは難しいのですが、名前が広く知られている世界の偉人で、まだ実績がないにもかかわらず、親や周りの人たちから期待や信頼を得ていた人はたくさんいます。

小学校を中退した発明家のトーマス・エジソン、視覚・聴覚の障害を抱えながらも社会活動家として活躍したヘレン・ケラーなどはよい例でしょう。

まず、Re受験生を、根拠がなかったとしても、期待する、信じることから始めましょう

自己成就的予言

ここで、心理学の用語である「自己成就的予言」というのを簡単に紹介します。

これは、どちらかというとRe受験生本人に向けた話になります。

「自己成就的予言」とは、英語では“self-fulfilling prophecy”というのですが、「根拠などがなくても、人が何らかの思い込みを持っていると、その通りの結果になってしまう」というものです。

思い込みであれなんであれ、強く信じているものがあると、その信念が行動や態度に影響を及ぼすため、思い込み通りの結果が生じるのではないか、と考えられています。

ピグマリオン効果が、「人は“他人から”何らかを期待されていると、その期待に応えたようなパフォーマンスを発揮する」というものでした。

自己成就的予言というのは、“他人から”の期待ではなく、“自分から”の自分に対する期待であっても、パフォーマンスが向上するかもしれないということを示しています。

Re受験生の皆さんも、根拠がなかったとしても、自分を期待し、自分を信じることから始めましょう

自己成就的予言

バックアップ役になる

Re受験生を支えていると、

「勉強しなさい!」

と言ってしまったり、

「こんな勉強方法があるみたいだからやってみなさいよ。」

と教えたりしたことがある人もいると思います。

Re受験生を支える人がなるべきは、監督者や指導者ではなく、あくまでもバックアップ役です。

バックアップとは、前に立って率いる人ではなく、後ろに回って支えてあげる人です。

心配や不安から、Re受験生にあれこれ口うるさくなってしまう気持ちもわかりますが、Re受験生にとっては逆効果になることが多いのです。

また、例えば「勉強しなさい!」という風に命令されると、言うことを聞いたかのように勉強を始めるかもしれませんが、

「自分で好きで始めたわけではなく、やらされてるんだ。やらされている以上は、上手くいかなくても自分のせいじゃない。」

と、責任から逃れる姿勢が生まれてしまいかねません

実際、脳のメカニズムの研究などを行う「認知科学」という分野では、「クリエイティブ・アボイダンス(創造的回避)」という用語もあるのですが、「やりたくない」と思っていることに対しては、「やらなくてもいい」または「やれなくてもいい」もっともらしい理由(言い訳)が簡単に思いつくのです。

「勉強しようと思ってたのに、親からめんどくさいこと言われて腹が立つから勉強に集中できない。」

という具合です。

もちろん、命令されてはモチベーションなど湧いてきません。

Re受験生本人が納得もしていないことを、やらせたところであまり効果がないのです。

バックアップ役に大切なことは、「よく観察し、共感してあげる」ことです。

例えばもし、Re受験生が勉強に身が入っていないなら、頭ごなしに「勉強しろ!」というのではなく、なぜそうなっているのか、観察したり話を聞いたりし、共感してあげることから始めましょう。

そして、Re受験生のゴールも確認しながら、前へと進んでいけるような解をRe受験生と一緒につくりあげていくのです。

命令しないまでも、

「こんな息抜きしてみたら?」

とか

「こんな勉強方法が効率的みたいだからしてみなよ。」

とアドバイスをすることもあるかもしれません。

命令するよりはよいように思えますが、これまたRe受験生の観察、状況把握なしに行っていたら、良かれと思っていてもほぼ押し付けになってしまいます

バックアップ役であるRe受験生を支える人たちは、Re受験生をよく観察し、共感し、必要なときに相談に乗ってあげながら、Re受験を乗り越える手助けをしてあげましょう。

他人と比較しない

「お姉ちゃんは勉強得意だったのに。」

「周りの子はもっと勉強してるんじゃないの?」

こうした他人との比較は、Re受験生の足を大いに引っ張ります。

そうした言葉を聞いて、「負けてらんねえ!」と反骨精神が刺激される人もいるかもしれませんが、一般的には自己肯定感が下がってしまい、自信の喪失やモチベーションの低下につながってしまいます

もし、

「周りよりは勉強してんじゃない?」

とポジティブな意味合いで他人と比較したとしても、注意が必要です。

なぜなら、他人と比較したときに生まれる自信は、不安定なものだからです。

先ほどの例では、誰と比較するかで、自分の方が勉強しているのか、それとも自分の方が勉強していないのか、変わってきますよね?

また、

「他人と比較したときに自分が優れているから認められているとしたら、そうではなくなったときに自分を認めてくれないのではないか?」

という疑心も抱きかねません。

「他人と比較しない」ということは、Re受験生本人にとっても重要なことです。

自己肯定感や自信がなくなってしまったり、ネガティブに感じたりして、精神的ストレスも感じます。

そこで、「他人と比較する」のではなく、「過去の自分と比較する」ようにしましょう。

昨日の自分よりも今日の自分の方が成長できていれば、それでよいのです。

1時間前の自分よりも今の自分の方がゴールに向かって努力していたら、それでよいのです。

過去の自分、少し前の自分よりもよくなることは、絶対できます。

そして、この成長から生まれる自信は、他人や環境には左右されない揺るぎない自信になります。

Re受験生を支える人は、他人と比較することをやめて、Re受験生本人がどう成長しているのか、その成長しているポイントに焦点を当てるようにしてください。

「他人と比較するな」というのは、「模試とかを受けて偏差値や順位を気にするな」というのとは少し違います。

自分の現在の立ち位置を把握するために、模試などを受けることは重要です。

ただその結果を受けてできることは何かというと、他人を蹴落とすことではなく、今の自分よりさらによくなるために、努力することしかないのです。

入試本番を考えてみてください。他人よりよい点数を取ろうとしても、それはできません。

どういうことかというと、他人が何点取るのかもわからないですし、自分が何点取れば合格できるのかも正確にはわからないということです。

入試本番で何ができるかというと、今持てる自分の全力を出してくることだけなのです。

Re受験生を支える人は、Re受験生を他人と比較することをやめて、その人本人の過去と比較するようにしましょう。そして、成長しているところや努力しているところを見てあげ、そこを褒めてあげましょう。

Re受験生本人も、自分と他人を比較することをやめて、過去の自分と比較するようにしましょう。そして、少しでもよくなれるように、努力をしましょう。

他人と比較しない

ポジティブに考えて発言する

Re受験生を支える人たちは、ポジティブな発言をするように心がけましょう。

当サイト『Re受験バイブル』の「Re受験生に必要なマインドセット」のページでも紹介していますが、“事実”と“解釈”を見極めることが、Re受験でも人生でも大切です。

そして“解釈”は、ポジティブな方にもネガティブな方にも、自分の好きなようにすることができます。

例えば、Re受験生が、模試で悪い成績を取ってしまったとします。その時に、

「これはヤバいな。。」

とネガティブな発言をするのか、

「おお足りないところがわかったから良かったじゃん!」

とポジティブな発言をするのかで、次の行動が変わってきます。

世の中に、「絶対良い!」「絶対悪い!」ということはありません。

「良い面もあれば悪い面もある。」ということなのです。

そうなのであれば、ポジティブな面を見ればよいですし、次につながるようにポジティブに捉えればよいのです。

ちなみに、一見ネガティブに思えることをポジティブな解釈に変換することを、コミュニケーション心理学では、「リフレーミング」と呼ばれたりします。

特にRe受験生は、精神的に追い込まれる人も多く、ネガティブな発想をしがちです。

だからこそ、Re受験生を支える人は、ポジティブに物事を見てあげることで、Re受験生の大きな力になります。

そして、Re受験をする当の本人も、物事をポジティブに捉えるよう心がけましょう。

見方を変えれば、次の行動も変わってきます

ポジティブに物事を見ることは、Re受験の成功にも大きく貢献しますし、人生でもかなり活かすことができます。

まとめ

以上、Re受験生の支え方を見てきました。

Re受験を成功に導けるのは、あくまでもRe受験生本人です。

しかしご存知のように、Re受験生を周りで支えている人の影響も、とても大きいのです。

Re受験は、Re受験生本人はもちろんですが、それをそばで支える人にとっても、大きく成長できるような機会です。

このページで紹介している内容を、ぜひRe受験、そして人生の他の場面でも活かしていってください。

Re受験生、Re受験生を支える人たちのチームで、Re受験を乗り越えてください!

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