モチベーションを
コントロールする
「やる気がなんか出ないんだよね~」
このように思ったことは、一度や二度ではないですよね?
勉強はもちろん、部活動、他にも家事のお手伝いなど、やる気が出なくてなかなか取り掛かれない。
最悪の場合は、結局取り掛かれずに終わってしまうこともあると思います。
しかも、
「しなくちゃいけないのは分かってる!!」
にもかかわらずです。
この“やる気”のことを、モチベーションといいます。“モチベ”と省略する人もいると思います。
そして、Re受験に挑戦するときには、この“モチベーション”が大きな敵になってきます。
マラソンを最初から最後まで全力疾走できないように、Re受験の約1年間、毎日睡眠以外の全ての時間を、全力で勉強することはできません。
しかし、
「全然勉強に手をつけられないわ。。」
という状態が長く続いてしまう、言い換えると、勉強へのモチベーションが全く出ないという事態は、避けることができます。
モチベーションは、ある程度維持したりコントロールしたりすることができるのです。
このページでは、Re受験中にモチベーションとどう向き合っていくべきかを、紹介します。
モチベーションとは?
モチベーションのコントロールの仕方を見ていく前に、
「そもそも“モチベーション”ってなに?」
という疑問に簡単に答えたいと思います。
辞書的には、“モチベーション”は「何か物事を行うにあたっての動因や刺激」のことです。
(参考:デジタル大辞泉)
別の言い方をすると、行動するときの「意欲」や「やる気」のことです。
念押ししておきますが、“モチベーション”と“感情”は関係性はありますが、=(イコール)ではありません。
「成績が上がって周りから褒められ、嬉しい!」
だから勉強に前のめりになることもありますし、
「成績が下がると親に合わせる顔がない。不安だ。。」
だから勉強するよう駆り立てられることもあります。
したがって、“モチベーション”は“感情”ではありません。
“感情”は、
「よし、嬉しくなろう。」と意図して嬉しくなる。
「よし、悲しくなろう。」と意図して悲しくなる。
みたいには、コントロールできませんよね?
一方、“モチベーション”は“感情”とは違うので、
「よし、モチベーションを上げよう!」と思っただけで上げることは難しいですが、
ここで紹介するような方法を使って、間接的にモチベーションをコントロールすることはできるのです。
“モチベーション”についてもう少し説明すると、“モチベーション”は
「内発的動機付け」
と
「外発的動機付け」
の2つの要素からなるとされています。
「内発的動機付け」とは、「自分の内側に原因があって、行動にいたる」というモチベーションです。
具体的には、
「世界史に興味があるから勉強する。」
「第一志望の大学に行きたいから、そのために勉強したい!」
というような、興味や関心、好みや、「ほしい!」「やりたい!」という欲求などが、モチベーションになります。
行動を起こしたきっかけが、自分の内側にあるパターンです。
Re受験でいうと、あとで詳しく書いていますが、ゴールを意識して「勉強したい!」という想いを強めるのは、内発的動機付けにアプローチするものになります。
また、「外発的動機付け」とは、「自分の外側に原因があって、行動にいたる」というモチベーションです。
具体的には、
「今勉強頑張ったら、後で親からご褒美もらえるから、勉強しよう。」
「次の模試でいい点数を取らないと塾の先生に叱られるから、勉強しよう。」
もしくは、
「この時間は塾の先生に強制的に自習させられる。」
というような、評価や褒美・報酬、ペナルティ、強制などが、モチベーションになります。
自分が行動を起こす理由が、自分の外側にあるパターンです。
Re受験でいうと、
「偏差値が60になったら、前から欲しかった服を買うぞ!」
と自分へのご褒美を決めたり、
「東京大学に絶対合格します!」と周囲に言いふらす
ことで、落ちたら恥ずかしい思いをしてしまう状況を意図的につくり出したりするのは、外発的動機付けにアプローチするものです。
一般的には、「内発的動機付け」はすぐに効果が出にくいものの、一度内発的なモチベーションが出ると持続しやすく、「外発的動機付け」はモチベーションが持続しにくいものの、すぐに効果が出る、つまりすぐに行動につながりやすいという特性があります。
内発的なモチベーションを高めながら、外発的なモチベーションが高まる環境や状況を自らつくり出していく
というのが、モチベーションと向き合う上での基本的な戦略となります。
外発的動機付けを活用する方法は、自分でご褒美を設定したり、引くに引けない状況を自分でつくり出したり、浮かびやすいと思います。
ここでは、特に内発的動機付けに関すること、そして、モチベーションに頼らない行動テクニックについて紹介します。

ポジティブな感情を維持する
先ほど“感情”について触れましたので、それについて一言付け加えておきます。
“モチベーション”とは、「行動を起こすための理由」でした。
そのため、
「勉強しないと親に叱られる!だから勉強する!」
「Re受験に失敗するのが怖い。。だから勉強する。」
というのもモチベーションです。
しかし、ネガティブな感情は精神的なストレスにもつながりますし、精神的なストレスが原因で体に不調が出てくることもあります。
ネガティブな感情をモチベーションにすることで、勉強に取り掛かれることもあるかもしれませんが、負の影響が大きいのです。
そこで、ポジティブな感情を持つよう心がけ、ポジティブな感情をモチベーションにするよう努めましょう。
では、
「どうすればポジティブな感情を持てるの?」
ということですが、一つは、
「ポジティブな“考え方”をする」
または
「ポジティブな“側面を見る”」
よう意識してください。
「あの人はポジティブな人!」
「あの人はネガティブな人!」
と、あたかも決まっていて固定された性格かのように言う人もいると思いますが、実はポジティブな人というのは、
「ポジティブな方向へ考えられる人」
または
「ポジティブな側面を見ている人」
なのです。
模試を受けたところ、自分の志望校の合格率が50%を下回っていたときに、
「もう無理かもしれない」
と思うこともできれば
「苦手ポイントが分かったからそこを克服すればいいんだ!」
と考える人もいるわけです。
テストの数日前に風邪を引いたときに、
「こんなときに風邪にかかるなんて最悪だ!」
と思うこともできますが、
「テスト当日に発症しなくてよかった。」
と思うこともできるのです。
「ポジティブ」というのは、特性ではありません。
繰り返しですが、物事をどのように解釈するか、物事のどの側面を見るかの、癖の話です。
ということは、ポジティブになれるようにトレーニングすることができます。
“ポジティブさ”はきっと人生の役に立ってきますので、
「ポジティブに考えるとどう解釈できるかな?」
「一見よくない状況だけど、ポジティブな面は何だろう?」
と考えるようにしてみてください!
“ポジティブ”に関することは、当サイト『Re受験バイブル』の「Re受験に必要なマインドセット 」「Re受験生の支え方」のページでも紹介しているので、ぜひ見てみてください!
モチベーションの
コントロール方法
それでは、モチベーションをコントロール・維持する方法をいくつか見ていきましょう。
ここでは代表的なものを紹介していますが、世の中にはモチベーションに関するたくさんの情報があるので、ご自身でも探してみてください。
また、“モチベーション”とは、行動を起こすために必要とされる1要素です。
目的はあくまでも、“行動を起こす”ことなのです。
そこで、モチベーションの維持から少し話を広げて、モチベーションがない、あるいはモチベーションが低くても行動できる方法も紹介します。
「どうすれば行動できるようになるのか?」
を知るための、導入みたいな感じで、参考にしてください。
ゴールを設定する
まず、モチベーションの維持に一番大切なことですが、それは、
ゴールを決めて、そのゴールを常に意識する!
ことです。
設定するゴールは何でもよいです。
Re受験生の皆さんであれば、「志望校に合格する」というのが基本になってくると思います。
重要なことですが、やる気がしっかり出てくるような、ワクワクするゴールを設定しましょう!
また、
「最低限達成したいゴールが自然と達成されるような、より先のゴール」
をつくれるとよいです。
イメージでいうと、最低限達成したいゴールが「東京大学合格」とするなら、
「来年は東京大学で講義を受けながら、友達もたくさんつくって、空き時間にはキャンパスの外で遊んで、充実した楽しい時間を過ごすんだ!」
というような感じです。
このようなゴールを設定することで、ワクワク感がより刺激されたりするのです。
「ゴールの設定」については、当サイト「Re受験生の志望校の決め方」のページで詳しく書いていますので、ぜひ合わせて読んでみてください。
そして、ゴールをいざ決めたら、常日頃からそのゴールを意識することが大事です。
ゴールを意識することで、
「だから勉強したい!」
や
「そのために勉強しないとな!」
と、モチベーションが湧いてくるのです。
「勉強しないといけないけど、スマホいじっちゃう。。」
というときもあると思いますが、そのときは、未来のことを考え、ゴールが何だったか思い出すように癖をつけましょう。
できれば、ゴールをただただ思い出すだけでなく、
そのゴールを達成している未来の自分が、どのような生活を送っていて、どのように満足感を抱いているのか。
こうしたレベルまでイメージするようにしましょう。
そうすることで、よりモチベーションが湧いてきやすくなります。
モチベーションの維持にゴールは不可欠です!
小さなゴールをつくる
大きなゴールだけでなく、そのゴールにたどり着くまでの小さなゴールもつくると、モチベーションの維持に効果的です。
Re受験生にとっては、“模試”という便利なツールがあります。
模試を定期的に受けることで、
「次の模試までには参考書を完璧にしておこう。その次の模試までには過去問を完璧にしておこう。」
という感じで、勉強に対するモチベーションを維持しやすくなります。

「習慣化する」ことを意識する
「モチベーションが出なくて勉強に取り掛かれない。。」
ということは、
「かなりモチベーションがないと取り掛かれないくらい、“勉強”が当たり前になっていない」
といえます。
つまり、“勉強”が習慣になっていないのかもしれないのです。
例えば、「朝、歯を磨くこと」や、「スマホでSNSを見ること」などには、ほとんどモチベーションがいらないという人が多いのではないでしょうか。
人によっては、「毎日筋トレをしている!」という人もいるかもしれませんが、そのなかには、モチベーションのある・ないに関係なくやっている人もいます。
理由は一つだけではないと思いますが、モチベーションがなくても行動できるのは、その人にとってはその行動をすることが習慣になってしまっているから、当たり前になっているから、というのがあります。
「習慣化する」というのは、「モチベーションを上げる」という発想ではなく、「モチベーションをいらないようにする」という発想です。
Re受験生の皆さんは、
「とりあえず勉強することを習慣化する!」
「勉強している状態を当たり前にする!」
という方向性で、意識してみるとよいでしょう。
とりあえずやる
「モチベなくて勉強できないわ~」
と言っているのに、
「じゃあ、とりあえず勉強しよう!」
と言われたら、
「はあ、何言ってるんや?」
と思う人もいるでしょう。
しかし、
「やり始めたらやる気が出る」
ということが、脳科学の分野では認められています。
やる気が出ている際には、ドーパミンという神経伝達物質がたくさん分泌されているのですが、
「じゃあ、そのドーパミンとやらはどうしたら分泌されるの?」
というと、それは、「行動しているとき」なのです。
モチベーションが出るまで待っていても、なかなか出てこないのです。
このメカニズムを知ったからには、
「勉強のやる気がでないからこそ、勉強を始めよう!」
と思うようにしてみてください。
また、「とりあえずやり始める」ために、やり始めるまでの労力を最小限にするように工夫しましょう。
例えば、寝る前に英単語の勉強をしようと思ったとき、英単語帳が、リビングにおいてあるリュックサックの一番下に入っているとしたら、英単語帳を開くまでにかなりの労力が必要となり、結局やらないまま終わってしまいます。
一方、寝室の枕元にすでに英単語帳を置いておけば、さらにいうと、開いて置いておけば、読み始める労力がほとんどいらなくなるのです。
そして、
“小さなこと”からやり始めよう!
と考えるのも、重い腰を上げるのに非常に有効です。
例えば、
「勉強を1時間しよう。」
というのではなく、
「とりあえず5分教科書を眺めよう。」
という感じです。
または、
「とりあえず勉強机に向かおう。」
というのでもよいのです。
「とりあえずやり始める!」という考え方を持つようにするのと、やり始めるまでの障壁を減らすことを意識するとよいでしょう。

勉強以外のことをする
「勉強のモチベーションがどうしても上がらないな。。」
というときは、思い切って勉強以外のことをすることも一案です。
いわゆる、“息抜き”です。
軽い運動をしてみたり、勉強とは関係のない本を読んでみたり、Re受験生仲間と会話したり。
同じくRe受験にチャレンジして成功した人の、Re受験体験記を読むのも、息抜きになりつつ、勉強のモチベーションを高めてくれると思います。
こうして息抜きを上手く活用することで、精神的なストレスを軽減することができ、勉強へのモチベーションを約1年間のRe受験期間を通じて維持することができるのです。
ちなみに、“息抜き”については、「Re受験生の息抜き」のページで詳しく紹介していますので、ぜひ読んでみてください。
勉強へのモチベーションを維持するために、あえて勉強以外のことをするというのも、試してください!
まとめ
以上、Re受験生の敵である、“モチベーション”とどう向き合っていくのかを見てきました。
そして、「モチベーションがなくても“行動”できればいい!」という観点から、モチベーションを必要としない行動術も少し紹介しました。
Re受験生に限らず、思うように行動できず悩んでいる人は、世の中にたくさんいます。
一方、そうした悩みに答えるために、さまざまな解決案が世の中にたくさん出ています。
冒頭にも述べましたが、このページは「モチベーション維持」や「行動テクニック」の導入として、他にもいろいろな行動テクニックをご自身で調べてみてください。
モチベーションのコントロールテクニックや、行動するためのテクニックは、Re受験だけでなく、人生でもかなり役立ってきます。
「これからの人生を乗り越えるための練習として、今Re受験にチャレンジしているんだ!」
というような意識ももって、Re受験を頑張ってください!